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Oracle Cloud VMware Solutionを構築してみました!
前回の記事でOCVSの概要やメリットをお伝えしました。 本記事では実際にOCVSを構築する手順、および作成したvCenterへ実際に接続する手順をお伝えします!
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今回はOracle Exadata Database Machine(以下、Exadata)の運用・管理にあたって非常に有用なツールをご紹介します。
Exadataはサーバ、ストレージ、内部ネットワークなどをまとめてアプライアンス製品として提供されるため、管理に課題や不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はExadataにデフォルトで実装されているツールを活用するだけでも、効率的な管理につながります。
本記事ではOSのパフォーマンス監視に有効な「ExaWatcher」と、Exadataシステムのヘルスチェックに役立つ「Exachk」をご紹介します。
ExaWatcherは自動でOSのパフォーマンス情報を収集するツールです。
CPU使用率やディスクI/O、プロセス情報などを収集しています。
内部ではiostat、vmstat、psといったコマンドを定期的に実行し蓄積しています。
コマンドの実行結果だけを確認することも可能ですが、レポートからグラフィカルにパフォーマンスを確認できる点も特徴です。
Linuxのsarコマンドでも同様の内容は確認できますが、ExaWatcherには下記のような優位点があります。
次の図はグラフの一例です。OSのパフォーマンス情報を視覚的にも確認しやすいのがメリットです。
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それではどういった時にExaWatcherが効果的なのか?
代表的な利用シーンを確認してみましょう。
例えばCPU高騰などのパフォーマンス障害の調査に必要となるのは、障害発生時のCPUやメモリの使用率、I/O負荷などの情報です。このような場合にExaWatcherを使えば簡単に過去のOSパフォーマンスを確認することが可能です。
弊社のサポートセンターでも調査用のログとしてExaWatcherの出力をご提供いただき、問題の分析に使用しています。
システムのテスト時にExadataの負荷状況を確認することができます。
データベース観点ではAWR(*)などから情報を分析することができますが、OS観点ではExaWatcherのログから簡単に確認することができます。
*AWR(Automatic Workload Repository)
データベースの統計情報を一定間隔で取得するOracle Databaseの機能
自動出力と、手動で期間を指定して出力する方法についてご紹介します。
デフォルトの場合、2日間の稼働情報を自動でレポート化します。
次のような圧縮ファイルに各種情報が蓄積されています。
*実行環境はExadata X8M
【出力先】
/opt/oracle.ExaWatcher/archive/ExtractedResults
【ファイル名】
ExaWatcher_<ホスト名>_<日時>.tar.bz2
「ExaWatcher_<ホスト名>_<日時>.tar.bz2」を展開し、「Charts.ExaWatcher.<ホスト名>」配下の「index.html」から、CPU使用率やディスクI/Oを前述の図1のようにブラウザ上で確認することができます。
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--from,--toオプションをつけてコマンドを実行することで期間指定が可能です。
指定期間の長短にもよりますが、出力は数十秒~数分程度で完了します。
パフォーマンス障害の場合はこちらで出力すると負荷状況などの確認に役立ちそうです。
*実行環境はExadata X8M
(root)# /opt/oracle.ExaWatcher/GetExaWatcherResults.sh --from 04/01/2022_10:00 --to 04/01/2022_11:59
【出力先】
/opt/oracle.ExaWatcher/archive/ExtractedResults
【ファイル名】
ExaWatcher_<ホスト名>_<日時>.tar.bz2
ExachkはExadataがメーカーのベストプラクティスに準拠しているかをチェックしてくれる機能です。OSのカーネルから、データベースの初期化パラメータまで幅広く情報収集しています。
ベストプラクティスおよびExadataの重篤不具合情報と照らし合わせて評価してくれます。
先ほどのExaWatcherと違い、基本的に手動で実行することでレポートを出力することができます。
今までExadataの不具合情報やデータベースのパラメータを細かく検討できなかったという方は、ぜひ一度Exachkのレポートを確認してみてください。Exachkを活用することでトラブルを未然に防止し、よりセキュアでハイパフォーマンスなExadataに改善することができます。
具体的にはヘルスチェックの下記の流れをExachkに任せることができます。
概要 | 作業内容 |
---|---|
情報の収集 | 不具合情報や最適な設定をメーカードキュメントから確認 |
現在の設定確認 | 現在のExadataの設定を確認 |
対処方法の検討 | 変更の必要性や変更方法を確認 |
主な使用シーンとしては次の2点が考えられます。
月1回、Exachkを実行することがメーカー推奨とされています。
定期的にExadata全体の健全性を確認することで、システムの安定稼働につなげることができます。
毎月の実行は難しい、という場合は計画的なメンテナンスの前後に実施します。例えば四半期パッチを適用するタイミングです。
レポート最上部に示される「System Health Score」というスコアを参照することで、システム変更の妥当性を確認することができます。
[補足情報]
最新の不具合まで確認したい場合は最新のExachkを使用することがメーカー推奨です。
下記My Oracle Supportのナレッジから入手可能です。
Oracle Exadata Database Machine Exachk (ドキュメントID 1070954.1)
※閲覧にはMy Oracle Supportのアカウントが必要になります。
次のようなコマンドでExachkを実行することができます。
※実行環境はExadata X8M
(root)# /opt/oracle.ahf/exachk/exachk -a -o v
(-aオプションで全てのチェックを実施します
-o vオプションで合格[PASS]したチェックも出力します)
実行途中で情報収集対象のデータベースの選択が求められるので任意の番号を入力します。
List of running databases registered in OCR 1. db01 2. orcl01 3. All of above 4. None of above
数分で実行は完了し、下記ディレクトリにレポートが出力されます。
【出力先】
/u01/app/grid/oracle.ahf/data/<ホスト名>/exachk/user_root/output
【ファイル名】
exachk_<ホスト名>_<データベース名_<日時等>.html
レポートの各評価項目には「CRITICAL」「FAIL」「PASS」などのステータスが付与されます。
「CRITICAL」や「FAIL」の項目は[View]から詳細情報・推奨事項を確認して、対応要否を検討します。
なお、「System Health Score」を100点にしたり、全ての項目を「PASS」にしたりすることが必須ではありません。推奨事項の詳細から[Benefit]や[Risk]も考慮してご検討いただければと思います。
図3の例だと「Message:Database parameter CLUSTER_INTERCONNECTS is not set to the recommended value」ということで、データベースの初期化パラメータの設定を修正するように推奨されています。
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Exadataの管理は難しそうだなと感じるかもしれませんが、今回ご紹介したツールを活用することで運用・管理のハードルが少しでも下がれば幸いです。
Exadataの導入や保守は、実績豊富なアシストへぜひご相談ください。
[実績はこちら]
https://www.ashisuto.co.jp/product/category/database/exadata/case/
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