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【JP1/AJS3】クラウド処理の実行方法はどれが正解?HTTP・連携ツール・JP1/AJS3 for CSAを徹底比較

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昨今、クラウド環境でのシステム構築が一般化する中、クラウド上の環境やサービスに対してJP1/AJS3からジョブ実行・監視を行いたい、というご相談が増えています。

では、JP1/AJS3からクラウド上のSaaSやWeb API、オブジェクトストレージにジョブを実行したい。そう考えたときに、

  • どのJP1製品・機能を利用すれば目的の処理を実現できるか

  • 各製品にはどのような違いがあるか

と迷われる方も多いのではないでしょうか。

本ブログでは、クラウド連携を行う3つの方法である「HTTP接続ジョブ」「連携ツール(カスタムジョブ)」「JP1/AJS3 for CSA」について、機能やコストについて徹底比較します。

JP1からクラウド環境へ連携する3つの方法

外部クラウドに対してジョブを実行する方法は3つあります。

  1. HTTP接続ジョブ(標準機能)

  2. 連携ツール(カスタムジョブ)

  3. JP1/AJS3 for Cloud Service Applications(JP1/AJS3 for CSA)

それぞれの特徴について詳しく解説します。

1.HTTP接続ジョブ(標準機能)

HTTP接続ジョブは、クラウド上やWebサーバー上のWeb API(REST API)を呼び出し、システムと連携するためのジョブです。追加のライセンス費用をかけずに、JP1/AJS3の標準機能だけで利用できます。 

HTTP/HTTPSプロトコルを使って、外部のシステムにリクエスト(GET/POSTなど)を送り、レスポンスを受け取ります。以下に設定画面と実行結果の例をご紹介します。

設定画面
HTTP接続ジョブの詳細定義画面では、リクエスト送信で使用するファイルとレスポンスと受け取るファイルを指定します。

HTTP接続ジョブの詳細定義画面

リクエスト送信で使用する設定ファイル

項目

説明

接続設定ファイル名

URLなどのHTTP接続情報を記載したファイルを設定

リクエスト種別

GET / POST / PUT / DELETE より選択

送信ファイル名

Web APIへのリクエスト情報を記載したファイルを設定
※拡張モードにチェックを入れている場合は、URLパラメータ・メッセージボディに送信ファイル名を指定

受信データを出力するファイル

項目

説明

ステータス格納ファイル名

HTTPステータスコードを出力するファイルを設定

受信データ格納方式

HTTPヘッダーとHTTPボディを別のファイルに出力するか、同じファイルに出力するかを指定

受信ヘッダ格納ファイル名

HTTPヘッダー情報を出力するファイルを設定

受信ボディ格納ファイル名

HTTPボディ部分を出力するファイルを設定

参考マニュアル

JP1 Version 13
JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)
付録C HTTP接続ジョブで使用するファイル

HTTP接続ジョブの実行例

気象庁が公開している天気情報をWeb APIで取得している例です。

接続設定ファイル
「URL=」に接続先URLを設定します。
以下の例では、東京都の天気予報データ(JSON形式)を取得するための接続先URLを指定しています。

URL=https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/130000.json
CAFile=証明書ファイル名

実行結果

実行結果のキャプチャ

HTTPレスポンスに含まれる各情報(HTTPステータス、ヘッダー、受信ボディ)は、それぞれの項目ごとに各ファイルへと出力されます。

ステータス格納ファイルの出力

Http-Status-Code=200

受信ヘッダ格納ファイル名

HTTP/1.1 200 Connection Established
Proxy-Agent: xxxxx

HTTP/1.1 200 OK
Content-Type: application/json
Content-Length: 5949
Connection: keep-alive
Last-Modified: Sun, 02 Aug 2026 22:33:27 GMT
X-Amz-Server-Side-Encryption: AES256
Accept-Ranges: bytes
:略

受信ボディ格納ファイル名

[{"publishingOffice":"気象庁","reportDatetime":"2026-08-03T07:00:00+09:00","timeSeries":[{"timeDefines":["2026-08-03T05:00:00+09:00","2026-08-04T00:00:00+09:00"],"areas":[{"area":{"name":"東京地方","code":"130010"},"…]


ポイント

HTTP接続ジョブを利用する上で重要となるポイントは、「1リクエストに対して、1レスポンスで処理は完了する」ということです。

そのため、1つのHTTP接続ジョブ内で「まずログイン認証処理をして、認証で取得したTokenを使って次の処理を行う」といった連続した処理を完結させることはできません。

