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May 2025がリリースされました!
2025年5月8日、Qlik Senseの新しいバージョン「May 2025」がリリースされました! 今回は「May 2025」で追加された新機能についてご紹介します。
この記事ではQlik Cloud Analyticsで提供される様々なAI機能をご紹介します。AI活用の必然性はもはや言うまでもなく、Qlikも2020年にQlik SenseがSaaS提供されたことをきっかけに、着実にAI機能を拡充しながら進化を続けています。
2025年5月に開催されたメーカーカンファレンス「Qlik Connect 2025」では、AIアシスタント「Qlik Answers」の最新機能が披露されており、現行の非構造化データを対象にした自然言語によるナレッジ検索に加え、Qlik Cloudで高度に管理された構造化データからも回答を与えてくれるという発信がありました。こうした最新技術のリリースに期待しながら現行のAI機能を振り返っておきましょう。
※本記事は「2025 年05月時点のQlik Cloud Analytics」で作成しています。
私が長年Qlikを利用してきて感じる最大の特徴は「データをアクションにつなげる洞察を、ノーコードかつオールインワンで提供する」ということです。これは2009年に初めてQlikViewに触れたときから一貫して変わらない感覚であり、時代とともにBIからAIへ技術が進化していく中で、Qlik Sense、Qlik AutoML(Qlik Predict)、Qlik Answersと新しいサービスが出てくるたびに改めてその価値を実感し続けています。
2020年にSaaS化されたQlik Senseでは分析の初期段階におけるデータ準備やチャートによる可視化をAIがサポートしてくれます。
データ準備段階ではデータマネージャーがロードした複数のテーブルに対して内部的にデータプロファイリングを実行し関連度の高い項目を推奨してくれます。この推奨に沿ってボタンを押すだけで複数テーブルが関連付けられ分析用のデータモデルが作成できます。
▼データマネージャー
各テーブルの関連度を緑やオレンジで表現し、推奨の関連付けをボタンで適用できます。
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また、分析シートにおいては、ランキングや比較といった基本的な分析や前年比や年初来といった時系列分析、クラスタリングや相関など様々な分析タイプを選ぶと分析チャートやシートを自動作成してくれます。
▼Insight Advisor分析タイプの一覧
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▼「前の期間 対 現在の期間(選択済み)」で自動生成されたシート
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さらに、より一般的なユーザー向けには、分析すべきデータ項目にチェックを入れるだけで関連チャートを自動生成してくれたり、シート上にデータ項目を配置するだけでデータの特性に応じて次々とチャートパターンを生成してくれるチャートアシスタント機能も便利です。
▼Insight Advisor チャート自動生成
画面左側の項目一覧から分析対象となる項目にチェックを入れるとチャートを自動生成してくれます。
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▼チャートアシスタント
シートに項目をドラッグするだけでデータに応じたチャートが作成されます。
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これらの拡張知能AIは、データ分析や可視化を加速させ、直感的な洞察を生み出すことに大いに寄与しています。
予測分析における機械学習の領域では、2022年にQlik AutoMLがリリースされました。2025年5月にこの製品はQlik Predictへと名称が変更され、予測分析をより身近なものに感じさせました。機械学習というと、予測テーマの設定から学習データの準備、予測モデルの試行錯誤や予測結果の可視化など、各フェーズにおいてかなりの工数が必要となります。また、データサイエンティストに代表されるような高度にで専門的なスキルも必要とされ、こうした背景によって多くのユーザーが機械学習に足を踏み入れにくくなる事情が生まれています。
しかし、Qlik PredictはQlikならではの分かりやすい操作性でこのハードルを超えることができます。データサイエンティストが利用する高度なツールと比べ、使用するアルゴリズムや対応する問題を絞り込むことで手軽な使いやすさを獲得しています。
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▼Qlik Predict 予測モデルの実験
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▼Qlik Predict による予測結果をQlik Senseへ連携し可視化(受注予測の例)
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そして、ChatGPTなどの登場で急激に身近なものとなった生成AI領域では、2024年にQlik Answersがリリースされました。生成AIと言ってもサービスによって適用分野や形態は様々ですが、Qlik Answersの特徴は何といっても圧倒的な手軽さで利用できるセルフサービスのRAGと捉えるとよいかもしれません。現時点においてRAGはいかに信頼できる情報をもとにLLMに正確な回答をさせるかという点で多くの企業が自社利用に向けて調査を進めています。
あわせて読みたい! ▼ 「ナレッジ共有」と「情報検索」における課題を解決!アシストの生成AI導入までの軌跡 |
ただし、RAGを構築するだけでも計画に始まり、データ準備/加工、ベクトルDB構築、さらにLLMの導入やチャットUIの設計/開発など相当のコスト(時間、費用、スキル習得 など)を要します。このことは「RAGによってどうやって正確な回答をさせるのか?」「膨大なナレッジをいかに業務に活用できるのか?」という本質的な課題を見落とし、RAGを構築すること自体がゴールになってしまう危険性をはらんでいます。
Qlik Answersは誤解を恐れずに言うと、多大なコストを要するRAG構築を5分で完了しすぐにでもRAG活用の試行錯誤を可能にします。しかも特別な予備知識は一切不要で、必要なデータ(非構造化ドキュメント)をナレッジベースにロードし、チャットアシスタントと関連付けるのみなのでユーザー層でもすぐに実践利用することができます。
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この一連のシステムをオールインワンのGUIで実践できることは何度も繰り返しになりますが、ユーザーにとって大きな価値になることは間違いありません。
また、2025年内には非構造化データだけでなく、構造化データにも対応することが発信されており、Qlik Senseの持つ優れた分析アプリと非構造化ドキュメントを元に複合的な回答が得られる日も目前まで来ています。
▼Qlik SenseとQlik Answers
Qlik Senseの分析シートにQlik Answersのチャットアシスタントを組み込んだサンプルです。
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Qlikが一貫している「データをアクションにつなげる洞察をノーコードかつオールインワンで提供する」といった特徴が最新のAI領域でも存分に発揮されていることを感じて頂けましたでしょうか。企業のデータ活用において、もはやBIやAIといったIT技術的な区分はなくなりつつあります。膨大なデータやナレッジをいかに業務アクションにつなげられるかという本質的な価値を試行錯誤するために今後もQlik Cloudにご注目ください。
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1999年世紀末の新卒入社です。主にデータ活用の現場に関わる分野においてご提案/ご支援をしてきました。一貫してユーザー目線でのデータ収集と分析に関心があり「いかにIT部門からデータと分析環境を提供してもらえるか?」というのが最近のテーマです。
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