
アシストでは創業以来約50年間欠かさず、日本の顧客企業に役立つ商材の発掘・調査をあらゆる製品分野において行ってきました。今回はその中でも、「人と組織」に焦点をあてた最新テクノロジーについてご紹介します。
アシストにおける商材発掘・調査の専門チームである「新事業共創推進室」+「Bダッシュ委員会」についてはこちらもご参照ください。
https://www.ashisuto.co.jp/cm/pr-blog/202207bdash.html
目次
はじめに
この3年にわたるコロナ禍により、働き方やビジネス環境に大きな変化がもたらされ、「人と人」「人と組織」といった「人とのつながり」そのものにも大きな影響が及ぶようになりました。さらに、昨今のめざましいAIの台頭によって、この変化・影響はますます加速していくものと思われます。
ただ、テクノロジーがいくら進展していったとしても、人が中心になってビジネスを展開していくことは未来永劫変わることはありません。アシストでは、コロナとAIの台頭によって、希薄化していく人と人、人と組織のつながりを改めて強化するための取り組みが今こそ重要だと考え、「人と組織を強化する」というテーマに関連する最新テクノロジーの調査・発掘を行っています。
今回はその調査結果の一端と、「人と組織を強化する」ためにアシストが取り扱いを開始した製品を簡単にご紹介します。
CX向上の前にまずEX、企業価値の最大化に人的資本への投資は不可欠
昨今、お客様の体験価値を向上させる「 カスタマーエクスペリエンス (CX)」の取り組みを強化している企業が増えています。製品やサービスの購入、利用、サポート、フォローといったお客様との接点の中で、どれだけ良い印象・感情・認識などを持ってもらえるかが顧客満足度向上につながり、結果的に企業力向上につながるとされているからです。

アシストもこれまで「お客様の最高のために」という方針のもと、お客様に感動体験を届けるために何ができるかを全社をあげて考えてきました。最近強く感じることは、CX向上のためには、社員自身が、まず自社やお客様先で感動体験をしていること、つまり、社員の感動体験である「エンプロイーエクスペリエンス(EX)」が重要で、社員一人一人がそれを経験していなければ、お客様に感動を届けることができないということです。
その源泉となるのが、組織文化です。組織文化を醸成し、自社の価値や強みをしっかりと理解してお客様へ感動体験を届けられる社員を、社内で育成・輩出していくことが重要です。とはいえ、組織文化を醸成するのはとても難しく、一朝一夕で築き上げられるものではありません。だからこそ、人的資本への投資は重要であり、企業文化なくして、企業価値の最大化はありえないと考えています。
「人と組織」の強化で注目している三つのテクノロジー
組織文化、EX、CXを支えるテクノロジーにはどのようなものがあるかを調査したところ、「エクスペリエンス管理」、「タレントマーケットプレイス」、「カルチャープラットフォーム」という三つの分野が有効であると分かりました。

また、EXや組織文化を強化するアプローチとして、アシストでは、社内の組織環境の仕組み・仕掛け作りを支援する「Internet of Knowledge」というコンセプトを提唱し、動画活用プラットフォーム「Panopto」、生成AI機能付き社内横断検索製品「Glean」などの提供を行っています。上記の三つのカテゴリに加え、併せてご紹介します。
1. エクスペリエンス管理
エクスペリエンス管理の定義
エクスペリエンス管理とは文字通り「経験管理」になります。以下は、アシストで全社導入した、ChatGPTを組み込んだインサイトエンジン「Glean」の検索結果になりますが、Gleanによると、エキスペリエンス管理とは、「顧客、社員、ブランド、製品といった個々の要素でのすべての経験を統合的に管理する仕組みであり、これによって企業は顧客満足度を向上させ、ロイヤリティを高めて結果的にビジネスパフォーマンスを向上させることができる」と定義されています。

「エクスペリエンス管理」のポイントは、お客様の経験だけではなく、社員の経験管理も含まれていることです。ブランドや製品を通じて提供する価値体験は、社員も含め総合的に考えることが重要だということです。
アシストのCX推進に関する取り組み
