CitrixDirectorを使用したセッション起動遅延調査の一例

こんにちは。Citrix製品のサポートを担当している川東(かわひがし)です。
※弊社のCitrixヘルプデスク契約があるお客様は本記事についてお問い合わせ頂くことも可能です。
ユーザー様のCitrixのセッション起動に時間がかかる場合にCitrix Directorを使用して問題切り分けする方法をご紹介させていただきます。
※以前に公開しました以下の記事もご参照いただけますと幸いです。
「Citrix Director」にてユーザがログインしたVDAサーバを確認する方法
本記事の内容について
本記事はCitrix Virtual Apps and Desktops 7 2402 CU1を使用していますが、Citrix DaaS、Citrix Virtual Apps and Desktops 7 の他のバージョンも同様にご使用いただける内容です。
Citrixのセッション起動時に行われる処理
StoreFrontログイン後に公開アプリケーション(もしくは、デスクトップ)アイコンをクリック後、クライアント端末のCitrix Workspace appからCitrixのセッションが起動される際に、接続先のVDAマシンに対してWindowsのログイン処理が行われます。
ログイン処理は以下の図のように、「ドメイン認証」「ユーザプロファイルの読み込み」「グループポリシーの適用」「ログインスクリプトの実行」等、多くの処理が発生します。

ログイン遅延問題は遅延が発生している箇所の特定が難しいことがございますが、CitrixDirectorにて絞り込みが可能です。
Cirix Directorのログオンパフォーマンス画面で確認できる処理
以下の画面は「ログオンパフォーマンス」の画面です。

画面下側にセッション起動時の各処理が秒単位にて表示されます。

列名は以下がございます。
<左半分の列名>

<右半分の列名>

各値の説明はCitrix社の以下のドキュメントをご参照ください。
ユーザーログオンの問題の診断
→「ログオンプロセスのフェーズ」
Cirix Directorのログオンパフォーマンス画面でデータを表示するために必要な設定
Citrix Virtual Delivery Agentのインストール時に「Citrix User Profile Manager」と「Citrix User Profile Manager WMI Plugin」にチェックを付ける必要がございます。
こちらにチェックをつけずにインストールした場合は、Citrix Virtual Delivery Agentの再インストールをお願いします。

セッション起動遅延調査の一例
問題の事象
今までは問題なくCitrixのセッション起動ができていましたが、突然時間がかかるようになったという報告がありました。複数の利用者から問い合わせがあり、Citrix管理者はCitrixDirectorにてログオンパフォーマンスのデータを確認することにしました。
ログオンパフォーマンスの確認手順の一例
1. CitrixDirectorがインストールされているサーバにて、http://localhost/director を開いてログインします。

2. 画面左枠の「傾向」をクリックして「ログオンパフォーマンス」タブを開きます。必要に応じて「デリバリーグループ」「期間」「終了日時」を設定して「適用」をクリックします。

3. 指定をした期間に接続したユーザのログオンパフォーマンスのデータが表示されます。

4. すべてのユーザで「プロファイル」の時間が長いことが確認できました。

※拡大した画面

5. Citrix環境で移動ユーザプロファイルを使用しており専用のファイルサーバーを使用しているため、管理者がこちらのサーバの負荷状況を確認したところ、CPU使用率が高くなっていました。
WindowsのタスクマネージャにてCPU使用率の高いプロセスを確認して、問題に対処後、利用者からCitrixセッションの起動が早くなったことを確認しました。
【Tips】ログオンパフォーマンスデータをエクスポートしたい場合
Director画面右上の「エクスポート」からPDF、CSV、EXCELの形式でデータをダウンロードできます。特定の列の時間でソートをする場合は、CSVやEXCELでデータをご利用いただければと存じます。

【Tips】ユーザーセッションのネットワークパフォーマンスを確認する場合
以下の内容は、オンプレミス版のCitrix Virtual Apps and Desktops 2402 LTSR版を使用している場合にご確認いただけます。Citrix DaaSのWebStudioの「監視」画面からも同様にご確認いただけます。
※参考情報:セッションのパフォーマンスの問題を診断する
確認手順
1.Citrix Directorを開きます。画面右上の「検索」ボタンをクリック後、ネットワークパフォーマンスの確認対象のユーザ名を入力して表示された候補を選択します。

2.画面右上の「詳細の表示」をクリックします。

3.「セッションパフォーマンス」タブを開きます。

4. 「ICA往復時間」「ICA遅延」「フレーム数/秒」「利用可能な出力帯域幅」「消費された出力帯域幅」の数値をご確認いただけます。
事前に正常稼働中の数値を記録していただき、問題発生時に、記録した数値と比較してネットワークパフォーマンス負荷を判断する参考にしていただければと存じます。
※用語の説明(セッションのパフォーマンスの問題を診断する )
ICA遅延 | 基本的にネットワーク遅延です。このパラメーターは、ネットワークの速度が遅いかどうかを示します。 |
ICA往復時間 | ユーザーの操作と画面に表示されるグラフィックによる応答の間の時間間隔です。この測定には、ICA遅延、エンドポイント遅延、およびホスト遅延が含まれます。 |
フレーム数/秒 | セッションの応答性を示す重要な指標です。 |
利用可能な出力帯域幅 | VDAからエンドポイントにデータを送信するために利用できる合計帯域幅の基準です。 |
消費された出力帯域幅 | ユーザーにセッションを表示するためにVDAからエンドポイントに送信された実際のデータ量を示します。 |


まとめ
Citrix Directorのログオンパフォーマンス画面の概要とログオン遅延調査の一例をご紹介させていただきました。Citrix製品の運用のご参考にしていただけますと幸いです。
ログオンパフォーマンス画面にてデータが表示されない場合は、Citrix Virtual Delivery Agentのインストール時に「Citrix User Profile Manager」と「Citrix User Profile Manager WMI Plugin」のチェックをつけたかどうかをご確認ください。
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著者情報
ビジネスインフラ技術本部 アクセスインフラ技術統括部
川東 健吾
ビジネスインフラ技術本部 アクセスインフラ技術統括部
川東 健吾
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