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【Oracle DB 23ai】DB運用を変える!TLS 1.3とウォレットレスTLSが拓くセキュア通信の次世代標準
Oracle Database 23aiでTCPS通信を刷新!より安全なTLS 1.3をサポートし、クライアントウォレット不要の一方向TLSも実装。大規模システムでのセキュア通信導入・運用コストを劇的に削減する方法を解説します。
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2024年5月のアップデートで、Computeインスタンスを再作成せずにブートボリュームをリストアできるように、ブートボリューム置き換えの機能が追加されました。
これにより、従来のリストア方法よりも手順が少なくなり、障害発生時にも迅速な復旧が可能になりました。
本記事では、従来のリストア手順との違いやブートボリューム置き換えの具体的な手順をご紹介します。
Index
以下の表は、従来のリストア手順とブートボリューム置き換え手順での必要ステップを比較したものです。どちらもプライベートIPアドレスやパブリックIPアドレスが既存インスタンスと同じ値になるようにします。
| No. | ステップ | Computeインスタンス 再作成 |
ブートボリューム 置き換え |
|---|---|---|---|
| 1. | ブートボリュームバックアップ取得 | 必要 | 必要 |
| 2. | ブートボリュームバックアップのリストア (ブートボリュームのバックアップからブートボリュームを作成) |
必要 | 必要 |
| 3. | 既存インスタンスのブートボリュームの置き換え | 不要 | 必要 |
| 4. | 既存のComputeインスタンスの終了(削除) | 必要 | 不要 |
| 5. | 新規Computeインスタンスの作成 | 必要 | 不要 |
| 6. | 同一プライベートIPアドレスの割り当て |
必要
※以下いずれかを実施 ・新規Computeインスタンス作成時に同一プライベートIPアドレスを指定する。 ・セカンダリプライベートIPアドレスに既存インスタンスのプライベートIPを割り当てる。 |
不要 |
| 7. | 同一パブリックIPアドレスの割り当て |
必要
※既存のComputeインスタンスで予約済IPアドレスを使用していた場合のみ可能。 |
不要 |
上記の表で分かるとおり、ブートボリューム置き換えの場合、既存Computeインスタンス再作成の作業や同一IPアドレス使用のための作業が不要となるため、手順が大きく簡略化されます。
このようにメリットの大きいブートボリューム置き換えの機能について、ここから具体的な方法をご紹介します。
OCIコンソールから、既存インスタンスにアタッチされているブートボリュームのバックアップを取得します。
※障害復旧を目的としてブートボリュームの置き換えを行う場合は、事前に取得している正常時のバックアップを使用するため、本手順をスキップして次の手順に進みます。
OCIコンソールのメニューから、「コンピュート > インスタンス」でインスタンスの一覧を表示し、既存インスタンスを選択します。
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“リソース”から「ブート・ボリューム」を選択し、アタッチされているブートボリュームを選択します。
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“リソース”から「ブート・ボリューム・バックアップ」を選択し、「ブート・ボリュームのバックアップの作成」をクリックします。
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「名前」に任意の値を入力し、「バックアップ・タイプ」で「完全バックアップ」か「増分バックアップ」のどちらかを選択(本記事では「完全バックアップ」を選択)し、「ブート・ボリュームのバックアップの作成」をクリックします。
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OCIコンソールから、ブートボリュームのバックアップをリストアします。
OCIコンソールのブートボリュームバックアップのページで、「ブート・ボリュームのリストア」をクリックします。
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「名前」に任意の値を入力し、「ブート・ボリュームのリストア」をクリックします。
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OCIコンソールのメニューから、「コンピュート > インスタンス」でインスタンスの一覧を表示し、既存インスタンスを選択します。
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既存インスタンスのページで、「その他のアクション」から「ブート・ボリュームの置換え」をクリックします。
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各項目を選択し、「保存」をクリックします。
・「ブート・ボリュームを保持」の有効/無効を選択
・「置換」で「ブート・ボリューム」を選択
・「ブート・ボリュームの適用方法」で「リストから選択」を選択
・「ブート・ボリュームの選択」で事前にバックアップからリストアしたブートボリュームを選択
※「ブート・ボリュームを保持」を有効にした場合、ブートボリュームの置き換えが完了しても既存のブートボリュームを保持します。
※「ブート・ボリュームを保持」を無効にした場合、ブートボリュームの置き換えが完了したときに既存のブートボリュームを終了(削除)します。
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本記事執筆にあたり弊社でテストを実施した際は、数分程度で完了しました。
記事執筆時点(2024年8月)では、ブートボリュームの置き換えには主に以下の制限事項があります。
・サポートされているのはLinux系OSとそのイメージのみであり、Windows OSやマーケットプレイスのイメージはサポートされていません。
・置き換え可能なのは同じLinuxディストリビューションを使用するブロックボリュームおよびイメージのみのため、例えばOracle LinuxからUbuntuに変更することはできません。
その他、詳細についてはこちらのマニュアル(オラクル社のサイトに移動します)で確認できます。
ブートボリュームの置き換えのときに、インスタンスが自動で再起動されます。
そのため、インスタンスに接続中のSSH接続などは切断されることに注意してください。
ブートボリュームの置き換え時に何らかの問題が発生した場合は、OCIが自動的に元の状態へのロールバックを試みます。
本記事ではリストアしたブートボリュームを指定して置き換えを行っています。
イメージを使用して置き換えを行った場合は、生成された新しいブートボリュームがロールバックにより自動削除されるなど、ブートボリュームの置き換えを行うにあたって選択した項目によってロールバックの動作が一部異なることに注意してください。
詳細についてはこちらのマニュアル(オラクル社のサイトに移動します)で確認できます。
本記事ではインスタンスを再作成せずにブートボリュームをリストアする、ブートボリュームの置き換え機能という新機能をご紹介しました。
万が一の障害に備えるために、本記事がお役に立てれば幸いです。
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2008年度アシストに入社後、Oracle WebLogic ServerやOracle HTTP Serverを中心にサポートエンジニアとして活動しており、これまでに4,000件以上の問い合わせを対応。
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