アシストでは、お客様の体験価値を高めることを専門ミッションとする組織「CX推進室」を立ち上げました。いわゆるカスタマージャーニーマップを作成して、お客様との接点(タッチポイント)を定義し、各タッチポイントでのお客様の声を全社横断で分析できる基盤をまさに整備中です。

(各タッチポイントでの評価軸の例)
・どのようなイベントやセミナーが評価されているか
・営業の日々の情報提供やアフターフォローは十分か
・技術支援や技術力に満足いただけているか
上記のような各タッチポイントで、お客様がどのようにアシストを評価してくださっているのか、また、どのようなことを期待されているかの分析ができたならば、次に、伸ばしていくべき強みや、改善すべき課題を明確にして、プロアクティブなアクションとして届けていけるようにしたいと考えています。
アシストではそのための仕組みとして、エクスペリエンス管理分野ではメジャーなソリューションの一つである「Qualtrics」(開発元:Qualtrics、URL:https://www.qualtrics.com/jp/ )を採用しました。

「お客様の声を収集する」というと、アンケートシステムをイメージされる方も多いかと思いますが、Qualtricsは、アンケート収集はもちろんのこと、以下のようにお客様からいただいた声をもとにプロアクティブなアクション・改善まで統合的かつリアルタイムに実現可能なソリューションです。
(機能一覧)
・調査内容・対象の設計
・アンケート自動配信・収集
・回答者管理
・収集したアンケートと各種業務データの突き合わせ管理
・VOC分析に特化した分析機能やダッシュボードを活用し顧客の声に埋没したインサイト創出
・具体的なアクションの設計など
まだまだアシストも道半ばではありますが、このようなソリューションをうまく利用することで、お客様の声、社員の声を集め、EX・CX向上に寄与できればと考えています。
2. タレントマーケットプレイス
次はタレントマーケットプレイスという分野のご紹介です。
タレントマーケットプレイスとは?
エクスペリエンス管理と同様、Gleanでその定義を検索したところ、「タレントマーケットプレイスは、企業の内部の人財を最大限に活用するためのプラットフォームです」と定義されています。
「タレントマーケットプレイス」は、社員と成長機会のマッチングの場を創出するプラットフォームだと言われています。
社員一人一人は様々な経験やスキル・知識を有しており、さらには今後に向けてのキャリアビジョンがあります。これらの要素と、自社の現行組織、新規組織、プロジェクト、コミュニティなどがきちんとマッチングしてくれるコンシェルジェ的な存在がタレントマーケットプレイスです。
昨今、人財の確保が非常に難しくなっている中で、会社の中に魅力的な仕事があるということを社員に認識してもらったり、個々のスキルを生かす場を提供できれば、社員が活躍でき、離職などを防ぐことができます。タレントマーケットプレイスではこのような効果を狙っています。
タレントマネジメントシステムとの違い
HR分野では、人事システムからタレントマネジメントへ、そしてタレントマーケットプレイスへと変遷していると言われています。但し、タレントマーケットプレイスはタレントマネジメントに置き換わるものではなく、共存する関係だと考えています。
「タレントマネジメント」の場合は、どちらかというと、マネジメント層や人事担当者が新しいプロジェクトや組織に誰をアサインしようかという側面で利用されるケースが多いですが、タレントマーケットプレイスの狙いは、社員同士が現場主導で「こういうことをやりたいから協力してくれる?」「こういうメンバーを知らない?」といったことに自律的、能動的、スピード感をもって対応できる組織を作ることを目指しています。
タレントマーケットプレイスの主な機能
タレントマネジメントに該当するプロダクトが有する共通機能として、以下のような機能があります。今回はその中でもタレントマーケットプレイスの特徴的な機能を四つご紹介します。
【メンターリクエスト機能】
皆さんもこれまでのキャリアの中で悩まれたことは多々あるかと思いますが、先輩や同僚のアドバイスや話に助けられた経験も多いのではないでしょうか?自分が所属する部署の先輩でなくても、同じような経験やキャリアを歩んで来た方に相談役(メンター)をリクエストし、実際に相談できることで、自身のキャリアが開けるということもあります。これを支えるのが「メンターリクエスト機能」です。
