
実行登録したはずのジョブが、設定した時間になっても「キューイング状態」となり、正常に開始されなかった経験はありませんか?今回は、JP1/AJS2(V8以前)やJP1/AJS3(V9以降)のジョブがキューイング状態となる、以下5つのケースと対処方法をご紹介します。
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ジョブがキューイングする5つの原因と対処方法
JP1/AJS3(JP1/AJS2)のジョブがキューイング状態になった場合は、以下5つのケースに該当しないか確認してください。
1.マネージャーホストとエージェントホスト間で名前解決が出来ていない
● 原因
JP1/AJS3(JP1/AJS2)は、ホスト名からIPアドレスで名前解決できる環境で動作します。特にマネージャーホストとエージェントホスト間の通信においては、それぞれのマシンの「ホスト名」を使用するため、互いのホスト名が正しく名前解決されていないとジョブがキューイング状態となります。
● 対処方法
DNS運用をしている場合は、ホスト名のIPアドレスがFQDN形式で正しく名前解決されるよう設定してください。
※論理ホスト名には、FQDN形式のホスト名が使用できません。
2.実行先ホストのJP1/AJS3およびJP1/AJS2サービスが起動していない
● 原因
JP1/AJS3(JP1/AJS2)は、エージェントホスト上の処理をマネージャーホストから実行できます。エージェントホストへジョブを配信する場合、配信先のJP1/AJS3(JP1/AJS2)サービスが正常起動している必要がありますが、サービスが停止していると、マネージャーホストはジョブを受信できずにキューイング状態となります。
● 対処方法
ジョブの実行先となるエージェントホストのJP1/AJS3(JP1/AJS2)サービスを起動してください。
Windowsの場合
[コントロールパネル]-[サービス]を選択。もしくは、[管理ツール]-[サービス]を選択します。
[JP1/AJS3]または[JP1/AJS2]サービスを選択して、[開始]をクリックします。
UNIXの場合
1.下記コマンドを実行して、サービス稼働状況を確認します。
# /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
KNAD3662-I プロセスは全て停止しています
2.サービスが停止している場合、下記コマンドを実行してサービスを起動します。
# systemctl start jp1_ajs3.service
※クラスタ環境の場合はコマンドオプションに -h 論理ホスト名 を付与してください。
3.ファイアウォールがJP1で使用するポートを遮断している
● 原因
JP1/AJS3(JP1/AJS2)は、ファイアウォールを挟んでJP1/AJS3 - Manager(JP1/AJS2 - Manager)と、JP1/AJS3 - Agent(JP1/AJS2 - Agent)またはJP1/AJS3 - View(JP1/AJS2 -View)を接続するシステム構成に対応しています。ただし、JP1サーバ間にてファイアウォールを透過し、通信可能であることが前提となります。そのため、JP1で使用するポートがファイアフォール側で遮断されていると、マネージャーホストとエージェントホスト間の通信が遮断されてジョブがキューイング状態となります。
● 対処方法
ファイアウォールを経由するネットワーク環境下でJP1を運用する場合、パケット・フィルタリングやNATへJP1/AJS3(JP1/AJS2)が使用するIPアドレスとポート番号を定義する必要があります。開放するポート番号や通信方向は以下の通りです。ジョブがキューイングする場合、まずは★印のポートをご確認ください。
設定が必要なプログラム名 | サービス名 | ポート番号 | ファイアウォールの透過方向 |
|---|---|---|---|
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2qman | ★20241/tcp | エージェント → マネージャー |
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2qagt | ★20242/tcp | マネージャー → エージェント |
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2qnfy | ★20243/tcp | エージェント → マネージャー |
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2monitor | 20244/tcp | JP1/AJS3 - View → マネージャー |
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2report | 20245/tcp | マネージャー ←→ マネージャー |
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2qlagt | 20300/tcp | マネージャー → エージェント |
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2qlftp | 20301/tcp | エージェント → マネージャー |
※1 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2chkagt | 23139/tcp | マネージャー → エージェント |
※2 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2gw | 23160/tcp | ジョブネットコネクタ実行ホスト ←→ |
※2 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2eamgr | 20246/tcp | エージェント → マネージャー |
