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ダウンタイムなしで実現するOracle Exadata Exascaleのオンラインスケーリング~リソースの拡張性を検証してみた
本記事ではExaDB-XSのスケーリングに焦点を当て、ストレージを含めた各ハードウェアリソースのオンラインスケーリング操作と検証結果をご紹介します。
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OCI上で複数のコンピュート・インスタンスから同一ストレージを読み書きしたいといったニーズが多く、弊社サポートセンターに頻繁にお問い合わせをいただくご質問のひとつです。
OCIには様々なストレージが提供されていますので、それぞれのストレージについて、複数のコンピュート・インスタンスからマウントできるかどうかという観点で見ていきます。
Index
OCIで提供されているストレージサービスは、以下の4種類です。
それぞれのストレージについて、概要と複数のコンピュート・インスタンスからマウント可能かを記載します。
ブロック・ストレージは、コンピュート・インスタンスにiSCSIまたは準仮想化接続で接続するストレージです。
ブロック・ストレージに対してパーティションを作成し、ファイルシステムを作成し、マウントして利用します。
複数のインスタンスから同一ストレージをマウントするには、別途クラスタ・ファイルシステムが必要です。
※2025年6月にはブロック・ストレージに「SCSI Persistent Reservation」機能が追加されました。
この機能を利用すれば複数のインスタンスから同じボリュームを同時にマウントできるように思われがちです。しかし実際には、公式ドキュメントに記載されている通り、同時マウントを行うには別途クラスタ・ファイルシステムを利用する必要があります。詳細は「制限事項および考慮事項」をご参照ください。
ファイル・ストレージは、コンピュート・インスタンスからNFSv3で接続するストレージです。
LinuxインスタンスからのNFSマウントは、Linuxの標準機能で利用可能です。
WindowsインスタンスからNFSマウントする場合は、NFS-Clientを有効化することで利用可能になります。
NFSで利用するストレージであるため、複数のインスタンスから同一ストレージを同時にマウントすることが可能です。
ファイル・ストレージ with Lustreは、AI/MLのトレーニングと推論、および高パフォーマンス・コンピューティング(HPC)のニーズを満たすように設計されたフルマネージド・ストレージ・サービスです。
Lustreクライアントを介してマウントすることで、複数のインスタンスから同一ストレージの利用が可能です。
オブジェクト・ストレージとアーカイブ・ストレージ(以降、オブジェクト・ストレージ)は、低コストで無制限のデータを保存可能なストレージです。
コンピュート・インスタンスからs3fs-fuse、Rclone mountなどのようなツールを用いてマウントすることができます。
複数のインスタンスから同一バケットを同時にマウントすることはできますが、同一ファイルに対して複数インスタンスから更新するとファイルの整合性が取れなくなります。
つまり、実質同時マウントの利用はできません。
OCIの各種ストレージにおける複数インスタンスから同時マウントの可否について、以下にまとめます。
OCIストレージ | 複数インスタンスからの同時マウント | 補足 |
ブロック・ストレージ | △ | 別途クラスタ・ファイルシステムが必要 |
ファイル・ストレージ | ◯ | NFSマウントして利用 |
ファイル・ストレージ with Lustre | ◯ | Lustreクライアントでマウントして利用 |
オブジェクト・ストレージ | × |
OCIで提供されている4つのストレージについて、複数インスタンスからの同時利用するという観点で見てきました。
複数インスタンスからの同時マウントを手軽に実現できるのは、インスタンス側のOS標準機能で実装できるという観点でファイル・ストレージです。
その他のブロック・ストレージやファイル・ストレージ with Lustreの場合は、別途ソフトウェアが必要になり、様々な要件をクリアする必要があるという観点で難易度が高いと言えるでしょう。
いずれにおいても、ストレージ利用の要件に応じて正しいストレージ選択をご検討ください。
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学生時代に研究室のSunワークステーションの管理者になったのをきっかけにSIerに就職。
Linux系インフラエンジニアの道を歩みながら,Oracle RACのクラスタリング技術に衝撃を受けてアシストに転職。
Oracle、InfiniDB、Verticaを経て、現在はAWS、Oracle Cloudを担当。
趣味はピアノと筋トレ。...show more
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