【ベンチマーク機能】
自社でどんなスキルや経験ができるかをベンチマーク的に参照したり、将来自分がどのようなキャリアを描けるかの参考にできる機能です。また、タレントマーケットプレイス製品の中には他社のベンチマークデータを組み込んだ製品もあります。他社に比べ自社で経験できることは魅力的であると認識できたり、他社の同じようなポジションにいる人の持つスキルを参考に、自身のチャレンジ領域を検討するといったことが可能になります。
【キャリアジャーニー提案】
自社の各社員従業員の過去のスキルやキャリアデータをAIに学習し、「あなたなら次にこのステップに進んではどうでしょう」、「こういうキャリアを歩んではいかがでしょう」を提案してくれる機能です。自身が目指すべき次のチャレンジ領域などのヒントにすることができます。
【360度フィードバック】
プロジェクト終了時のようなタイミングで、自分はプロジェクトの中で活躍できていたかなどをお互いに聞ける機能です。実際に受け取った個人のフィードバックを公開することにより、その人に対し新たな仕事の声掛けの機会になったり、他の人が自身の次のキャリアの参考にしたりといったことが可能になります。
このように現場同士がつながる仕掛けを持ったプラットフォームがタレントマーケットプレイスです。
3. カルチャープラットフォーム
最後にカルチャープラットフォームのご紹介です。
カルチャープラットフォームとは?
同じようにGleanの検索結果では、「カルチャープラットフォームは、組織の文化を形成、強化、共有するためのツールやプラクティスを提供するシステムのことを指します」となっています。
カルチャー プラットフォームはまだまだ馴染みがない方も多いかと思いますが、組織運営において重要な文化醸成、文化形成にフォーカスしたテクノロジーが昨今出てきています。
カルチャープラットフォームの製品例
そのひとつのアプローチとして、ピアボーナスという感謝・賞賛をメッセージとポイントで送り合うソリューションがあります。アシストでも「Unipos」というサービスを実際に利用してみたところ、これは文化醸成にかなり寄与できると感じたエピソードがいくつかありましたのでご紹介します。
アシストには「 哲学と信念 」という企業理念、「 セブンハート 」という行動指針があり、社員は日々この内容に即した行動ができるよう意識して活動しています。
例えば、Uniposを利用して、AさんがBさんに対し「Bさん、先日のお客様訪問ではセブン ハートの2番目にある“お客様の役に立つ 努力をしよう”にふさわしい行動でしたよね、すばらしい」と称賛の声を送ったとします。
Uniposでは全社員がそれを参照できるようになっているため、他の社員がそれを見て「お客様の役に立つというのは具体的にこのような行動なのか」と日々の業務の中で意識できるようになります。また、意識しなくてもこのような行動が当たり前になされる状況を作り出すこともできます。これが まさに、文化や風土を作るということになります。
アシストが提唱する「Internet of Knowledge」関連製品
アシストが2020年から提唱している「Internet of Knowledge」は、社員自身が持つ「知識」をデジタル技術を活用し社内外に循環させることで、人とのつながりを進化させ、企業をさらに強くするという構想です。
コロナ禍により、各社がテレワークへ移行せざるを得ない中、アシストにおいても社員同士の関係の希薄化、社内情報や社内活動をどう行っていくかが切実な課題としてあがりました。その打開策として自社導入したエンタープライズ動画管理基盤「Panopto」が社内コミュニケーション活性化や社内情報の伝達などに非常に大きな成果をもたらしたことから、お客様の同様な課題を解決するものとしてご紹介を始めたことがきっかけです。
具体的な製品ラインナップとしては、「Panopto」のほかに「テックタッチ」、冒頭からご紹介しているChatGPT機能を包含した横断検索エンジン「Glean」の取り扱いを行っています。
Panopto
