株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
梅雨明けとともに、京都では猛暑が続いています。祇園祭の大きな見どころの一つである山鉾巡行が行われた7月17日には、最高気温が38度にもなりました。
今となっては懐かしく思い出されるのが、7月初めに出張した北海道です。爽やかな青い空が迎えてくれた札幌では、私がスピーカーとして参加したアシストサロンに、100名を超えるお客様がお越しくださいました。


昨年に続いて、今年も長く暑い夏になりそうです。世界に目を向けると、欧州では6月から熱波に見舞われ、フランスやドイツなど多くの国で記録的な高温となっています。
欧州が抱える問題の一つは、急激な気温の上昇にもかかわらず、エアコンがある建物が極めて少ないことだといいます。冷房を必要とするほどの暑さになったのはごく近年であること、古い建築物が多く設置工事が容易でないこと、さらにエネルギーコストが高く、エアコンが必需品というより贅沢品と見なされてきたことが、その背景にあるのでしょう。
エアコンのない病院や介護施設、鉄道車両などは、日本では想像しにくいものです。しかし欧州では、猛暑から人々の健康や暮らしをいかにして守るかが、深刻な社会問題となっています。
その解決策の一つとして注目されているのが、ポータブル・スプリットエアコンだそうです。従来のエアコンは、室内機と室外機を冷媒配管で接続するため、壁に穴を開ける工事が必要です。一方、ポータブル・スプリットエアコンは、室内機と室外機が工具を使わずに接続できるフレキシブルホースでつながれています。このため、外壁への穴開けが禁止されているケースの多い欧州でも設置しやすく、人気を集めているそうです。
さらに、欧州各国の細かな検査基準や騒音規制にも対応しています。この話を聞いたとき、私はてっきり日本のメーカーが欧州の事情に合わせて開発した製品だと思いました。しかし、実際には中国製でした。
2015年、中国は「Made in China 2025」を策定しました。これまでの低賃金の労働力を強みにした「世界の工場」から、テクノロジーに裏打ちされた「製造強国」へと転換するための10ヵ年の国家戦略です。
近年は、Kimi(Moonshot AI)、Qwen(アリババ)、DeepSeek、そしてGLM(Zhipu AI)といった、中国企業によるAI分野での躍進が注目されています。しかし、中国の成長はAIのような先端分野だけに限りません。エアコンのような身近な分野においても、中国は着実に世界の製造強国になりつつあるようです。


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