アシスト基幹刷新の取り組み

  • 実装段階
  • DXへの取り組み
2023.04.14

基幹システムに対する社長の思いと期待

左から真下、大塚、駒形

左から真下、大塚、駒形

アシストでは創業50年を迎えた昨年、激変するビジネス環境、ますます加速されるスピード化に対応するため、今まで20年以上にわたり利用し続けてきた基幹システムの刷新を行うためのプロジェクト(社内名称:NEXIS)を発足させました。
この、基幹システム刷新の状況をなるべくリアルタイムに近い間隔で、社内キーマンへのインタビューを中心に、良い話も悪い話も区別なく皆様にお届けしたいと思います。

記念すべき第一回目は、社長の大塚辰男へのインタビューを通して、経営者としての思い、期待を語っていただきます。


こんにちは。インタビューを担当させていただきます営業の真下(ましも)と駒形(こまがた)です。
トップバッターとして社長の大塚さんに、経営者としてこの取り組みについてお考えを伺います。
本日は以下、8つの観点でインタビューさせていただきます。



なぜ今なのか

駒形:なぜこのタイミングでのシステム再構築を決断されたのでしょうか。

大塚:2023年度よりアシストは中期経営3ヵ年計画である『超サポ-25』をスタートさせました。(『超サポ-25』についてはこちらをご参照ください )
『超サポ-25』は創業から51年目を迎えたアシストが今後の50年の準備をするための3年間という位置づけです。

これまでにも様々な社内外システムを刷新しDX化に取り組んできました。例えばAWSC2という、サポートサービスをお客様に提供するコミュニケーション基盤、営業支援システムとしてのSalesforceの導入、経費精算、人事系システムなどのデジタル化です。
その総仕上げとして、最も重要な基幹システムをこの3年間で再構築しようと考えました。

この先の50年も変化に対応し、遅滞なく業務が回せるように「今、変えておこう」という考えに至りました。


基幹システム再構築の構想の時期

真下:新しい中期経営計画が始まり、次の50年への準備の一環として、”今”というタイミングを選択されたのですね。システム再構築についてはいつ頃から考えられていたのでしょうか。

大塚:会社としては随分前から考えていました。

変化への対応の大きなリスクの1つとして挙げられるのが現在の基幹システムです。このシステムは、今でいうローコード開発ツールでスクラッチ開発されたもので、すでに20年以上使い続けています。脚光を浴びたツールで当時はそれが最適解と考えたのだと思いますが、今では日本にユーザはほとんどおらず、今後の発展、変化への対応を考えると疑問に思います。

追加開発を重ねることでソースも複雑でスパゲッティ状態になっています。
ただ、その分、年に数回しか行わない特殊処理もシステムに組み込まれているほど、痒いところに手が届くすごく良いシステムで、本当は変えたくありませんでした(笑)
リスクを心配する人から、再構築の提案を何度も受けました。「私にやらせてほしい」、そういう方も何人かいましたが、その度に「お前じゃ無理だ」と(笑)

しかし、課題認識は持っており、今回の中期経営計画後の2026年以降、非常にリスクとなるであろうと随分前から考えていました。


経営者から見た現行の業務フロー/業務プロセスにおける問題点や課題

駒形:システムの老朽化に伴う課題、リスクはよく理解できました。経営者の視点から見た現行の業務に関してはいかがでしょうか。

大塚:業務フローや業務プロセスには必ず問題点は存在し最適解はないと思っています。
常に問題点を課題化して、改善、解決方法を考える必要があり、うまくいっているタイミングでも、その次の問題が発生している。業務とはそういうもんなんじゃないかと思います。

今回のシステム再構築にあたり、すべての業務をBPECという業務の棚卸し/可視化手法を使って分析・分解したところ、大きな問題が山積みでした。
例えば、現在の業務プロセスではシステムで処理している業務でも非常に手戻りが多いという問題があります。担当者Aがここまでやる。担当者Bに処理を渡した後に、もう一度担当者Aに戻して処理をする。このような何度もキャッチボールをしなければならない業務が数多くあります。
業務をコアとノンコアに分けた時、ノンコアの業務は自動化でもよいと思いますが、そのような業務も人手で、しかもキャッチボールをしながら行われている。そんな状況が見えてきました。

それよりも社員の皆さんには創造的な仕事をやっていただきたい、という思いがすごく強くあります。それは『超サポ-25』の中にある社員の育成と成長というところにも関わってきます。
NEXISは『超サポ-25』の1つの施策として、システム刷新であり、業務改革でもあるわけです。


再構築により目指す姿と社員に求める働き方の変革

真下:かなり前から、現状の業務フローの非効率さ、現状利用しているITインフラの将来性に課題を感じられていた、ということが理解できました。

先ほども社員には創造的な仕事に注力してほしいというキーワードもありましたが、社員の働き方にどんな変化を期待しているか、今回の再構築で目指していることが何かという点も含めて、改めて聞かせてください。