Panopto(パノプト)は、企業における動画の活用を推進するエンタープライズ動画管理基盤です。動画を作成し、活用するのに専門知識は必要ありません。全ての社員が様々な場面で動画を日常的に活用することで、業務の効率化や新しい働き方の実現、人材育成やリスキリング、コミュニケーションの活性化をPanoptoが支援します。
https://www.ashisuto.co.jp/product/category/knowledge/panopto/
テックタッチ
テックタッチは、あらゆるWebシステムの操作を画面上でリアルタイムにナビゲートするガイダンス・プラットフォームです。システムを改修することなくガイド、ツールチップを実装でき、初めてのユーザでも思いのままにシステムを使いこなす世界を実現します。
https://www.ashisuto.co.jp/product/category/knowledge/techtouch/
Glean
Gleanは、企業向けのインサイトエンジンです。Gleanの検索窓から、Microsoft 365、Box、Google Workspace、Slack、Salesforceなどを横断検索して、瞬時に知りたい情報を探し出すことができる、エンタープライズレベルで生成AIを最大限に活用できるAIプラットフォームです。
https://www.ashisuto.co.jp/product/category/knowledge/glean/
最後に
ここまで「人と組織を強化する」最新動向と、アシスト取扱製品を含めた関連ソフトウェアをご紹介してきました。
アシストでは、どんなにテクノロジーが進化したとしてもそれを活用するのは人であり、「人と人のつながり」によってビジネスが成立するという考えのもと、創業以来変わらず、ソフトウェアビジネスを生業に活動してきました。
そのため、自社の活動にも深い関わりを持つ「人と組織を強化する」分野で、「組織文化」「従業員体験価値」「顧客体験価値」というそれぞれのアプローチに対し今後どのようなテクノロジーが出てくるのか、継続して調査していきたいと考えています。
繰り返しになりますが、「組織文化」「従業員体験価値」「顧客体験価値」というそれぞれのアプローチはどれも重要であり、三位一体です。まず土壌となる 組織文化をしっかりと耕しつつ、それをお客様に届ける社員一人一人の体験価値を高めることが重要で、これがあって初めて顧客の体験価値を向上させることができると考えています。
アシストでは、これらのアプローチの他にも、お客様の体験価値の向上に一番接点のあるセールスパーソンがテクノロジーを使ってどのように強化できるのかという「セールステック」、脳神経科学とITを融合して活用する「ブレインテック」などの分野も調査を行っています。こちらも調査結果がまとまりしだい、順次お伝えしていければと思っています。
※本記事は2023年10月に開催された「アシストEXPO」での講演内容に基づくものです。
本記事に記載された、弊社意見、予測などは本稿作成時点における弊社の判断であり
今後予告なく変更されることがあります。
※記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
<執筆者のご紹介>
木村 貴史
CX本部 新事業共創推進室
新事業共創推進室 室長 兼 Bダッシュ委員会 委員長
前職では、文教システム・ネットワーク構築と管理業務に従事。2004年にアシストに入社し、システム運用管理およびセキュリティプロダクトのフィールドエンジニアを経て、2006年からは同技術チームマネージャーを担当。2015年からはデータ活用領域に活動の場を移し同技術チームマネージャー兼マーケティング企画責任者を担当。その傍らで新製品・サービスの発掘を担う全社横断型の専門委員会「Bダッシュ委員会」を発足した。 2020年には新製品・サービスの発掘を主なミッションとする専門組織「新事業共創推進室」を設立し、同組織の責任者に就任。社内の有志を募り、全員兼務という体制で事業立ち上げに挑戦する「インキュベーションプロジェクト」を発足するなどし、総責任者としてInternet of Knowledge構想の具現化と構成プロダクト事業の立ち上げを推進。
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