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Qlik Senseで前年同月のデータを求めてみよう!
Qlik Senseで分析を行う際、前年同月のデータを使って比較をしたいと思ったことはありませんか?
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オールスターゲームに出場し、日本人初のMLBホームラン王のタイトルにも期待がかかる
エンゼルス大谷翔平選手の打撃成績をQlik Senseを用いて分析してみました。
※ 本記事で使用しているデータは2021/7/25時点のものです。
※本記事は バージョン「May 2021」の[SaaS]で作成しています。
本記事ではBASEBALL REFERENCE様(https://www.baseball-reference.com/ 2021年7月25日)に掲載されている2021年シーズンのアメリカンリーグ、ナショナルリーグの選手別の打撃成績データを使用し、分析を行っています。この場を借りて御礼申し上げます。
掲載されているデータは全てカンマ区切りのCSVデータとして取得することができます。このデータをQlik Senseのロードスクリプトで加工し、取り込んでいます。
▼Qlik Senseで作成したデータモデル
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チームと選手のマスターテーブルと成績の明細テーブル(打撃成績、投球成績)を紐づけています。Qlik Senseには、データの中身を解析して、テーブル間の関連付けを提案する機能があるため、こちらのデータモデルを簡単に作成できました。
今回の場合は、「選手マスタ」テーブルと「チームマスタ」テーブルが「チーム(略称)」項目、「選手マスタ」テーブルと成績の明細テーブルが「選手ID」項目で紐づけられています。
7/25時点のMLBの打撃成績データを表形式(以下テーブル)で表示し、
両リーグトップの記録を赤色で表示してみました。
▼MLB選手別の打撃成績
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結果を見てみると、大谷選手は本塁打数が多い他の選手と比べ、三振数が多いことが分かります。そこで、バッターの選球眼を評価する指標「BB/K」(四球数を三振数で割ったもの)も比較してみました。BB/Kの値が高い打者は、三振が少なく、選球眼が良いとされています。
20種類以上あるチャートの中から散布図を用いて、「BB/K」と「本塁打数」の相関を見てみます。
結果を見やすくするため、事前にフィルター機能で規定打席(打撃ランキングの対象となる打席数、消化試合数×3.1を四捨五入したもの)を満たしたバッターに絞り込みました。
▼フィルター機能で表示するデータを絞り込む
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散布図の縦軸は「BB/K」、横軸は「本塁打数」です。
▼本塁打数とBB/Kの相関
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赤枠部分を確認すると、本塁打王を争っているゲレーロJr選手、タティスJr選手、オルソン選手はBB/Kが平均を上回っているのに対し、大谷選手は平均を下回っています。
これまでの結果から、大谷選手は本塁打数と長打率でMLBトップの数値を記録していますが、選球眼にやや難があることが分かったため、この点を改善できればさらなる成績の向上が見込めそうです。
打者の大谷選手は、本塁打数と長打率で両リーグトップの記録を残していますが「ホームラン数が多い=いい選手、チームに貢献している選手」と言い切ることは出来ません。
そこで、「WAR(Wins Above Replacement)」という指標から、勝利への貢献度を確認していきます。WARは、その選手が出場したことによって、控え選手が出場した場合と比べて、どれだけチームの勝利数を増やす(もしくは減らす)ことができるのかを示します。
例えば、WARの値が3であったとき、その選手は一般的な控え選手と比較し、3勝分の貢献度を有していることになります。
以下の表は、選手別のバッティングのWARの値を示しています。バッティングのWARではサンディエゴ・パドレスのタティスJr選手が1位の5.1を記録しています。WARは打撃だけでなく、守備や走塁も加味されるため、主にDHで出場する大谷選手は両リーグ含め10位タイとなっています。
また、ポジションが内野の選手は背景色を水色で表示しています。ランキング上位は内野手が多く占めていることから、内野手はバッティングだけでなく、守備面でもチームの勝利に大きく関与することが分かります。当然ながら、投手でランクインしているのは大谷選手のみです。
▼選手別バッティングのWARランキング表
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WARの特徴は、投手・野手を問わずに貢献度を比較できるという点です。そこで、打者としてのWAR、投手としてのWARを合算し、積み上げの棒グラフで表現すると以下のような結果になります。
なんと、大谷選手がMLB全体で1位となりました。値は唯一の6点台となっています。
大谷選手は投打ともにチームへ大きく貢献しており、投打兼業という観点からみると、MLBでナンバーワンの貢献度を有していることが分かりました。
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今回、Qlik Senseの特徴である以下の機能を使って大谷翔平選手の打撃成績を分析してきました。
・連想技術を使用したデータの関連付け
・直観的な操作で利用できる操作性
・多彩なチャートによるビジュアル表現
上記以外にも、Qlik Senseにはユーザー自らが簡単かつ明快にデータ分析を行える機能が用意されています。直感的なデータ分析が行えるQlik Senseを使用し、データ分析や、意思決定に役立ててみてはいかがでしょうか。
機会があれば次回は投手成績にフィーチャーした記事を投稿できればと思います。
Qlik Senseで分析を行う際、前年同月のデータを使って比較をしたいと思ったことはありませんか?
先行ロードの機能を使用すると、すぐ下に記載されたLOAD文の結果をデータソースとして、上のLOAD文で使用することができます。
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