この場合、リクエストごとにHTTP接続ジョブを設定する必要があります。


2.連携ツール(カスタムジョブ)

AWSおよびAzureのサービスと連携するためのツールとして、JP1の開発元である日立製作所から、「JP1/AJS3 AWSサービス連携ツール」と「JP1/AJS3 Azureサービス連携ツール」が提供されています。

連携ツールを利用できるバージョンは、JP1/AJS3 V12以降です。

  • AWSサービス連携ツール
    Amazon S3およびAWS Step Functionと連携するためのカスタムジョブです。

  • Azureサービス連携ツール
    Azure Blob StorageおよびAzure Logic Appsと連携するためのカスタムジョブです。

S3やBlob Storage の連携では、JP1/AJS3からファイル監視やダウンロード、アップロード、削除、コピーといった処理をカスタムジョブとして扱うことができます。
GUIベースで設定できるため、スクリプトを個別に作りこむ必要がありません。

Amazon S3とAzure Blob Storage上のファイル監視方法は、以下のブログでご紹介しています。


3.JP1/AJS3 for Cloud Service Applications(JP1/AJS3 for CSA)

JP1/AJS3 for CSAは、クラウドサービスとの連携を行うために提供されているJP1/AJS3 V13以降のオプション製品です。
利用にあたっては、前提としてJP1/AJS3本体もV13以降である必要があります。

JP1/AJS3 for CSAを利用することで、クラウドサービスとの連携に必要な認証・実行・監視・結果確認の一連の流れをGUI上で定義することができ、ローコードで連携用ジョブの作成が可能です。そのため、業務内容やサービス側の仕様変更にも、安全かつスピーディーに対応できます。

詳しい説明は「JP1/AJS3 for CSAの機能と仕組み」でご紹介します。


3つの連携方式の比較(コスト・機能・拡張性)

まずは、3つの連携方式を大まかに比較すると次のとおりです。

項目

HTTP接続ジョブ

連携ツール

JP1/AJS3 for CSA

位置づけ

JP1/AJS3の標準機能

AWS/Azure向けツール

クラウド連携用のオプション製品

費用

追加ライセンス不要

無償

有償

提供バージョン

V11以降

V12以降

V13以降
※サービス連携監視ジョブは13-10で提供

主な対象

REST API、Web API

AWS
Amazon S3
AWS Step Functions

Azure
Blob Storage
Logic Apps

AWS、Azure、SaaS、Web APIなど幅広いクラウドサービス

認証

Basic認証
ヘッダーを設定すればBasic認証以外の認証方式も可能

AWS
IAMユーザーのアクセスキー
IAMロールのEC2割り当て

Azure
USER
SVPP / SVPA
MIDS / MIDU

任意のコマンドを設定でき、柔軟に対応できる

向いているケース

1回のHTTPリクエストで完了するケース(同期型) 

クラウドストレージ連携を手軽に実装したい場合

認証情報や実行に関する情報を一元管理したい。

設定のカスタマイズ


HTTP / HTTPS リクエストのみです。
送信情報ファイルでリクエストの情報などを設定できます。

×
コマンドラインは変更できません。


任意のコマンドを設定可能です。

開発コスト

トークン取得など複数回のHTTPリクエストが必要な場合はスクリプト作成が必要

スクリプトの作成不要

サンプルコンテンツを利用すればスクリプト作成不要
(個別の要件がある場合は別途作成が必要)

注意点

1リクエスト1レスポンス前提のため、多段階処理は組みにくい

カスタマイズは不可

サンプルコンテンツをそのまま利用できますが、個別の要件がある場合は、既存のコンテンツやマニュアルを参考に別途作成する必要があります。


オブジェクト監視で見た比較

クラウドストレージのオブジェクト監視における、連携ツールとJP1/AJS3 for CSAの違いを以下の表にまとめます。(HTTP接続ジョブはオブジェクト監視用の機能ではないため、この表では扱いません。)

項目

AWSサービス連携ツールAzureサービス連携ツール

JP1/AJS3 for CSA

難易度

◯(簡単)

◯(簡単)

カスタマイズ性

✕(低い)

◯(高い)

起動条件への利用

✕(不可)

◯(可能)

複数ファイル監視

✕(不可)

◯(可能、ワイルドカード指定可)

対応ストレージ

AWS S3、Azure Blob Storage

AWS S3、Azure Blob Storage、OCI Object Storage、Google Cloud Storage

〇=対応、△=条件付きで対応、×=非対応

素早くS3やBlob Storageの監視を試したい場合は、連携ツールが取り入れやすい選択肢です。一方で、起動条件にクラウドストレージのファイル監視を使いたい場合、複数ファイルをまとめて監視したい場合は、JP1/AJS3 for CSA一択になります。

