
日々の仕事の中で自社の強みを意識することは意外と難しいものです。強みを明文化できているものもあれば、言葉にされてないけれど、お客様に評価される企業毎の『らしさ』もたくさんあります。新入社員や中途社員の方は、この明文化されてない「自社の強み」を認識することに時間がかかるのではないでしょうか。
アシストではCX活動の一環として、2024年から社員向けに「A-強み再発見ワークショップ」を実施しています。これは、お客様やパートナーからの生の声をもとに、自社の価値や「アシストらしさ」を見つめ直す取り組みです。
今回は、本ワークショップの舞台裏をご紹介します。
主催者はどのような意図を持ってワークショップを企画し、実施を通じてどのような気付きを得たのでしょうか。ワークショップの企画・運営を担当したメンバーにお話を伺いました。



アシストが取り組むCX活動とは
── アシストで取り組んでいるCX活動の概要について教えていただけますか。
松尾 成昭さん:
アシストでは、顧客体験価値(以下、CX)の向上を目指し、CX推進室を中心に、組織横断でCJMの作成および主に3つの施策に取り組んでいます。
CJM(Customer Journey Map):
製品やサービスの購入・利用プロセスにおいてお客様がどのようにアシストと関わり、どのような体験をするかを示したマップ。組織横断で一貫したCX活動をする上での土台となっており、社内での共通言語として部門横断のディスカッションにも活用されています。A-VOICE(お客様の声の収集と活用)※:
お客様へアシストの総合的な評価をお伺いする「リレーショナル調査」と、提案終了時や支援完了時におけるお客様の満足度を測る「トランザクショナル調査」を行っています。これらを総称して「A-VOICE」と呼び、CXの改善と称賛共有のサイクルを回しています。A-ZOKU(アフターフォロー活動):
製品・サービス導入後、お客様が導入目的を達成できているか、利活用に課題はないかなど、活用状況をプロアクティブに確認・支援する活動をしています。この活動を通じて、提供価値の最大化を図っています。ACXELA(社内表彰・ナレッジ共有):
顧客体験向上に貢献した事例や活動を社内で称える仕組み。現場の創意工夫を全社に広げる役割を担っています。
今回お話しする「A-強み再発見ワークショップ」は、2つ目のA-VOICE活動の一環として実施されたものです。
※「A-VOICE」は株式会社アシストの登録商標です。
ワークショップを通じて、アシストらしさをもっと言葉にする
── 「A-強み再発見ワークショップ」を行うことにした経緯について教えてください。
松尾 成昭さん:
先ほどお伝えしたように、アシストでは「リレーショナル調査」と呼ばれるアンケートを実施しています。今回は、約2,500件以上もの貴重なお客様からのフィードバックが寄せられ、様々な改善活動に活用しています。
課題やご指摘に関しては、マネージャーを中心に、各お客様へ迅速にフォローアップを行ってきました。一方で、多くの「称賛の声」や「感謝の言葉」も寄せられていますが、これらの声はCX推進室を通じて共有しているものの、十分に全社へ浸透しているとは言えない状況でした。しかし、アシストの強みを体現しているのは現場の営業や技術の皆さんです。せっかくなので、どうにかこの声を現場の皆さんに届けたいと考えていました。
この時、メンバーからはただ展開するだけでは勿体無いとも意見が挙がりました。そこで、お客様からのポジティブなフィードバックを展開して、自分たちの強みを言語化し、仲間と再確認する機会を設ければ、「アシストらしさ」への気付きや誇りを育むきっかけになるのではないか、と考えたわけです。そして、「A-強み再発見ワークショップ」を企画するに至りました。

── 本ワークショップの実施に向けて、当初はどのような思いをお持ちでしたか?
山下 和敏さん:
「昨日より少しだけ前向きな気持ちで仕事に向き合おう」「いつも以上にお客様へ丁寧に対応しよう」といった、小さな意識の変化が起こるといいな、と思いながらワークショップの内容を考えていきました。
ゼロからの手づくり。ワークショップ立ち上げの舞台裏
── ワークショップの実施概要についても教えていただけますか?
上野 亮太さん:
はい、今回のワークショップは、事前ワークと当日のグループ対話を組み合わせた約2時間のプログラムとして実施しました。コメントの読み込みや「強み」の深堀りだけでなく、具体的な行動への落とし込みまでを意識した構成としています。
ワークショップの実施内容:
事前ワーク: お客様コメントの読み込みと、「推しコメント」「強みキーワード」をシートへ記入
企画趣旨の説明・アイスブレイク
推しコメントの共有と、アシストの「強み」キーワードの抽出
強みを活かすための具体的な打ち手の検討
今後に向けた個人の宣言の作成・共有
クロージング
懇親会
各セッションは「個人でじっくり考える」→「グループで言語化・整理する」→「全体で共有する」という流れで進行するようにしました。多くのアシスト社員が年次問わず、営業や技術、スタッフ職など立場を越えてお互いの視点を知り合う、濃密な対話の場となりました。
── ワークショップの準備・実施をする中での工夫や苦労された点について教えてください。
山下 和敏さん:
工夫した点は、「世代や部門を越えた対話の時間」をしっかりと確保したことです。加えて、普段は接点のないメンバーが、垣根なく意見を交わせるよう、異なる部署の方々が同じチームになるようチーム編成を考えました。
ただし、時間には限りがあります。「アシストの強み」について意見を出し合い、それが“なぜ生まれたのか”を掘り下げていくプロセスには、思っていた以上に時間が必要でした。実際に、「なぜなぜ分析が少し浅くなってしまった」といった声もアンケートに寄せられています。1日で強みの本質までたどり着くことの難しさを感じましたが、次回開催するときにはさらに工夫を重ねていきたいと思います。
また、ひとつの正解を見つけるというよりは、いろいろな答えがあって良いと思いますし、何よりも議論するプロセスそのものに価値があるとも感じました。


