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Oracle Databaseを19cから26aiへ|「CDB化」と「システム停止時間短縮」を両立する移行アプローチ

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2029年末に「Oracle Database 19c」のフルサポートが終了します。リプレース先の最有力候補となる「Oracle AI Database 26ai」に移行するには「CDB構成(テナント構成)への変更」が必須です。

その壁を乗り越え、課題となりがちな「システム停止時間の短縮」を実現するため、代表的な4つのデータ移行手法を検証結果から徹底比較しました。自社のリプレース計画にぜひお役立てください。

Oracle Database 19c サポート終了に備える!Oracle AI Database 26ai 移行の重要課題

現在主流となっている「Oracle Database 19c(以下、19c)」の「Premier Support(フルサポート)」は2029年12月31日までとなっています。19cより前のバージョンについては、すでに「Sustaining Support(新規パッチなし、既存パッチ・問い合わせのみ対応)」となっているため、次期バージョンへのリプレース計画を本格的に検討すべき時期にきています。

そこでリプレース先の最有力候補となるのが「Oracle AI Database 26ai(以下、26ai)」です。26aiはデータベース内部にAI機能が組み込まれているのが最大の魅力であり、高速なベクトル検索(Oracle AI Vector Search)や自然言語でのデータ検索(Select AI)* などが可能になります。すでにオンプレミス版(執筆時点でLinux版のみ)も提供が開始されており、機能面では非常に期待できるバージョンアップと言えます。

参考:* 「探す」から「問いかける」へ。アシストが考えるOracle AI Database 26ai「Select AI」の最適な導入アプローチ(2026年4月6日時点の情報)

バージョン・リリース

出荷
開始年月

Premier
Support

Extended
Support

Sustaining
Support

11g R2

11.2.0

2009/09

~2015/01/31

~2020/12/31

無制限

※OSデサポート
を除く

12c R1

12.1.0

2013/06

~2018/07/31

~2022/07/31

12c R2

12.2.0

2017/03

~2020/11/30

18c

Innovation
Release

2018/07

~2021/06/30

19c

Long Term
Release

2019/04

~2029/12/31

~2032/12/31

21c

Innovation
Release

2021/08

~2027/07/31

26ai

Long Term
Release

2023/09

~2031/12/31

未定

参考:(PNEWS1360)現在のデータベース・リリースのリリース・スケジュール(2026年8月5日時点の情報)
※該当記事へのアクセスはMy Oracle Supportへのログインが必要

しかし、ここでシステム担当者の皆様に立ちはだかるのが「構成面での大きな変更」です。ただ新しいバージョンに移行するだけでなく、新しいアーキテクチャへの移行を前提とした計画が必須になります。

では、次のリプレースで避けられない新しいアーキテクチャとは何でしょうか。次の章で詳しく紐解いていきましょう。

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Oracle AI Database 26ai 移行で必須となるアーキテクチャ「CDB」と「非CDB」の違いとは

これからの標準となる「CDB構成(テナント構成)」は、管理用の大きな器である「CDB(コンテナデータベース)」の中に、複数の独立した「PDB(プラガブル・データベース)」を収容する新しいアーキテクチャです。

従来の非CDB構成との決定的な違いは「システムリソースの共有化」にあります。従来構成ではデータベースごとに個別のメタデータ、SGA(システム・グローバル領域)、バックグラウンド・プロセスを持たせていましたが、CDB構成ではこれらを共通のCDBでまとめて共有利用します。