株式会社アシスト 代表取締役社長 大塚 辰男

大塚:まず業務改革が大前提にあり、単なるAMIS(現行の基幹システム)の置きかえではない。その点がポイントになります。
今回は業務システムの再構築というよりも、新しい発想のもとでこれからのアシストのビジネスを支えていくためのシステムを構築していくという発想です。

「見積もり作成が夜遅くまで終わらない」、「出荷業務のフローがわからず、誰に聞いたら良いかもわからない」、「大量に蓄積されたデータを活用して分析しようにも思い通りに分析できない」など多くのムダが存在すると思います。特に入社1年目、2年目の方はそのように考えることが多いのではないかと思います。

このような社員の働き方のムダなところを省いて生産性の高い仕事に従事し、今より残業が減り、自分の時間がふんだんにとれるようになり、自分の時間を増やしていただきたい。そうして、良い人生を歩んでいただきたいと思っています。


パッケージ選定にあたり

駒形:今回は業務システムの再構築だけでなく、新しいアシストのビジネスを支えるためのシステム構築であること、社員には会社に縛られずに、自分の時間を確保して良い人生を歩んで欲しい、ということですね。
今回再構築の手段として色々な選択肢がある中で、SAP社のS/4HANA CLOUDを採用しました。アシストの企業規模であったり、ビジネスモデルを考えると、SAPはオーバースペックではないかという声も社内にはありました。その中で敢えてSAPを選んだのはなぜでしょうか。

大塚:なぜ、SAPか?SAPって違うんじゃないのかな?と実は私も最初は思いました。
ただし、自社で内製すると、また同じことの繰り返しになります。だからパッケージが良いとは考えていました。
例えば、「消費税が変わりました」、「経理上の法律がちょっと変わりました」という時に大きな変化があるわけですが、それを吸収してくれるのがパッケージだと思っています。
パッケージにどんな選択肢があるのかということで、IT部門の方などに調べてもらい、最終的にSAPが良いという提案がありました。
もちろん、他の製品も検討してもらいました。その中で、最終的にプロジェクトが選んだものがSAPでした。
何度もやり取りを行いましたが、カスタマイズも一番少なくすむし、今後の運用を考えていくのであれば、アシストにとってはSAPが良いでしょうということになりました。
HANA Cloudも同様です。
今後データ量が膨大になったときに、ハードウエアをどうにかしなきゃいけないとか、CPUが足りないとか、いろいろなことが考えられるため、ここはクラウドが良いのではないかという提案がありました。それに私は乗った、ということです。

オーバースペックについてはイメージ的にそのように思っているだけなんじゃないか、と思います。

HANA Cloudは多くの企業の皆様が使っています。もしSAPが止まったとしたら、アシストの業務が止まるということだけではなく、他の企業も全部業務が止まってしまうわけで、これはもう許せない話です。
アシストは今売上400億くらいの会社ですが、お取引いただいているお客様は6,000社以上あって、その業務が何かしら止まってしまうというのはあり得ません。
これからさらにアシストの社会的責任が大きくなっていく中で、多くの企業で利用されている実績があるものを選びたかったということです。


SAPとの連携まわりでアシストの取扱製品を優先利用させる考えは?

真下:今後の事業展開を考え、社員からの強力な提案があり、SAPの採用を決めたことですね。
現在アシストでは、「SAPのまわりプロジェクト」というプロジェクトを立ち上げて、アシストが取り扱っている、SAPと連携できる製品群をソリューション化し、お客様に提案する活動を行っておりますが、今回のNEXISプロジェクトでもそれらの製品を優先的に使うというお考えはありますでしょうか。

大塚:もちろん、アシストが取り扱っていない製品を使ってもよいと思っています。
アシストが取り扱っている製品を優先しなくてはダメとはあまり考えていません。プロジェクトの中で一番良いと思うものを使えばよいと思います。
最適なものを選択する中で、アシストの取扱製品はノウハウがあり、役に立つ製品であると評価したのであれば、選んでいただければ良いと思います。

アシストの取扱製品が選ばれるということは、会社としてのキャリアアップにつながっていくのではないかと思います。社員の方はいろいろなツールを使うことによってキャリアアップしていくんじゃないか、いろいろなチャレンジができるのではないか、と。
社員が成長すれば会社もキャリアアップするため、『超サポ-25』の社員の育成と成長にもつながってくるのではないかと考えています。

また、お客様先に行くと、SAPを使っているお客様が非常に多いです。
アシストもSAPを使ってお客様の痛みを理解し、使いやすい/使いづらいという点に共感できるかできないかによって、我々の提案の幅、深さが違ってくると思います。
そういう意味でSAPを使って、お客様の思いを知り、痛みも知り、その痛みの中から新しいソリューションを「SAPのまわり」で生み出すことができるのではないかと思います。