参加者の声「ワークショップで生まれた言葉や問いが日常に残っている」
── ワークショップ実施後、参加者からどのような感想が届きましたか?印象的なものなどありましたら教えてください。
松尾 成昭さん:
ワークショップを通じて生まれた「気付きの種」は、参加者それぞれの中にしっかりと残ったようです。例えば、印象的なキーワードをパソコンの壁紙にして日々の業務の中で意識し続けている方もいれば、現場に戻ってから自チームで軽くディスカッションを試みた方も。形式ばったフォローアップがなくても、自然に活動が広がっている様子がうかがえました。
山下 和敏さん:
私がいいなと感じたのは、「対等なホスピタリティの体現」という考え方に共感の声が集まったことですね。お互いを尊重し合い、お客様との心地良いコミュニケーションを大切にする姿勢。お客様からもこの姿勢について評価いただいており、「できないことはできないとしっかりと伝えた上で、代替案も検討してくれる」といったコメントも見受けられました。業務の中で自然と行われていたこの「アシストらしさ」が、体現できているなと思えた瞬間でした。
上野 亮太さん:
4月に入社したばかりの新卒社員の方にも入社して数日で受講いただいたのですが、「この会社で働くことに強い喜びを感じました」とコメントをいただきました(笑)。お客様の声に直接触れて議論することは、それだけ熱い思いをつくれるんだなと実感しましたね。
ワークショップ全体を通じて再認識した組織の文化や価値観
── 今回のワークショップを通じて、アシストの文化や価値観について、改めて実感したことについて教えてください。
山下 和敏さん:
さきほども話に出ましたが、「ホスピタリティ」というキーワードが、アシストならではだなと感じましたね。他の会社にはなかなかない“温かさ”があるのかなと、主催側としても改めて感じました。
松尾 成昭さん:
私は、「余裕」や「ゆとり」といったキーワードも複数の地域で出てきたのが印象的でしたね。余裕がないと、どうしても人に優しくしたり、自分の対応の質を保ったりすることが難しくなる。だからこそ、心と時間の余白を意識的に持つことが大切なんだと思います。結果的に「余裕」を持つことが質の高いホスピタリティにもつながっていくでしょうし、この2つのキーワードは深く通じ合っているように感じました。
上野 亮太さん:
中日本・西日本で開催された今回のワークショップには中途入社の社員が多く参加しており、アシストでこれまで培ってきた文化を継承する上でも有意義な機会となりました。実際に、中途入社の方からは「アシストの良さを再認識した」という声も寄せられており、マインドの継承にもつながるイベントになったのではないかと感じています。
── これまでのお話から、社員の皆さんが「語り合うこと」そのものを楽しんでいらっしゃる様子が思い浮かびますね!実際、そういった空気感はありましたか?
松尾 成昭さん:
そうですね。懇親会でマイクを回したときも、皆さんが思い思いに感想を語ってくださって、時間を大幅にオーバーしてしまう場面がありました(笑)。
「語り合うこと」「ディスカッションすること」を前向きに楽しむ社員が多いのは、アシストらしい文化のひとつだと思います。こうした対話の積み重ねが、社員一人一人の意識や行動を変えていき、「アシストで働く意味」を再認識し、いわゆる「EX」につながるのだと思っています。そして、これが最終的にはお客様へのCXにもつながっていく、そんなアシストらしい好循環が、自然に生まれていた時間だったと思います。


今後の展望
── 今回のような取り組みは、今後も継続される予定ですか?
上野 亮太さん:
はい、既にいくつか次のアクションも動き出しています。
例えば、多くの社員が「アシストの強みを表している」と共感したご意見については、その声を寄せてくださったお客様へ、感謝の気持ちをお伝えするためにお礼のご訪問を予定しています。
また、人事主催の研修プログラムにも、ワークショップで得た内容を一部組み込み、自分たちの仕事を見つめ直す機会として活用しようと考えています。
── 本ワークショップを通して得られた手応えはありましたか?
松尾 成昭さん:
期待以上の反響があったと感じています。
参加者アンケートの評価が非常に高く、我々の中では「やって良かった」と心から思えたイベントでした。仮説として「ただ読み込むのではなく、語り合えば盛り上がるのでは」と考えていましたが、それがしっかり成果として返ってきたのが嬉しかったですね。
個人的には、組織変革って“劇薬”のように一瞬で変わるものではなくて、こうした地道な対話の積み重ねが本質的な変化をつくっていくんだなと、改めて実感できました。この先も、形を変えながらアシストの強みを見つめ直す企画を継続していきたいと思っています。


<編集後記 / 勝田憲賢>
A-強み再発見ワークショップに、実は私も参加しています。
世代や職種を越えてたくさん対話しながら、「アシストらしさってこういうことかも」と改めて気付くことができました。お客様の声をきっかけに、自分たちの強みをみんなで言葉にするプロセスがすごく新鮮で、ちょっと誇らしい気持ちにもなりました。
東日本での開催時には、毎回懇親会が盛り上がりすぎて、名古屋から来ている松尾さんが新幹線の最終を逃し、カプセルホテルに泊まっているという話も耳にしました。どの回もとても盛り上がったんですね!
取材にご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!
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