開発から運用まで、IT部門のお役に立つ情報をお届けするサイトです

運用管理は変わらない変えるのは”やりかた”だ次世代型ITサービスマネジメント変革ソリューション『縁(ENISHI)』
  • システム管理

【入門編】ZabbixでSNMPトラップ監視を始めるには?

  • #システム監視
  • #Zabbix

2022.04.21

【入門編】ZabbixでSNMPトラップ監視を始めるには?

ZabbixのSNMPトラップ監視とは?

監視対象機器のSNMPエージェントがポートのリンクアップ・ダウン、再起動・故障などのイベントをきっかけに送付する情報をZabbixが受信し、ログとして記録や通知をすることです。

Zabbixの標準機能だけではSNMPトラップ監視ができない!

ただし、SNMPエージェントから送られてくる情報は、各監視対象固有の情報なので、
Zabbixが読み取れる形に「整形処理」 をしなくてはいけません。

この「整形処理」の部分がZabbix標準機能では備わっていないため
整形処理を行う「SNMPトラッパー」の準備が必要 です。

【図解でわかる】ZabbixでSNMPトラップ監視を行う方法

ZabbixでSNMPトラップ監視を行う方法を図解します。

ZabbixのSNMP監視図解

① NW機器やサーバーがZabbixへSNMPトラップを送信
② Zabbixサーバ内のsnmptrapdがトラップを受信
③ トラッパーが受信したトラップを成型しログファイルに保存
④ トラップが保存されたログをZabbixが監視
⑤ 監視結果をアイテム(ヒストリ)として保存
⑥ 設定に応じてトリガー判定を実施

ZabbixのSNMPトラップ監視でつまずくポイント

ZabbixでのSNMPトラップ監視には「SNMPトラッパー」が必要だと解説しましたが、
実はこのSNMPトラッパーに、つまずくポイントが潜んでいます。

その1:どのSNMPトラッパーを選べばよいかわからない

2022年4月現在、

(1)SNMPトラップフォーマッタ
(2)SNMPTT
(3)Zabbixトラップレシーバー


という 3つのSNMPトラッパーが提供 されています。それぞれ 異なる特徴をもつ ため、メリットとデメリットを比較したうえで自社の要件に合ったSNMPトラッパーを採用する必要があります。

しかし、全ての特徴を正確に捉えるだけでも多くの工数がかかるうえ、正しく判断するにはそれなりの経験やノウハウが必要です。

その2:Webだけでは正確なノウハウを探しづらい

Webで情報収集されるケースが多いと思いますが、Zabbix社サイトに記載されているSNMPトラッパーの説明は、 英語版のマニュアルのみ です。

また、個人ブログなどのコンテンツもありますが、 情報の鮮度や正しさは保証されていない ので注意が必要です。

3つのトラッパーの特徴や考慮点を解説します!

アシストでは、Zabbix社のプレミアムパートナーに認定されており、導入200社を超える実績があります。
また、過去の技術支援で全てのトラッパーを実装した経験があります。
そこで過去のノウハウを活かし、 3つのトラッパーの特徴や実装したからこそ分かる考慮点 を解説します。

(1)SNMPトラップフォーマッタ

Zabbix社が提供する公式ツールです。保守契約を結んでいる企業のみ、入手可能です。
ZabbixサーバにインストールすればOSサービスとして起動します。

【メリット】
・他の2種類に比べ、運用開始までに必要な 工数が少ない
・他の2種類に比べ、Zabbix社の サポート範囲が広い

【考慮点】
・シンボル名への変換できるのは 特定OID のみなので、個別のネットワーク機器やサーバーに特化した監視は不可

(2) SNMPTT

サードパーティツールです。保守契約を結んでいれば、Zabbix社のサポートサイトからも入手可能です。
ZabbixサーバにインストールすればOSサービスとして起動します。

【メリット】
・仕様の範囲で成形時のフォーマットを任意に カスタム可能

【考慮点】
・運用開始までの 工数が最大 になる傾向
・サードパーティツールなのでZabbix社 サポート範囲外
・MIBファイルが必要

(3)Zabbixトラップレシーバー

Zabbix社が提供する公式ツールで、rpm形式の提供ではなく、ソースにのみ含まれているPerlスクリプトです。
インストール作業は不要で、Zabbixサーバに配置することで動作します。

【メリット】
・snmptrapdと組み合わせることでOIDのシンボル名置き換えに MIBファイル変換不要
・他2種に比べて成形後の トラップログがより詳細

【考慮点】
・成型後のトラップが複数行にわたるため ログが冗長 になりやすい(1件で10~20行程度)
・OIDをシンボル名に置き換える処理はsnmptrapdで実装するため、 シンボル名の置き換えはZabbixサポート外

SNMPトラップ監視を始める前に!トラッパーの比較表をチェック

3つの特徴を表にまとめました。トラッパーは、要件の優先度や内容次第で選択します。
本比較表はどのトラッパーが優れているかを判断するためのものではないことを予めご了承ください。


トラッパー名 提供元 mibファイル フォーマット柔軟性 準備工数 サポート
SNMPトラップフォーマッタ Zabbix社 不要 ほとんどない 少ない 有り
SNMPTT サードパーティ 必要 高い 非常に多い
Zabbixトラップレシーバー Zabbix社 不要 中程度 中程度

SNMPトラップ監視をさらに詳しく解説!資料ダウンロードはこちら

Webに掲載しきれなかった 各トラッパーの詳細や実装の流れサポート範囲の詳細 などをまとめた資料を無料でダウンロードいただけます。
全61ぺージ 、非常に情報が充実した資料ですので是非ダウンロードください!

ZabbixのSNMP監視がよくわかる資料

1.Zabbixでのトラップ監視概要
2.トラッパー3種の紹介
3.SNMPトラップフォーマッタ
4.SNMPTT
5.Zabbixトラップレシーバー
6.トラップ監視における注意事項
7.受信したトラップ文字列の切り出し
8.おわりに

SNMPトラップ監視実装やトレーニングもおまかせください

アシストではZabbixの技術サービスを提供しています。設計や構築からトレーニングまで、おまかせください!