JP1/AJS3 for CSAの機能と仕組み

ここまで3つの方法をご紹介しましたが、その中でも「JP1/AJS3 for CSA」は柔軟な設定や仕様変更・認証更新への対応といった運用管理の面からも、有力な選択肢です。

ここでは、JP1/AJS3 for CSAの機能と仕組みについて詳しく説明します。

提供されている2つのジョブタイプ

JP1/AJS3 for CSAで提供されているジョブは「サービス連携ジョブ(実行)」と「サービス連携監視ジョブ(監視)」の2つがあります。

  • サービス連携ジョブ(実行)
    クラウドサービスに対してジョブを実行するための定義です。
    例)AWS Lambdaを起動する、HULFT Squareのフローを実行するなど 

  • サービス連携監視ジョブ(監視) 
    クラウドサービス上で、何らかの処理が行われるのを監視するための定義です。
    例)AWS S3への新規ファイル作成を検知するなど

ローコードで定義できる「部品組み合わせ」の仕組み

JP1/AJS3 for CSAの最大の特長は、複雑なAPIの設定をJP1/AJS3 for CSAのWeb GUI画面で「部品定義」として作り、それらを組み合わせることでカスタムジョブやカスタムイベントジョブを設定できることです。

サービス連携ジョブは、[認証定義][接続定義][実行定義]を組み合わせます。
サービス連携監視ジョブは、[認証定義][接続定義][監視定義]を組み合わせます。

このように部品化されているため、クラウド側の仕様変更や認証情報の更新があった場合でも、対象の部品定義だけを修正すればよく、運用・保守の負担を大幅に軽減できます。


システム構成と実行アーキテクチャ

システム構成
JP1/AJS3 for CSAは、運用規模やシステム要件に合わせて柔軟に配置できます。

「同居構成」と「単体構成」のどちらを選択するかは、クラスタ運用の有無や業務システムの重要性を軸に検討が必要です。

  • 同居構成の場合
    導入コストの低減や構築の簡略化を優先したい検証・開発環境、またはクラウド連携の実行頻度が低くリソース負荷が少ない環境に適しています。

  • 単体構成(別サーバー)の場合
    リソースの競合を回避し、メンテナンス時の可用性を確保したい本番運用環境に適しています。
    JP1/AJS3 - Managerがクラスタ環境の場合は、同一ホストに導入すると障害発生時にお互い影響を与えるため、異なるホストに構築することが推奨されています。


実行時の流れ
ジョブが起動すると、以下のステップで処理が進みます。

  1. ジョブの実行指示
    JP1/AJS3 - Manager でサービス連携ジョブ/監視ジョブを起動を指示します。

  2. ジョブの実行
    ジョブ実行ホストでジョブが実行されます。

  3. 定義の取得
    JP1/AJS3 for CSAからあらかじめ作成しておいた定義情報(認証・接続・実行/監視)を取得します。

  4. クラウド側での処理実施
    クラウドサービス側で指定された処理が実行され、その完了結果をJP1へ返します。

※実際のWeb GUI画面を使った具体的な設定手順やサンプルコンテンツの活用法については、次回の「利用シーン編」にて詳しく解説します。

まとめ

クラウド環境やSaaSとJP1/AJS3を連携させる際、どの方式を選ぶべきかは要件によって異なります。自社のシステム構成や将来のクラウド活用計画に合わせて、最適な連携方式を選択する必要があります。

本ブログでご紹介した「HTTP接続ジョブ」「連携ツール」「JP1/AJS3 for CSA」の3つのアプローチには、それぞれコスト、導入の容易さ、柔軟性、拡張性の面で違いがあります。

JP1/AJS3を用いたクラウドサービスへの処理実行にあたっては、それぞれの利用目的や要件に応じて、本ブログの内容を参考に最適な連携方式をご検討ください。

次回のJP1ブログでは、実運用でのイメージをより具体的に膨らませていただけるよう、JP1/AJS3 for CSAの代表的な利用シーンについて、実際のWeb GUIの定義画面と併せて詳しくご紹介します。

製品正式名称(略称表記)

JP1/Automatic Job Management System 3 for Cloud Service Applications(JP1/AJS3 for CSA)13-01以降
JP1/Automatic Job Management System 3(JP1/AJS3)13-01以降

※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


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保木 紗知子

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