【Gleanで変わる働き方 第2回】あなた専属の「神AI」が誕生

前回のブログ「【Gleanで変わる働き方第1回】あの資料はどこ?の悲劇」では、企業の従業員が1日の約20%もの時間を情報検索に費やしている実態と、それがもたらす深刻な影響についてお伝えしました。
今回は、この「探す時間」という問題を解決するGleanについて、その革新的な技術と仕組みを詳しく解説します。単なる検索エンジンではない、あなた専属の"超優秀AI"がどのようにして実現されているのか、その秘密に迫ります。
理想の情報アシスタントとは?
まず、理想的な情報検索の姿を考えてみましょう。それは「あなた専属の超優秀なアシスタント」が各社員についているような状態です。
例えば、この超優秀なアシスタントは以下の特徴を持っています。
会社のすべての情報を把握している
あなたの役割、関心、過去の行動を完全に理解している
どんな曖昧な質問にも即座に正確に答えてくれる
単に情報を探すだけでなく、文脈や背景も説明してくれる
24時間365日、いつでも対応可能
「先週のA社への提案書を探して」と聞けば、「このURLにあります。概要はこうで、キーマンはこの方です。最新版と旧バージョンの違いはこんな感じです」
「製品Bについて詳しい人は?」と聞けば、「〇〇部の△△さんが詳しいです。この方はこんなドキュメントも作成しています」
「30分後の定例会の前回の内容を教えて」と聞けば、「前回の議事録はこちらです。簡潔にまとめておきました。あなたの担当はこのタスクです」
こんなアシスタントがいれば素晴らしいですが、現実的には難しいでしょう。社員数分のアシスタントを雇い、各社員の業務内容を理解するまでに膨大な時間がかかりますし、24時間体制で対応させるには途方もないコストがかかります。
しかし、Gleanはテクノロジーによってこの理想に近づいています。一体どのようにして可能になっているのでしょうか?
Gleanの3つの革新的技術
Gleanが「あなた専属の超優秀アシスタント」を実現できる秘密は、次の3つの革新的な技術にあります。一つずつ詳しくご説明します。

【Gleanの革新的な技術①】エンタープライズサーチ - 企業内の全情報を一元検索
エンタープライズサーチとは、複数のアプリケーションやストレージを横断し、一括でドキュメントを探し出す効率的な検索機能です。
なぜこれが革命的なのか?
現代の企業では、情報が様々なツールに分散しています。
SharePoint、Teams、Outlook、OneDrive
Googleドライブ、Box
Salesforce、Confluence、Jira
社内イントラネット
その他多数のアプリケーション
従来は、これらの各ツールを個別に検索する必要がありました。「あの資料どこだっけ?」と思ったら、まずイントラを探し、次にGoogleドライブを探し、それでも見つからなければチャットツールの履歴を探し…という具合に。
Gleanはこれらすべてのデータを事前にクローリング(収集)し、一つの検索窓から探せるようにします。各ツールの検索機能の限界(そのツール内しか検索できない、精度が低いなど)を超えた体験を提供するのです。
Gleanの仕組み
Gleanは各アプリケーションのAPIを通じてデータをクローリング
クローリングしたデータを統合的に検索できるインデックスを作成
ユーザーが検索すると、権限を考慮しながら関連情報を表示
重要なのは、Gleanは各アプリケーションの権限設定を継承するという点です。そのため、閲覧権限のない情報は検索結果に表示されません。セキュリティを維持しながら、横断的な検索が可能になっています。
【Gleanの革新的な技術②】ナレッジグラフ - 情報と人のつながりを可視化
ナレッジグラフとは、企業内のドキュメント、人、部署、人気度、重要度などをすべて関連性としてつなぎ合わせたデータ構造です。これにより、単なる検索を超えた情報の関連付けが可能になります。
ナレッジグラフの3つの革新的機能
横断情報の統合
例えば顧客「A社」に関する情報は様々なシステムに散在しています。Salesforceには取引履歴や担当者情報
Googleドライブには提案書
Confluenceには技術的な知識やFAQ