このアーキテクチャの変更により、CDB構成では主に以下のようなメリットを享受できるようになります。

💡 高い集約率

CPUやメモリリソースを全PDBで効率的に共有できるため、従来のインスタンス統合よりも圧倒的な集約密度を実現します。

💡 柔軟な可搬性

PDBはCDB間で切り離し(Unplug)と差し込み(Plug)が容易に行えます。また、オンラインでのクローン作成もサポートされています。

💡 分離性の維持

リソースを共有しつつも、アプリケーションからは完全に独立したデータベースとして動作します。PDB単位でのI/Oやメモリのリソース制御も可能です。

💡 運用効率の向上

パッチ適用やバックアップなどを、PDBごとではなくCDB単位で一括実施できるようになり、管理の手間を大幅に削減できます。

一方で、このように運用メリットの多いアーキテクチャへの変更こそが、次回のリプレースにおける最大の壁となります。

弊社のお客様の約7割が19cを採用されており、その多くがこれまでの構成を踏襲した「非CDB構成」のままシステムを利用されています。つまり、現在19cを非CDB構成でご利用中の大多数のお客様にとって、次回のリプレースは単なるソフトウェアのバージョンアップにとどまらず、これまでの構成を捨て「CDB構成への移行」を前提としたデータ移行計画を立てていく必要があるのです。

アーキテクチャが変われば、当然ながらデータ移行の手法も従来とは異なるアプローチが求められます。そこで、この移行の壁を乗り越えるために、どのようなデータ移行手法をとれば良いのかを見ていきましょう。

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Oracle AI Database 26ai 移行に向けた代表的な4つのデータ移行手法

前章でお伝えした通り、26aiへのリプレースにおいては「CDB構成への移行」という大きなアーキテクチャの変更が立ちはだかります。このため、移行パターンとしては「CDBからCDBへ」もしくは「非CDBからCDBへ」のいずれかとなり、自社のシステム要件に合わせて最適な手法を選択する必要があります。

データ移行には数多くの手法が存在しますが、複雑な工程が必要なものや、特定の環境に依存するものも少なくありません。そこで本コラムでは、稼働環境やエディションなどによる制限が少なく、Oracle Databaseの標準機能を使ってシンプルに実施できる代表的な4つの手法をご紹介します。

移行手法

異なる










備考・注意事項

H
W

O
S

キャラクタセット

Data Pump Export/Import

必要

ー  10gR1以降で利用可能

PDB Unplug/Plug

×

×

必要

ー 

PDBクローン

×

×

不要

ー 

リフレッシュ可能クローン

×

×

不要

ー 

データベースリンク + ダイレクトロード

不要

△ DB間の接続互換性が必要

RMAN + アップグレード

×

×

×

必要

△ OSバージョンの一致が必要

トランスポータブル表領域

×

必要

✕ EEライセンスが必要

Oracle Golden Gate

不要

✕ 別製品のライセンスが必要

最もオーソドックスで汎用性の高い「Data Pump Export/Import」

データベース内の論理データをエクスポートし、新しい環境へインポートするという、従来から広く使われている最もオーソドックスな移行手法です。

データの抽出と投入を行うシンプルな仕組みのため、アーキテクチャの変更を伴う移行にも柔軟に対応でき、どのような要件でも検討の土台となる汎用性の高さが強みです。

データファイルを物理的に移動する「PDB Unplug/Plug」

PDBの配置情報と構成ファイルを元に、データベースを物理的に「移動」させる手法です。

例えるなら、USBメモリをパソコンから取り外して(Unplug)、別のパソコンに差し込む(Plug)ようなイメージを想像していただくと分かりやすいかもしれません。PDBを丸ごと取り外して移行先に取り付けるため、中のデータ差分や整合性を細かく意識することなく、そのままの状態で移行できるのが特徴です。

稼働中のコピーを作成する「PDBクローン」

その名の通り、データベースの「コピー」を別のCDB上に作成する機能です。

Oracle Database 12.2以降では「ホットクローン」という機能が追加され、コピーを作成している最中でも移行元の本番データベースへのアクセスを継続できるようになりました。業務を止めずに裏側で新しいデータベースのコピー処理を進めることができる機能です。