真下:その延長で、アシストが今後SAP自体の販売、サポートを行うことは考えられていますか。

大塚:アシストでの経験や知見を活かし、SAPのお客様に対して、SAP周辺でのご支援は行っていきたいと考えていますが、現時点でアシストがSAP自体を販売したりサポートをすることは考えていません。


プロジェクトメンバーに求めたこと

駒形:構築にあたって、アシスト取扱製品の優先的な利用は考えていないということがわかりました。また、アシストがSAPの導入を進めることで、お客様の思いや痛みを経験し、SAP自体ではなく、その周辺で、新たなアシストとしてのソリューションが誕生することに期待をされていることもわかりました。

再構築プロジェクトについて伺います。
先ほどもキャリアアップのお話など伺いましたが、プロジェクトを発足するにあたって、メンバーの皆さんに求めたことはありましたか?

大塚:再構築プロジェクトメンバーの皆さんにとって、今回のようなプロジェクトはなかなか経験できないチャンスです。リスク管理しかり、プロジェクトの進め方、もちろんSAPについてしっかり勉強して欲しいと思います。

SAPのノウハウを得ることができますから。
SAPの販売はしませんが、SAPに関わるビジネスは大きくなっていきます。
お客様やSier様から話を聞くと「SAP部隊というのは忙しく人がいない」「SAPの人材をプロジェクト開始の何ヵ月も前から確保している」と聞きます。大変なコストがかかると思います。
SAPの人手不足の裏には必ずお客様が困っていることがある、ということで、アシストがお役に立てる要素があるのだと思います。
先ほどのプロジェクトメンバーの皆さんには「SAPのまわりプロジェクト」へ積極的なフィードバックを行い、アシストの事業展開にも絡んでもらいたいと思います。

あとプロジェクトに求めたものというのは、「本当にこれで良いのか」、「これで今想定していることが実現できるのか」ということを再三確認しました。
彼らは構想の実現可否判断を自分目線だけじゃなく、コンサル会社にもお願いして、今の仕様書でそれらがちゃんと実装できるかどうかという確認もしました。
ですから、そういう目利きみたいな部分というのも勉強できているんじゃないか、と思っています。


社長としての再構築プロジェクトへの関わり方とその中での役割について

真下:再三確認することにより、退路を断たせたわけですね(笑)
最後の質問です。
大塚さんの本プロジェクトへの関わり方とその中での社長の役割について考えているところを教えてください。

大塚:大幅に業務プロセスを見直していきますので、仕事が大きく変わることが確実です。
個人のスイッチングコストも大きく、考え方も変えていかなきゃいけない。
それによって一時的に生産性がかなり落ちると思います。
これはもちろん、システムを変えた時というのは当たり前の話なのですが、それに対して理解を示していただきたい。

皆さん多分最初は戸惑います。
私もそうですが、前の方が使いやすいとか、変化に対しては、やはり皆さん、「えっ?」という人が多い。
いろいろな戸惑いはあると思いますが、これがこれから会社を発展させていく中で大事なことである、という理解をしていただくためのメッセージを社員の方に送っていくことが役割だと思っています。
皆さん、ただのシステムの置き換えではないということは、理解していると思います。
その次にある、おいしい果実をぜひみんなで取りにいきたい。と思っています。

駒形:本日は社長の大塚さんに、今回の基幹システム再構築プロジェクトに対する思いや期待を語っていただきました。
我々社員も、目的としているところをよく理解してプロジェクトに協力していきたいと思います。
本日はありがとうございました。


執筆者情報

​真下 悦拡(ましも よしひろ)
東日本営業本部 東日本営業統括部

粘り強い営業に定評あり。同世代のエース。



駒形 美鈴(こまがた みすず)
東日本営業本部 テクノロジー営業統括部

童顔からは想像できないキレキャラ。番犬的存在。


関連している記事

  • 実装段階
  • DXへの取り組み
2024.01.18

SAP S/4HANA導入の道のり ~会計編2~

アシストは基幹システムの刷新に取り組んでおります。SAP導入を決断するに至るまでにどのような経緯、プロセスを経たのでしょうか。基幹システム刷新プロジェクトを率いる岡田、石倉に聞いてみました。

  • 実装段階
  • DXへの取り組み
2023.11.27

SAP S/4HANA導入の道のり ~会計編1~

アシストは基幹システムの刷新に取り組んでおります。SAP導入を決断するに至るまでにどのような経緯、プロセスを経たのでしょうか。基幹システム刷新プロジェクトを率いる岡田、石倉に聞いてみました。

  • 実装段階
  • DXへの取り組み
2023.07.07

アシストが抱える業務面、システム面の課題について ~後編~

第3回では業務プロセス面、システム面でどのような課題を抱えていたのか経営企画本部の林、沖に話を聞きました。それらの課題を解決するために新たなシステムにはどのようなTo-Be像を描いているのか前回に続き両名に話を聞きます。

ページの先頭へ戻る