ナレッジグラフはこれらを「A社」というエンティティを中心に紐づけます。そのため、「A社」と検索するだけで、関連するすべての情報が関係性と共に表示されるのです。
人物検索と専門知識の可視化
ドキュメントの内容だけでなく、「誰がそのドキュメントを作成・編集したか」という情報も重要です。
ナレッジグラフはこうした情報も構造化します。
例えば「クラウドマイグレーション」というキーワードで検索すると、そのトピックに詳しい人物がランキング形式で表示されます。その人がどんなドキュメントを作成し、どんなプロジェクトに関わってきたかも確認できます。
「この分野に詳しい人は誰?」という企業内の暗黙知が可視化されるのです。
パーソナライズ
Gleanの最も画期的な機能の一つが、検索結果のパーソナライズです。
Gleanは検索者の所属組織、役職、過去に閲覧したドキュメント、検索履歴などを把握し、その人が今何に興味があるのか、何を担当しているのかを考慮して検索結果を表示します。
例えば「紹介資料」というキーワードでも、
Glean担当者にはGleanの紹介資料が最上位に表示
Oracle担当者にはOracleの紹介資料が最上位に表示
使えば使うほど、あなたの関心や業務に合わせた検索結果が表示されるようになります。まさに「あなた専属」の検索エンジンなのです。
曖昧な表現への対応
企業内には独自の用語や略語が溢れています。Gleanはこのような用語も理解します。
例えば、アシスト社員が「AFO」という略語を検索すると、「アフターフォローオリエンテッド」というアシスト独自の社内用語の正式名称と説明が表示されます。これは、Gleanに用語登録しているのではなく、ナレッジグラフが企業内の用語の関連性を学習しているからこそできる機能です。
【Gleanの革新的な技術③】LLM(大規模言語モデル)とRAG(検索拡張生成)- AIが文脈を理解した回答を提供
LLMとは、ChatGPTのような大規模言語モデルのことで、自然言語の処理や生成が得意です。RAGは検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation)の略で、検索結果を基にLLMが回答を生成する技術です。
従来のLLMとRAGの違い
| 従来のLLM単体の場合 | RAGの場合 |
| ユーザーがテキストを入力したりドキュメントを送信する必要がある。 ユーザー自身がドキュメントを探してLLMに提供しなければならない。 |
1. ユーザーの質問がまず検索エンジンに送られる 2. 検索エンジンが関連ドキュメントを探し出す 3. その検索結果とユーザーの質問をLLMに渡す 4. LLMが検索結果を基に回答を生成する |
しかし、RAGの精度は「何を検索し、LLMに渡すか」に大きく依存します。間違ったドキュメントや古い情報をLLMに渡せば、どんなに優れたLLMでも不正確な回答しか生成できません。
Gleanの優位性
ここでGleanの真価が発揮されます。前述のエンタープライズサーチとナレッジグラフにより、Gleanは、
企業全体の情報を横断的に検索できる
最新かつ関連性の高いドキュメントを特定できる
ユーザーのコンテキストを理解し、パーソナライズされた情報を提供できる
これにより、Gleanは非常に精度の高いRAGを実現しています。単に「どこかにあるドキュメント」ではなく、「あなたにとって最も関連性の高い、最新のドキュメント」をLLMに提供するのです。
具体的な使用例
「AFOとは何ですか?」と聞けば、 社内用語「アフターフォローオリエンテッド」の説明と、その活動内容の詳細を回答
「GleanとBoxを組み合わせて使った場合の強みは?」→と聞けば、両製品の連携メリットを社内ドキュメントを基に詳細に説明
「上記の内容をもとにお客様に提案したいので、アジェンダの概要を作って」と聞けば、 検索結果を基にした提案書のアジェンダを瞬時に生成
Gleanは単に情報を探すだけでなく、情報を基にした新しい価値(要約、提案、分析など)も生み出せるのです。
Gleanの実際の使用感:趙優秀AIアシスタントの体験
Gleanを実際に使うとどのような体験が得られるのでしょうか?
