
WindowsのGUIから手動で実行できたバッチファイルが、JP1/AJS3からだと実行できなかった経験はありませんか?実は、Windowsにログオンした状態から手動でバッチファイルを実行する場合と、JP1/AJS3から実行する場合では、ジョブのプロセスの生成方法などが異なります。
それにより、ジョブによっては実行環境の違いが原因で実行できないことがあります。
今回は、Windows版JP1/AJS3でバッチファイルを実行する上での、設定上の注意点をご紹介します。
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1.JP1とOSのジョブ実行環境の違い
JP1/AJS3でジョブを実行する際、手動(OS上)でスクリプトを実行する時と何が異なるのか、 以下の表にまとめました。
項番 | 項目 | JP1から実行した場合 |
|---|---|---|
1. | 環境変数 | JP1/AJS3のジョブの実行環境には、ユーザー環境変数は設定されません。 |
2. | ユーザープロファイル | バージョン10以前のJP1/AJS3のデフォルト設定では、ユーザープロファイル |
3. | 実行OSユーザー | JP1/AJS3では実行登録したJP1ユーザーとマッピングしているOSユーザーで |
4. | 基本優先度 | JP1/AJS3のデフォルトの設定では基本優先度は「低」で実行されます。 |
5. | ファイルディスクリプタ | 標準出力や標準エラー出力、標準入力が手動で実行した場合と異なります。 |
6. | 実行空間 | JP1/AJS3のジョブはサービス空間で実行されます。 |
7. | ネットワーク共有 | Windows2003では「ネットワークドライブの割り当て」によって |
8. | カレントディレクトリ | [ワークパス]を指定しない場合、デフォルトでは以下のフォルダが |
9. | ジョブの実行ファイル名 | JP1/AJS3からジョブを実行した場合、実行ファイル名がロングファイル名だと |
10. | WOW64環境の問題 | WOW64環境で%systemroot%\system32下の64ビットアプリケーションを |
11. | UACの問題 | WindowsのUAC機能を有効にしていると、ビルトインAdministratorを除く、 |
12. | デスクトップ | JP1/AJS3サービスのセッションとジョブを実行したユーザーで保持する |
2.対処方法
項目ごとの対処方法をご紹介します。
1. 環境変数
ユーザー環境変数に指定している変数を、ジョブ内の環境変数に定義してください。
2. ユーザープロファイル
以下の手順を実施して、ユーザープロファイルの設定を有効にしてください。
(1)JP1/AJS3サービスを停止
(2)ユーザープロファイルの設定をするコマンドを実行
> jajs_config -k [JP1_DEFAULT\JP1NBQAGENT\Job] "LoadUserProfile"=dword:1
> jajs_config -k [JP1_DEFAULT\JP1NBQAGENT\Job] "IsAccessTokenCache"=dword:2
※論理ホストを利用している時は[JP1_DEFAULT]に[論理ホスト名]を入れてください。
(3)JP1/AJS3サービスを起動
【参考マニュアル】
JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド
6.2.16 ユーザープロファイルを必要とするジョブを実行するための設定
https://itpfdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/30213B1510/AJSX0076.HTM
3. 実行OSユーザー
手動で実行したOSユーザーと同一のユーザーでジョブを実行するようにしてください。
4. 基本優先度(プライオリティ)
PCジョブの定義の「実行優先順位」の設定により優先度を変更することが可能です。
デフォルトは「なし」ですが、「3」にすることで手動環境と同様のプライオリティになります。
5. ファイルディスクリプタ
ジョブの「標準入力ファイル名」「標準出力ファイル名」「標準エラー出力ファイル名」に
「CON」と指定してください。
6. 実行空間
JP1/Scriptと連携することで対応可能です。
また、この問題かどうかはOSのタスクスケジューラーから「デスクトップとの対話をサービスに許可」を
外した状態で実行することによって、JP1のサービス空間で実行できるか、切り分け可能です。
7.ネットワーク共有
ジョブの中でネットワーク共有を行うか、UNC指定を行うことで対応可能です。
なお、UNC指定を行なう場合、ジョブ実行OSユーザーでアクセスできる ことが前提です。
以下、例のように指定してください。
例) \\10.10.10.1\JP1\ファイル名
8. カレントディレクトリ
ジョブ定義の[ワークパス]に、利用したいフォルダ名を記載してください。
9. ジョブの実行ファイル名
以下の手順を実施して、ロングファイルを実行する設定を有効にしてください。
(1)JP1/AJS3サービスを停止
(2)ロングファイル名での実行を有効化する
> jajs_config -k [JP1_DEFAULT\JP1NBQAGENT\Job] ""IsExecFindExecutable""=dword:1
※論理ホストを利用している時は[JP1_DEFAULT]に[論理ホスト名]を入れてください。
(3)JP1/AJS3サービスを起動
【参考マニュアル】
JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド
6.2.15 ジョブをロングファイル名で実行するための設定
http://itpfdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/30213B1510/AJSX0075.HTM
10. WOW64環境の問題
以下の手順を実施して、WOW64環境を実行する設定を有効にしてください。
<windows2008>
%systemroot%\system32配下の代わりに%systemroot%\sysnative配下に
アクセスするようにしてください。
例) %systemroot%\sysnative\cscript
【参考マニュアル】
JP1 Version 11 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)
9.5.1 WOW64環境でx86対応のJP1/AJS3を使用する場合の注意事項
https://itpfdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/30213B1310/AJSH0171.HTM</windows2008>
11. UACの問題
以下の手順を実施して、UAC環境でも実行できるようにする設定を有効にしてください。
(1)JP1/AJS3サービスを停止
(2)UAC機能有効時でもadministrators権限でジョブを実行できる設定をする
1.任意のファイルを作成し、以下を記載する
例) C:\JP1\jajs_add.conf
[JP1_DEFAULT\JP1NBQAGENT\Job]
""UACAdministratorsExec""=dword:00000001※論理ホストを利用している時は[JP1_DEFAULT]に[論理ホスト名]を入れてください。
2.以下コマンドを実行して設定を有効化する
> jbssetcnf C:\JP1\jajs_add.conf
(3)JP1/AJS3サービスを起動
12. デスクトッププロセスの問題
以下のフォルダを作成したことにより、正しく動作した事例がございます。
<64 bit 版 OFFICE 製品の場合>
C:\Windows\System32\config\systemprofile\Desktop
<32 bit 版 OFFICE 製品の場合>
C:\Windows\SysWOW64\config\systemprofile\Desktop
※Microsoft Office は、対話型デスクトップおよびユーザープロファイルを
想定して設計されているため、上記の対処でも、JP1/AJS3のような
非対話型の製品での実行では動作しない場合があります。
3.まとめ
ご紹介したように、WindowsのGUIから手動で実行する場合と、JP1/AJS3から実行する場合で
動作が違うことがあります。
JP1/AJS3からだとジョブを実行できないという場合には、上記の観点でも確認をしてみてください。
製品正式名称/略称表記 および機能対応バージョン
JP1/Automatic Job Management System 3 - Manager/JP1/AJS3-Manager Version9.0以降
JP1/Automatic Job Management System 3 - Agent/JP1/AJS3-Agent Version9.0以降
JP1/Base/JP1/Base Version9.0以降
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本田 祐次
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