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Oracle Exadata Exascaleを検証してみた!OCI最新のPaaSサービスの優位性とは?
Exascaleがついに登場!Exadata Exascaleと標準的なPaaSサービスであるOracle Base Database Serviceをコストで比較するのに加え、簡易的なパフォーマンス比較もしながら、Exadata Exascaleの優位性を明らかにしていきます。
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以前の記事で、Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructure(エクサスケール。以下、ExaDB-XSと表記)の小規模利用、スモールスタートが可能、柔軟なスケーリングといった特徴とメリットについて紹介しました。
本記事でも引き続き、ExaDB-XSを利用するメリットをご紹介します。
今回はデータベースのストレージ領域およびI/O削減効果のあるHybrid Columnar Compression(以下、HCC)に焦点を当て、オンプレミスと比較した際のコスト優位性をご紹介します。
Index
HCCとはOracle Exadataなどで利用できる、オラクル独自の圧縮技術です。HCCには以下の特徴があります。
HCCはOracle Exadataの他に、Oracle ZFS Storage ApplianceやOracle Database Applianceなどで利用することができます。
HCCは、圧縮単位Compression Unit(以下、CU)という単位で圧縮されます。CUは複数ブロックにまたがって構成されます。圧縮は列ごとに行われるため、データの重複を効率的に削減しながら圧縮することができ、その結果として高い圧縮率を実現できます。
高い圧縮率によるストレージコストの削減に加えて、圧縮された特定の列を読み込むことによるI/O性能の向上がHCCの特徴です。
また、Oracle Exadataの機能であるSmart Scan(※)と組み合わせて利用することで、圧縮したままデータを扱うことが可能です。
HCCには以下の4つの圧縮レベルがあり、用途に合わせて選択できます。
圧縮レベル | CPU 負荷 |
説明 | 対象例 |
---|---|---|---|
Query Low | 低 | 圧縮率は一番低い。 クエリ実行時に発生する圧縮・展開のCPU処理を優先した圧縮レベル。 |
頻繁にアクセスされるようなデータ (当日売上のデータなど) |
Query High | 中 | 圧縮レベルの中で性能と圧縮率のバランスが取れた圧縮レベル。 | 一定の期間にアクセスされるようなデータ (月次や四半期分析のデータなど) |
Archive Low | 高 | 圧縮率に優れた圧縮レベル。 ほとんど参照されないような表に適している。 |
長期保存を目的に保存されたデータ (数年前のログやトランザクション履歴など) |
Archive High | 高 | 圧縮率が最も優れた圧縮レベル。 まったく参照されないような保存データが適している。 |
法的な保存要件で保存されたデータ (数年前のログやトランザクション履歴など) |
これら4つの圧縮レベルを見ると、圧縮率が高くなればなるほど、CPUの負荷も大きくなります。Archive LowとArchive Highの圧縮レベルはストレージ削減を重視した圧縮レベルです。これらの圧縮レベルを使用する表やパーティションでは、更新処理時には圧縮されたデータの展開処理によるCPUの負荷が高くなり、データベースの性能に大きく影響します。
次は、前述の内容も踏まえてHCCの利用に適したケースをご紹介します。
圧縮単位と圧縮レベルの項目で述べたとおり、以下のような特徴を持つケースがHCCの活用に向いています。
HCCで圧縮したデータに対して、Oracle Exadata固有の機能であるSmart Scanを直接利用できます。その結果、ストレージコストとI/Oの削減を同時に実現できます。つまり、HCCとSmart Scanを同時に利用できるOracle Exadata上で稼働しているワークロードが適しています。
これにはOracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)上のExadata Database Service on Dedicated Infrastructure(以下、ExaDB-D)やExaDB-XSも含まれます。
圧縮レベルの説明でも触れたように、圧縮率が高くなるにつれて、データ更新時に圧縮されたデータの展開処理が発生し、CPU負荷が相対的に高くなります。このため、更新処理が少なく、主に保存や読み取りが中心となるワークロードがHCC圧縮方式の採用に適しています。
ここまで、HCCの機能と適するワークロードをご紹介しました。
最後に、ストレージコストが削減できるという、クラウド環境でHCCを利用する大きなメリットをご紹介します。
このメリットの恩恵を最も受けることができるサービスが、ExaDB-XSです。
ExaDB-XSは共有インフラストラクチャであり、クラウド環境で最も低コストでExadataのインフラストラクチャを利用できます。また、ExaDB-XSのストレージはGB単位の従量課金制(※)です。そのため、筐体を購入するオンプレミス環境やストレージサーバーを専有するExaDB-D環境と比べて、データ圧縮によるストレージ容量の大幅な削減によってコストメリットが得られます。以下がそれぞれのストレージの課金体系と特徴です。
環境 | ストレージサイズ | 課金体系 | 特徴 |
---|---|---|---|
Exadata
・X11M ・Quarter ・HCモデル |
396TB~ | 定額 | ストレージの利用状況に関わらず
定額のストレージコストが発生。 |
ExaDB-D
・X11M ・最小構成 |
240TB~ | ||
ExaDB-XS | 300GB~ | 従量
(GB単位) |
利用GB単位の従量課金制。利用した分だけが課金されるため、 初期コストが極めて少なく、 スモールスタートと必要に応じた拡張が可能。 |
その他にも、ストレージのスケーリングや運用管理の面でもExaDB-XSを利用するメリットがあるといえます。
本記事ではHCCによる高度な圧縮機能をご紹介しました。
あわせて、オンプレミスのExadata環境やExaDB-Dと比較して、ExaDB-XSならではの優位性があることをご紹介しました。
次回はExaDB-XSのスケーリングに焦点を当て、ストレージを含めた各HWリソースのオンラインスケーリング操作と検証結果をご紹介予定です。
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