非CDBからの移行にも対応する「リフレッシュ可能クローン」

先ほどのPDBクローンをさらに応用・進化させた手法が「リフレッシュ可能クローン」です。

この機能の素晴らしいところは、クローンを作成して移行先に転送した後も、移行元で発生した「更新データの差分」を継続して同期(リフレッシュ)し続けられる点にあります。システムの切り替え直前までデータを同期しておけるため、いざ切り替える際のシステム停止時間を最小限(アップグレード処理にかかる時間のみ)に抑えられます。

さらに、現在19cをお使いの多くのお客様が抱える「非CDB構成からCDB構成への移行」にも利用できる非常に頼もしい機能となっています。


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システム停止時間を短縮!検証結果から紐解くOracle AI Database 26ai 移行の最適解

前章では、標準機能で実現できる4つの移行手法をご紹介しました。では、いざ自社のシステムを移行するとなった場合、どれを選ぶのが正解なのでしょうか。

データベース移行において、システム担当者の皆様が最も頭を悩ませるのが「システム停止時間をいかに短くするか」です。
PDB Unplug/PlugやPDBクローン、リフレッシュ可能クローンといった手法は、データ差分や整合性を細かく意識せずにデータベースをそのまま移行できたり、稼働中に裏側で新しい環境の準備を進められたりするという特徴を持っています。こうした背景から、「これら3つの手法はすべて、データの抽出と投入を伴うData Pumpよりもシステム停止期間が短くなるのではないか」と期待される方も多いのではないでしょうか。

ここでは、弊社で実際にオンプレミス環境の19cから26aiへのデータ移行を検証した結果をもとに、果たして期待どおりにシステム停止期間が短くなるのかを詳しく見ていきます。

各移行手法における「システム停止時間」の比較結果

今回の検証では、データベース構成ファイルの物理サイズが約90GB、そのうち実データ量が約60GBの環境を用意し、各手法での所要時間やシステム停止時間(アプリケーションからデータベースにアクセスできない時間)を比較しました。

最もオーソドックスな「Data Pump」での所要時間を基準とした場合、以下のような結果となりました。

☑️ Data Pumpよりシステム停止時間が長い

・PDB Unplug/Plug
・PDBクローン

✅ Data Pumpよりシステム停止時間が短い

・リフレッシュ可能クローン

このように、すべての手法が事前の期待どおりにシステム停止期間を短縮できるわけではないという結果となりました。

「PDB Unplug/Plug」や「PDBクローン」でシステム停止時間が長引く理由と注意点

なぜ「PDB Unplug/Plug」や「PDBクローン」といった物理移行手法の方が「Data Pump」よりシステム停止時間が長くなってしまったのでしょうか。主な理由と、検証で判明した致命的な注意点を確認してみましょう。

💭 理由1:データ転送量の違い

「Data Pumpが約60GBの「実データのみ」を抽出して転送するのに対し、物理移行手法では約90GBの「データベース全体の物理サイズ」を丸ごと転送する必要があります。この転送量の差が、処理時間に大きく影響してしまいました。

特に「PDBクローン」については、ホットクローンにより業務を止めずにコピーを開始できるものの、標準機能では事後の差分同期ができません。そのため、最終的な切り替え時には更新内容を反映させるために再度データ全体をコピーし直す(あるいは業務を止めてから丸ごと転送する)必要があり、結果的に全データの転送時間分がそのままシステム停止時間に含まれてしまうのです。

💭 理由2:データ移行後のアップグレード操作

「Data Pump」は、あらかじめ移行先に作成しておいた新しいバージョンのデータベースへデータを投入するだけで移行が完了します。

しかし、物理移行手法の場合は古いバージョンの構成ファイルをそのまま持ってくるため、データの移行後に26aiのバージョンに合わせるための「アップグレード操作」が追加で必要になり、これがシステム停止時間をさらに延ばす要因となりました。

⚠️ 注意点:「PDB Unplug/Plug」の致命的な弱点

「PDB Unplug/Plug」には移行用途として致命的な弱点があることも分かりました。
一度移行元からUnplug(取り外し)したデータベースを、もう一度元の環境にPlug(差し込み)しようとすると、メタ情報の整合性が取れずにエラーになってしまうのです。

