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RPA事例インタビュー アシスト人事管理部門の業務自動化 | 事例

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2021.03.12

RPA事例インタビュー アシスト人事管理部門の業務自動化 | 事例

ワークスタイル変革と人事管理部門のRPA

新型コロナ流行以前、2019年からアシストの人事管理部門ではRPAによる
ルーチン業務の自動化を進め、
「積極的な人事制度の見直し」
「人事データの活用による経営戦略サポート」
「各種申請など社員が行う手続きの改善」
といった、人事管理部門によるクリエイティブな”攻めの人事”を目指していました。

ワークスタイル変革の波が急激に迫る昨今。
人事管理部門が進めてきたRPAによる業務自動化の取り組みにも変化はあったのか?
転換期となった2020年を振り返る、現場の声をお届けします。

2019年のRPAへの取り組み事例の詳細はコチラ から

RPAが人事管理部門に与えた効果と影響

人事管理部門の業務を480時間削減

(インタビュアー)
2019年度に人事管理部門でRPAに取り組んだ結果、最終的に得られた成果を教えてください

(川口)
2019年初から、UFT One を利用したRPAロボット作成と業務自動化を進めてきました。
UFT Oneは、もともとテストツールとして安定性と信頼性が非常に高く、労務データという機密情報を取り扱う業務の自動化にはうってつけでした。そのUFT Oneで、最終的に1年間で480時間にも及ぶ業務時間を削減できました。試行錯誤しながらですが、もともと目標としていた500時間に近い数字を出せたことは大きな実績と自信になりました。また、業務自動化の取り組みはアシストでも初の試みだったので、経営層に対して「自社の業務も自動化できる・効果を出せる」とインパクトを与えることができたと思います。

「自分たちの業務は自動化できる」という気づき

(インタビュアー)
具体的な数字として大きく成果を示せたということですね。その他、数字以外の自動化による影響はありましたか?

(川口)
RPA導入時は、自分が中心となってUFT Oneの操作を習得し、まず自分の業務の自動化を検討しました。途中からメンバーを増員し、相談しながら自動化対象とする業務の検討範囲を広げたことで、より多くの業務工数が削減できました。
大勢で検討を開始して悩むより、中心となるメンバーがスキルをある程度身につけた方が検討スピードが早いと思います。また自身も、他メンバーへのレクチャーを通して、スキルトランスファーのレベルが向上しました。「どこまで何を伝えれば」他メンバーも作業ができるようになるかという、スキルトランスファーに掛かる工数の目安や、トレーニングの仕方もノウハウとして蓄積できたことも成果です。

2019年は「自分たちの業務は自動化できる」ことを、自分たち自身、そして社内に対して実証した年だったので、2020年は自動化の取り組みを展開させる年だと考えていました。

テレワークでわかった、RPA展開の課題

リモートでの「スキルトランスファー」と「メンテナンス」

(インタビュアー)
RPAを展開した直後の2020年は世界中が「コロナ」に翻弄された1年でした。アシストでもテレワークが全社レベルで一気に浸透しましたが、人事管理部門の業務やRPAの推進にはどのような影響がありましたか?

(川口)
幸いにも「脱紙・脱はんこ」への取り組みや、輪番制のテレワークも行っていたので、業務そのものに大きな影響はありませんでした。
ただ、RPAへの取り組みに影響があったのが、テレワークがワークスタイルの中心に移り、対面でのスキルトランスファーの機会が減ったことです。もともと「2020年は展開の年」を目標に、チームへのスキルトランスファーを集中して実施し自動化対象業務を拡大する予定でしたが、「メンバーへの展開」のスピードが結果的に落ちてしまいました。
RPAはある程度直接画面操作のレクチャーをしないと、習得が難しいと考えています。特に、自分たち人事管理部門はシステムには詳しくありません。実際に設定があまく、システム側の設定変更により動かなくなってしまったロボットもありました。マニュアルだけでは理解が追いつかなかったり、わからないことをすぐ聞けなかったりすると作業が止まるので、テレワーク下では原因調査とメンテナンスも難しい状況でした。しかし今後もテレワーク中心の業務は続くので、直接のスキルトランスファーの代替案を考えています。具体的には、社内で動画共有ソフト「Panopto 」の活用が始まったこともあり、動画によるオペレーションマニュアル作成など、新しい方法を検討中です。

業務自動化に対するチームメンバーの「マインドシフト」

(インタビュアー)
いくら自動化しても、メンテナンスや改善など、人が関わらないことはない中、どのようにスキルを伝達していくか・・・という課題ですね。

(川口)
そうした中で重要だと感じたのが「担当者のモチベーション」です。RPAのスキル習得は本来の人事管理部門の業務とは異なるので、「本業以外に時間を割いてスキルを習得すること」に、メリットを感じてもらう必要があります。個人的な実感ですが、自分で作ったロボットが動いて、勝手に仕事してくれる、ということを一度経験したらハマるはずです(笑)。テレワークだとそうした「熱」の部分を伝えることが難しいです。
2019年に増員したメンバーには、ロボットの作成数や削減時間などを業務目標に入れてもらっていました。このように最初は、ある程度強制力がある仕組みも必要だと思います。

個人で自動化できる業務のゴールは見えています。ただ、今後チーム全体の業務として考えた時、「いまある業務が自動化できた」ではなく、自動化していない・できないと位置づけた業務も「業務プロセスを変えれば自動化できるのでは?」ということに気づける、いうならば「自動化脳」にチームメンバーの意識を変化させたいです。

人事管理部門のRPAが目指す今後のステップ

クライアントサーバからWebへ「環境変化への強さ」とUFT Oneへの期待

(インタビュアー)
2019年に展開したRPAが、コロナ禍でテレワーク中心へ移行した2020年を経て、今後検討すべき事柄が見えてきたという状況ですね。2021年以降の取り組みや、目指すべき方向を教えてください。

(川口)
まずはスキルトランスファーをなるべく早く完了し、「人事管理部門は全員自動化スキルがある」という状態にしたいと考えています。そして「今ある業務の自動化」ではなく、ロボット利用を前提とした業務プロセス改善ができるチームとしたいです。

テレワークを始めとした柔軟な勤務体系の整備を背景に、社内システムが過渡期を迎えています。人事関連のシステムではクラウド化を検討しているものもあり、これまでクライアントサーバやオンプレミス前提で作ってきたロボットを、Webシステム向けに再検討する必要があります。再検討には、「自動化脳」にレベルアップしたチームメンバー全体で臨み、意見を出し合いながらより良い業務自動化を進めていきたいです。

UFT One採用の際にそこまで考慮はしていませんでしたが、UFT OneはクライアントサーバにもWebにも強い製品なので、システム環境が変わっても継続してUFT Oneを利用できる点が非常に助かっています。結果的に、ITが常に進化する状況で、多様な環境や技術に対応できるUFT Oneで、RPAを進めていてよかったと思います。

自動化の活動はこれからも進めていきますが、自動化はあくまで「手段」なので、本質を忘れず自動化により捻出される時間をクリエイティブで新しい業務創出につなげていきたいです。そうした活動をチーム全体で推進していくことが目標です。個人的には、社内の人事データをAIにより分析するタレントマネジメントなどにも取り組みたいです。

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