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Oracle Cloud VMware SolutionでのVMware HCX環境構築手順(後編)
前回の記事でOCVS)でHCXを利用するための前提となる手順の前半をお伝えしました。本記事では後続の手順であるサービスメッシュ作成・L2延伸手順を記載し、仮想マシンを移行できる状態、つまりHCX環境の構築完了までを説明します。
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前バージョンEMCC 13cのリリースから9年。
「機能」「デザイン」共に大きく変貌を遂げた新バージョン、Oracle Enterprise Manager Cloud Control(以下、EMCC)24aiが2024年12月18日にリリースされました!
監視できるデータベースは?サポート期間は?インストール方法は?など、気になるポイントをお伝えします。
EMCCは、Webベースシステム管理ツールであり、使いやすいユーザーインタフェースを備えたシステム管理ツールとして一般的に広く利用されています。
データベースやアプリケーションの監視、管理、システムの問題検知から原因分析、アラートの設定、パフォーマンスの分析、リソースの管理など幅広く対応し一元管理できるソリューションです。
名称に「Cloud」と入っていますが、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)固有の機能という訳ではなくオンプレミス環境にも導入可能な製品であり、Oracle ExadataやOracle Database Appliance上のデータベースも管理対象にすることができます。
EMCCを利用するためのライセンスについてご説明します。EMCCの利用にあたり、EMCC自体のライセンス購入は不要です。
EMCCで利用するリポジトリデータベースはOracle Database Enterprise Editionで構築しますが、EMCCのリポジトリデータベースとしての利用の範囲であれば、無償でEnterprise Editionを利用可能です。
EMCCで利用可能な機能は監視対象側のライセンスの種類に依存します。つまり、監視対象によって操作可能な範囲が異なります。Oracle DatabaseのStandard EditionとEnterprise Editionのデータベースを監視対象にする場合、それぞれ操作可能な範囲が異なります。
EMCC 24aiで追加された機能のうち特に大きなトピックとして「リモートエージェント」と「ゼロダウンタイムモニタリング」をご紹介します。
従来のリリースでは、監視対象ターゲットのホストごとに1つのエージェントをローカルのホストにインストールする「スタンドアロンエージェント(ローカルエージェント)」という構成のみが提供されていました。
多くのホストにソフトウェアが分散しているお客様は、ホストの数だけエージェントをインストールすることになり、時間の経過とともにこれらすべてのエージェントのパッチ適用や設定変更管理が大きな運用コストになります。
EMCC 24aiからは、監視対象ターゲットのホストの数に関わらず、1つのエージェントを代表となるホスト(リモートエージェントホスト)にインストールする「リモートエージェント」という構成が実装されました。
これにより、エージェントのパッチ適用や設定変更管理の運用コストが削減できます。
また、リモートエージェントをインストールしているホストが停止した場合に備えて、リモートエージェントを複数のホストに作成することも可能です。
従来のリリースでは、EMCCのコンソール操作と監視機能は1つのWebLogicコンテナにより管理サービス(OMS)として提供されていました。
そのため、EMCC(OMS) にパッチ適用を行う場合、適用中はコンソール操作および監視機能が利用できないため、ダウンタイムが発生していました。
EMCC 24aiからは、コンソール操作は従来のWebLogicコンテナ、監視機能はゼロダウンタイム(ZDT)WebLogicコンテナに分離されました。
ゼロダウンタイム(ZDT)WebLogicコンテナが追加されたことで、EMCC(OMS)のパッチ適用中はWebLogicコンテナで提供されているコンソール操作は行えませんが、ゼロダウンタイムWebLogicコンテナにより引き続き監視機能が利用できるようになりました。
具体的には、ゼロダウンタイムWebLogicコンテナはすべてのイベント管理、インシデント管理、および通知機能の処理を担当します。
詳細は、『Oracle Enterprise Managerモニタリングガイド』の「ゼロ ダウンタイム モニタリング」を参照してください。(オラクル社のサイトに移動します)
※その他、EMCC 24ai の新機能一覧はこちらよりご参照いただけます。(オラクル社のサイトに移動します)
EMCC 24aiに対応するエージェントは24.1と13.5の2種類があり、それぞれで動作保証される監視ターゲットのOracle Databaseのバージョンが異なります。
エージェントバージョン | 監視ターゲットのOracle Databaseのバージョン |
エージェント 24.1 | 23.0.0.0.0 21.0.0.0.0 19.3.0.0.0 - Long Term Release (※1) |
エージェント 13.5 | 21.0.0.0.0 19.0.0.0.0 18.0.0.0.0 12.2.0.1.0 12.1.0.2.0 11.2.0.4.0 |
※1 Agent 24.1では19.3以降の19c(Long Term Release)が動作保証されます。
EMCC 24aiは2024年12月にリリースされ、Premier Support期間は「2027年12月末まで」とされています。