し本番の移行作業中にトラブルが発生して元の状態に戻す(切り戻し)ことになった場合、データファイルの再利用やデータベースの再作成といった大きな手間がかかってしまいます。

✏️ 結論:物理移行手法は「テスト環境作成」など別の用途へ

これらの検証結果から、切り戻しの負担も大きい「PDB Unplug/Plug」やシステム停止時間が長引く「PDBクローン」は、残念ながらリプレースのための本番データ移行には不向きであると言えます。

ただし「PDBクローン」については、アプリケーションからのアクセスが可能な状態でデータベースのクローンを別環境に作成できるため「本番と同じデータのテスト環境を作成する」といった用途での活用を検討するのが良さそうです。

移行時のシステム停止時間短縮に「リフレッシュ可能クローン」がおすすめな理由

では、結局どの手法を選ぶのがベストなのでしょうか。

今回の検証において、最もシステム停止時間を大きく短縮できたのが「リフレッシュ可能クローン」です。この手法が本命となる2つの大きな理由をご紹介します。

💡 理由1:業務を止めずにデータの同期ができ、システム停止時間が約3分の1になる!

この手法の最大の強みは、アプリケーションからアクセス可能な状態(業務を止めない状態)でクローンを作成・移行先に転送し、その後も更新差分だけを継続して同期(リフレッシュ)し続けられる点にあります。 つまり、システム停止時間としてカウントされるのは、切り替え時の「最終的なデータの同期」から「アップグレード操作が終わるまで」の時間のみに限定されます。

その結果、今回の検証ではData Pumpと比較して約3分の1程度にまでシステム停止時間を抑えることができました。

💡 理由2:19cで主流の「非CDB構成」からの移行にも対応している!

さらに嬉しいポイントとして、現在19cで主流となっている「非CDB構成」からの移行にも利用できる点が挙げられます。 移行手順の一部を少し修正するだけで対応でき、なんとアップグレード操作の中で「非CDBからCDBへの変換処理」も自動で実行してくれます。

まさに、次期バージョンへの物理移行において最も有力な選択肢となると言えます。

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まとめ:Oracle AI Database 26ai 移行を成功に導くためのステップと事前準備

影響範囲の大きいデータベース移行を成功させるためには、まずは「早めの情報収集」、そして「十分な事前準備」が重要です。

データベース移行は、早めの情報収集が明暗を分けます。
弊社では、現場のエンジニアが実践的なTipsを発信する「アシスト現場ブログ」を公開しています。また、2026年8月19日(水)には本コラムの検証内容などをさらに深掘りしたウェビナー「Oracle Databaseを26aiへ!CDB化に向けたデータ移行手法の比較と実践アプローチ」を開催いたします。
自社に合う移行プランのヒントをお探しの方は、ぜひ一度ご確認ください。

情報収集で移行のイメージが掴めたら、次は実際の事前準備です。
26aiへの移行を成功させる鍵は、「自社のシステム要件に最適な移行手法の選定」と「十分な事前検証」に尽きます。システム停止時間の短縮には、今回の検証で最も優秀だった「リフレッシュ可能クローン」が有効です。一方で、構成の柔軟性や汎用性を重視する場合は、従来からの「Data Pump」が適しているケースも多くあります。
まずは自社環境の要件を棚卸しし「PDBクローン」なども活用してテスト環境での検証やリハーサルを重ね、確実な移行手順を確立しましょう。

もし、移行手法の選定や実際のデータベース構築についてお悩みがあれば、ぜひアシストまでお気軽にご相談ください。豊富なノウハウをもとに、皆様の次期バージョンへの移行を全力でサポートいたします。



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この記事を書いたスタッフ

著者の顔写真

データベース技術統括部 技術3部 課長

中村 真之

データベース技術統括部 技術3部 課長

中村 真之