「漠然とした探索」から「的確な質問と回答」へ
従来の情報検索では、まず「どこを探せばいいのか」を考え、次に「どのようなキーワードで検索すればいいのか」を悩み、検索結果から「本当に必要な情報」を選び出す必要がありました。
Gleanでは、
疑問や知りたいことをそのまま入力するだけ
関連する情報や詳しい人物が即座に表示される
チャット機能なら、さらに要約や解説まで提供される
例えば、前回のブログ「【Gleanで変わる働き方第1回】「あの資料どこ?」の悲劇」で述べた、新入社員実験を思い出してください。「製品の価格変更はいつ行われたか」という質問に、10人中9人が5分以内に答えられませんでした。しかしGleanなら、同じ質問をそのまま入力するだけで、数秒で「2024年3月1日に価格変更が行われました。旧価格は2月15日まで有効でした」という具体的な回答が得られます。
「情報の分断」から「シームレスな統合」へ
Gleanを使い始めると、「この情報はGoogleドライブにあるのか、SharePointにあるのか」という悩みから解放されます。情報がどこにあるかを意識する必要がなくなり、「何を知りたいか」だけに集中できるようになります。
さらに、ナレッジグラフにより関連情報も自動的に表示されるため、思いもよらない視点や資料に出会うことも少なくありません。これは創造性やイノベーションにも良い影響を与えます。
「個人の記憶」から「組織の知」へ
従来は「あの情報なら○○さんに聞かないと」という状態が多く、知識が個人に依存していました。しかしGleanによって、組織内の知識が可視化され、共有される文化が生まれます。
例えば、「この分野に詳しい人は?」と検索すれば、実績に基づいた専門家のリストが表示されます。これにより、組織内のつながりが強化され、コラボレーションが促進されるのです。

Gleanの技術的仕組み~どうやって「神AIアシスタント」を実現しているのか
Gleanがこれらの機能を実現できる背景には、高度な技術的アーキテクチャがあります。
多様なコネクタとデータ収集
Gleanは多くの企業ツールとの連携を可能にするコネクタを持っています。SharePoint、GoogleWorkspace、Salesforce、Confluenceなど、一般的な企業ツールとの連携が標準で用意されています。
これらのコネクタを通じて、Gleanは定期的に各システムのデータをクローリングし、最新の状態を維持します。
高度なインデックス化と検索アルゴリズム
収集したデータは、高度な検索アルゴリズムでインデックス化されます。単純なキーワードマッチングではなく、文脈や意味を理解した検索が可能です。
例えば「プロジェクト進捗」という検索でも、「タスクの状況」「スケジュール更新」といった関連表現を含むドキュメントも見つけられます。
セキュリティと権限の継承
Gleanの重要な特徴は、元のアプリケーションのセキュリティモデルを継承することです。これにより、ユーザーは自分が閲覧権限を持つ情報だけを検索結果で見ることができます。
システム管理者は集中的に権限を管理する必要がなく、各アプリケーションの既存の権限設定を維持したまま、横断的な検索を提供できます。
行動分析とパーソナライズエンジン
ユーザーの検索履歴、クリック履歴、ドキュメント閲覧履歴などのデータを分析し、個人ごとにカスタマイズされた検索エクスペリエンスを提供します。
この行動分析により、Gleanは「この人はこの用語で何を探しているのか」を学習し、使えば使うほど精度が向上していきます。
大規模言語モデルの企業文脈での最適化
一般的なLLMに比べ、Gleanは企業特有の文脈や用語を理解するよう最適化されています。企業内のドキュメントから学習するため、業界用語や社内固有の表現にも対応できるのです。
あなた専属の超優秀AIアシスタントが企業を変える
Gleanは単なる検索ツールではありません。エンタープライズサーチ、ナレッジグラフ、LLM・RAGという最先端技術を組み合わせることで、「あなた専属の超優秀AIアシスタント」を実現しています。
散在する情報を一元的に検索
情報間の関連性を可視化
「誰が詳しいか」を明らかに
使う人に合わせてパーソナライズ
自然言語での質問に具体的に回答
これらの機能により、企業内の「探す時間」を大幅に削減し、本来の業務に集中できる環境を実現します。その効果は時間とコストの削減だけでなく、組織文化や働き方の変革にも及びます。
次回の記事では、実際の導入事例と効果測定、Gleanがもたらす組織変革について詳しく解説します。企業内の情報検索に悩みを持つすべての方にとって、Gleanという選択肢を検討する価値は十分にあるでしょう。
執筆者情報

立山 あき
株式会社アシスト
2003年に新卒入社。様々な製品のプリセールス、マーケティング担当を経て、現在は新規事業立ち上げとGleanのプリセールスや販促活動に従事。