※2 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2eaagt | 20247/tcp | マネージャー → エージェント |
※2 JP1/AJS3 - Manager | 1jp1ajs2ca | 22276/tcp | マネージャー → マネージャー |
※2 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs2cm | 22275/tcp | JP1/AJS3 - View → マネージャー |
※2 JP1/AJS3 - View | jp1ajs2cfm | 20450/tcp | JP1/AJS3 - View → JP1/AJS2 - Configuration Manager |
※2 JP1/AJS3 - Manager | jp1ajs3cdinetd | 22250/tcp | JP1/AJS3 - Software Development Kit → マネージャー |
※1 JP1/AJS3とJP1/AJS2でともに使用するポート番号です。
※2 JP1/AJS3のみで使用するポート番号です。
4.ジョブ実行多重度を超えている
● 原因
JP1/AJS3(JP1/AJS2)では実行エージェントに同時実行ジョブ数(ジョブ実行多重度)を制限できます。そのため、指定したジョブ実行多重度を「0」で指定している場合や、設定値を超えてしまうと、ジョブはエージェントホストへ配信されずにキューイング状態となります。
● 対処方法
下記コマンドを実行して、ジョブ実行多重度を確認してください。
Windowsの場合(V8以前)
> jpqagtshow –a
UNIXの場合(V8以前)
# /opt/jp1ajs2/bin/ jpqagtshow –a
jpqagtshowコマンド実行結果

※出力内容
AGENT:エージェントホスト名を示します。
CUREXECHGNUM:現在のジョブ実行多重度を示します。
EXECUTING:現在実行中のジョブ数を示します。
Windowsの場合(V9以降)
> ajsagtshow –l
UNIXの場合(V9以降)
# /opt/jp1ajs2/bin/ajsagtshow –l
※クラスタ環境の場合はコマンドオプションに -h 論理ホスト名 を付与してください。
ajsagtshowコマンド実行結果

※出力内容
AGENT:実行エージェント名を示します。
STATUS:実行エージェントの受付配信制限の状態を示します。
HOST:実行ホスト名を示します。
CON-EXE:ジョブ実行多重度を示します。
QUE:キューイング中のジョブの数を示します。
JOB:実行中ジョブの数を示します。
EVENT:実行中のイベントジョブ数を示します。
DESCRIPTION:追加・変更時に設定した実行エージェントに対するコメントを示します。
必要に応じて、jpqagtalt(V8以前)やajsagtalt(V9以降)コマンドからジョブ実行多重度を変更してください。
5.キューの受付口や取出口が開いていない(V8以前)
● 原因
V8以前のJP1/AJS2は、JP1/AJS3とは「キュー」の概念が異なります。キューの受付口が閉じている場合、実行先ホストへジョブは配信されません。また、キューの取出口が閉じている場合も、マネージャーにジョブ実行結果を返すことができず、ジョブはキューイング状態となります。
● 対処方法
コマンド「Jpqqueshow」を実行して、受付口および取出口が開いているか確認してください。閉じている場合は「jpqqueopen」を実行して、受付口および取出口を開いてください。
Windowsの場合
> jpqqueshow –mh マネージャーホスト名 -ah エージェントホスト名
UNIXの場合
# /opt/jp1ajs2/bin/jpqqueshow
jpqqueshow実行結果例
KAVU0838-I デフォルトキュー情報(エージェント名)の表示を開始します
QUEUE : a : エージェント名
MAXQUEUE : 100
WARNQUEUE : 80
ENTRYSTATUS : CLOSE ←★ジョブの受付口の状態
EXITSTATUS : CLOSE ←★ジョブの取出口の状態
QUEUING : 0
EXECUTING : 0
LINKAGENT : エージェント名:1
KAVU0842-I キュー情報の表示処理が正常終了しました
ENTRYSTATUSやEXITSTATUSが「CLOSE」と表示された場合は、ジョブの受付口および取出口が閉じているため、下記コマンドを実行します。
Windowsの場合
> jpqqueopen -ah エージェント名 -en
UNIXの場合
# /opt/jp1ajs2/bin/jpqqueopen -ah エージェント名 -en
jpqqueopenコマンド実行結果例
KAVU0835-I キュー(エージェント名)のジョブ受付口をオープンしました
なお、コマンドでエージェントを追加した直後はキューの受付口は閉じます。そのため、ジョブの登録を行う際はjpqqueopenコマンドを使用して、キューの受付口を開いてください。
まとめ
JP1/AJS3(JP1/AJS2)のジョブがキューイング状態となる事例をご紹介しました。ジョブがキューイングする原因が分からない場合は、本ブログでご紹介した5つの事象に該当しないかご確認をお願いします。
製品正式名称/略称標記 および機能対象バージョン
JP1/Automatic Job Management System 3 - Manager/JP1/AJS3-Manager
JP1/Automatic Job Management System 2 - Manager/JP1/AJS2-Manager
JP1/Automatic Job Management System 3 - Agent/JP1/AJS3-Agent
JP1/Automatic Job Management System 2 - Agent/JP1/AJS2-Agent
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