※2025年1月末時点ではPremire Support期間中のバージョンは24aiのみです。
リリース | 提供開始 | Premire Support | Extended Support | Sustaining Support |
EMCC 13c | 2015年12月 | 2023年12月末まで | 2026年12月末まで | 不定 |
EMCC 24ai | 2024年12月 | 2027年12月末まで | 2029年12月末まで | 不定 |
オラクル製品のサポート期間一覧の資料はこちらよりご参照いただけます。(オラクル社のサイトに移動します)
インストール方法は従来のEMCC 13cから大きな変更点はありません。
インストールマニュアルと動作保証されるOS、リポジトリデータベースをご紹介します。
■英語版
Oracle Enterprise Manager 24.1 Installation and Upgrade(オラクル社のサイトに移動します)
■日本語版
2025年1月末時点で公開されているマニュアルは英語版のみです。
今後、日本語版が作成されましたら、以下のリンクより確認可能です。
Oracle Enterprise Manager ドキュメント(オラクル社のサイトに移動します)
EMCC 13c(13.5)に比べ、EMCC 24ai(24.1)では対応OSのバージョンが絞られています。
EMCC 24aiの利用をご検討の際は対応OSの種類にご注意ください。
OS | EMCC 13.5 | EMCC 24.1 |
IBM AIX on POWER Systems 64-bit | 7.3 7.2 7.1 |
7.3 7.2 |
Linux x86-64 | SLES 15 SLES 12 SLES 11 Red Hat Enterprise Linux 9 Red Hat Enterprise Linux 8 Red Hat Enterprise Linux 7 Red Hat Enterprise Linux 6.6 以上 Oracle Linux 9 Oracle Linux 8.x Oracle Linux 7 Oracle Linux 6.6 以上 |
SLES 15 SLES 12 Red Hat Enterprise Linux 9 Red Hat Enterprise Linux 8 Red Hat Enterprise Linux 7 Oracle Linux 9 Oracle Linux 8.x Oracle Linux 7.4 以上 |
Microsoft Windows | 2022 2019 2016 2012 R2 |
2022 2019 2016 |
Oracle Solaris on SPARC | 11.4 11.3 |
11.4 |
Oracle Solaris on x86-64 | 11.4 11.3 |
N/A |
対応リポジトリデータベースについて、EMCC 24aiの場合は19.22以上を利用する必要があります。既知の不具合を未然に回避するために基本的には最新のバージョンを利用することがオラクル社により推奨されています。
データベース | EMCC 13.5 | EMCC 24.1 |
Oracle Database | 19.0.0.0.0 以上 | 19.22.0.0.0 以上 |
EMCC関連の支援としてご提供しているメニューをご紹介します。
Oracle Enterprise Manager Cloud Control および Management Agent のインストールを行います。
オンプレミス環境への導入はもちろんOCIを含むクラウド環境へのインストールにも対応しています。
また、弊社の豊富な対応実績を基に、導入時にあらかじめ実施しておくべき不具合対応も併せて行っているため、より安定した運用が行えます。
Oracle Databaseの死活監視やエラーログ、領域等の監視に関するEMCCの設計と実装を行います。
※前提条件として、監視対象ターゲットにはDiagnostics Packオプションが必要です。
監視項目は、 Oracle Enterprise Mangerが提供する監視項目テンプレートを利用し弊社推奨の設定にカスタマイズします。
Oracle Databaseの管理を中心にEMCCの基本的な操作方法をハンズオンを含めてご説明します。
・EMCCの構成
・EMCCの基本操作方法
・EMCCによるデータベース管理操作方法
・ターゲットの追加方法
・監視設定方法
EMCC 24aiでは今回ご紹介した新機能の他にも、新しいナビゲーションメニュー、パフォーマンスハブの自動データベース診断モニター(ADDM)タブの追加など多数の機能追加や改善がされています。同時に、Oracle HTTP Server(OHS)が廃止されAPI Gatawayでの管理に置き換わる等の変更も行われています。
Oracle Dataabse環境の監視ツールにEMCCをお考えのお客様、導入実績豊富な当社にお気軽にご相談ください。
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2014年入社以降、Oracle Databaseのサポート対応を担当。
Enterprise ManagerやOracle Cloudを中心に担当しており、最近はフィールド技術と二足の草鞋で活躍中。...show more
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文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
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