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2025.07.31

シートやチャートの表示・非表示をコントロールできる!(ユーザー単位編)

Qlik Senseでは条件によってシートやチャートの表示/非表示をコントロールできる機能があることを知っていますか?
この機能は、「評価シートは管理者ユーザーのみ表示する」という条件や「売上明細チャートは特定の地域を選択した場合のみ表示する」といった動作を実現できるため、類似のアプリを作成する手間を省くことができます。
本記事では例として、ユーザーごとにシートやチャートの表示/非表示をコントロールする方法を紹介します!

目次

※本記事は「Qlik Sense Enterprise on Windows May 2025」と「2025年07月時点のSaaS」で作成しています。

シートやチャートの表示/非表示の設定方法(概要)

シートの表示/非表示の設定方法

シートの編集画面で右側の[シート プロパティ]-[条件の表示]に条件式を設定することで表示/非表示をコントロールします。

チャートの表示/非表示の設定方法

テーブルや棒チャート等のチャート自体には、[条件の表示]の設定が無いため、「タブ付きコンテナ」を使用して表示/非表示をコントロールします。
シートの編集画面で、対象のチャートをタブ付きコンテナに格納し、チャートごとに[条件の表示]に条件式を設定することで、表示/非表示をコントロールします。

ユーザーごとにシートの表示/非表示をコントロールする方法

下記のように、user1のみ「売上シート」が表示されるように設定する方法を紹介します。

▼user1の画面表示:「売上シート」が表示される

▼user1以外のユーザーの画面表示:「売上シート」が表示されない

設定手順は下記のとおりです。

<設定手順>

1) アプリを開き、対象のシートの編集画面を開きます。

2) シートを右クリックし、画面右の[シート プロパティ]-[条件の表示]に下記のような条件式を設定します。

記述例

=SubField(OSUser(),'=',-1)='user1'

▼数式の解説
OSUser関数とSubField関数を使用して、ログインユーザーがuser1の場合にシートを表示するよう条件指定しています。
OSUser関数は「UserDirectory=ユーザーディレクトリ名; UserId=ユーザー名」のような形でユーザーの情報を返します。
SubField関数は、区切り文字を指定して、区切り文字で区切った一部分の文字列を抜き出して返します。上記例では「UserDirectory=ユーザーディレクトリ名; UserId=ユーザー名」の文字列をイコール(=)で区切り、右から数えて1番目の文字列(ユーザー名の部分)を取得します。

Qlik Sense SaaSの場合

Qlik Sense SaaSの場合は[条件の表示]に下記のような条件式を設定します。

記述例

=GetUserAttr('userEmail')='user1@example.com'

▼数式の解説
GetUserAttr関数を使用して、メールアドレスが"user1@example.com"のユーザーの場合にシートを表示するよう条件指定しています。
GetUserAttr関数はユーザーの情報を取得する関数です。
「GetUserAttr('userEmail')」でユーザーのメールアドレスを取得します。

ユーザーごとにチャートの表示/非表示をコントロールする方法

「タブ付きコンテナ」を使用して、下記のようにuser1のみ「売上データ」のテーブルが表示されるように設定することが可能です。

▼user1の画面表示:「売上データ」のテーブルが表示される

▼user1以外のユーザーの画面表示:「売上データ」のテーブルが表示されない

このとき、「売上データ」のテーブルは非表示になりますが、上記のようにタブ付きコンテナ自体は表示される動作になります。
「売上データ」のテーブルが表示されない理由を明示するため、下記のようにuser1以外の場合にメッセージを表示させる方法を紹介します。

設定手順は下記のとおりです。

<設定手順>
1) アプリを開き、シートの編集画面を開きます。

2) 画面左の[アセット]-[チャート]-[タブ付きコンテナ]をシート上にドラッグして配置します。

3) シート上のタブ付きコンテナの上に、対象のテーブルをドラッグアンドドロップします。

4) タブ付きコンテナを選択し、画面右のプロパティの[コンテンツ]でテーブルの名前をクリックします。

5) [条件の表示]に下記のような条件式を設定します。

記述例

=SubField(OSUser(),'=',-1)='user1'

▼数式の解説
OSUser関数とSubField関数を使用して、ログインユーザーがuser1の場合にテーブルを表示するよう条件指定しています。
※詳細な数式の解説は「ユーザーごとにシートの表示/非表示をコントロールする方法」と同様です。

Qlik Sense SaaSの場合

Qlik Sense SaaSの場合は[条件の表示]に下記のような条件式を設定します。

記述例

=GetUserAttr('userEmail')='user1@example.com'

▼数式の解説
GetUserAttr関数を使用して、メールアドレスが"user1@example.com"のユーザーの場合にシートを表示するよう条件指定しています。
GetUserAttr関数はユーザーの情報を取得する関数です。
「GetUserAttr('userEmail')」でユーザーのメールアドレスを取得します。

6) 条件に合致しないユーザー向けのメッセージ用のチャートを作成するため、画面左の[アセット]-[チャート]-[テキストと画像]をタブ付きコンテナの上にドラッグし、[テキストと画像をコンテナーに追加します]をクリックします。

7) [+]ボタンをクリックします。

8) 条件に合致しないユーザー向けに表示するメッセージを記述します。

9) タブ付きコンテナのプロパティの[コンテンツ]で「テキストと画像」をクリックし[条件の表示]に下記のような条件式を設定します。

記述例

=SubField(OSUser(),'=',-1)<>'user1'

▼数式の解説
OSUser関数とSubField関数を使用して、ログインユーザーがuser1以外の場合に「テキストと画像」のチャートを表示するよう条件指定しています。

Qlik Sense SaaSの場合

Qlik Sense SaaSの場合は[条件の表示]に下記のような条件式を設定します。

記述例

=GetUserAttr('userEmail')<>'user1@example.com'

▼数式の解説
GetUserAttr関数を使用して、メールアドレスが"user1@example.com"以外のユーザーの場合にシートを表示するよう条件指定しています。
GetUserAttr関数はユーザーの情報を取得する関数です。
「GetUserAttr('userEmail')」でユーザーのメールアドレスを取得します。

タブ付きコンテナのタイトルやタブを非表示にしたい場合

タブ付きコンテナのタイトルやタブを非表示にしたい場合は、下記の方法で非表示の設定が可能です。

タイトルを非表示にする

タブ付きコンテナのプロパティの[スタイル]-[基本設定]-[タイトルの表示]を「オン」から「オフ」に変更します。

タブを非表示にする

タブ付きコンテナのプロパティの[スタイル]-[プレゼンテーション]-[タブ]を「オン」から「オフ」に変更します。

さいごに

今回はシートやチャートについてユーザー単位で表示/非表示をコントロールする方法を紹介しました。
これにより、1つのアプリで特定のユーザーに情報を見せたり、不要な情報を見せないといった柔軟な設定ができます。
今後は部署などのグループ単位で表示/非表示をコントロールする方法の記事も公開予定です。
ぜひお楽しみに!

執筆者情報:

株式会社アシスト北海道 サポートサービス技術統括部
2019年に入社し、Qlik製品のサポートを担当して7年目になります。
運動不足を防ぐため、ジムに通って汗を流しています!
そんな時、たまに「Qlikのこの機能でお客様の課題を解決できるのでは?」と閃くことがあります。
このような閃きを大切にしていきたいです。

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