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  • Snowflake
2025.04.25

スクラムと共創がもたらすデータ活用基盤構築の未来を語る! - データファブリック構想進め方の舞台裏 -

スクラムと共創がもたらすデータ活用基盤構築の未来を語る! - データファブリック構想進め方の舞台裏 -

Trust Base(トラストベース)様は、三井住友トラスト・ホールディングスの金融DX推進企業で、三井住友信託銀行をはじめグループのデジタル戦略を担っています。アシストからSnowflakeをご導入いただき、データファブリック構想を実現するためのプロフェッショナル支援サービスも同時にご利用いただきました。

銀行という、ガバナンスの遵守に関わるようなデータを扱う Trust Base様にデータファブリック構想を実現するデータ活用基盤構築の進め方について、一緒に構築をしているアシスト社員とともに語っていただきました。

三井住友信託銀行 株式会社 デジタル企画部 主任調査役

Trust Base 株式会社 ゼネラルマネージャー 山下 祐介
三井住友信託銀行 株式会社 デジタル企画部 調査役

Trust Base 株式会社 シニアマネージャー 中村 大輔
株式会社 アシスト 熊谷 一誠
株式会社 アシスト スクラムマスター 川喜田 秀夫

Snowflakeのご提案・販売について

アシストは2023年5月から、Snowflakeの販売を開始しています。
2025年3月には、販売実績とカスタマーサクセスが評価され、Snowflake社の販売パートナーランクが
Premierに変更となりました。
アシスト、SnowflakeのAIデータクラウド・サービスパートナー 「PREMIER」の認定を取得

Snowflakeご利用時のプロフェッショナル支援サービスついて

アシストでは、Snowflake構築に関わるご支援サービスを提供しております。
Snowflakeの構築支援や、Snowflakeを中核としたデータ活用基盤の企画や構想、設計、構築、活用までをカバーし、どのフェーズにおいてもお客様をご支援できるよう幅広いサービスを提供しています。



Snowflake導入で目指す世界とデータファブリック構想

- Trust Base社が掲げるデータファブリック構想とはどのようなものですか?

中村 氏

データファブリック構想ではデータの利活用を推進していきますが、データの管理、データの保護も同じように大事であるという考えを持っています。
「攻め」としてデータ利活用、「守り」としてデータ保護、「土台」としてデータ管理 の要素があり、正三角形の各辺を底辺とした三角形で成り立つイメージです。

データファブリック構想の実現イメージ

中村 氏

データファブリック基盤では三井住友トラストグループ各社がデータ分析基盤を活用してほしいと思っていますし、活用対象となるデータも各企業や各グループが持っているデータだけではなく、Web上にあるデータ、3rdパーティが提供する有償データなど幅広いデータをソースとして考えています。

各グループ会社がセキュアに自分たちだけのデータを扱える領域があり、また中心には各グループ会社が共有してもいいデータを集めて、新しいデータと自分たちのデータを組み合わせて新たなインサイトを見つけてほしい、といった基盤になっています。

これらの基盤はSnowflakeを中心としたデータファブリックを考えています。

各社が基盤を活用してセキュアにデータの連携と可視化を行ってほしいですし、データファブリック基盤として提供するUIを通じて新しいデータを可視化して分析を進めていく世界観として描いて行きたいと思っています。


スクラムでのプロジェクト推進

- プロジェクトにはどのように取り組まれていますか?

山下 氏

Trust Baseでは会社として2年ほど前から社内のプロジェクトをスクラムアジャイル開発で取り組むルールになっています。お手本どおりにうまく進められているという感触です。

全プロジェクトをスクラムで回されているんですか?

熊谷
山下 氏

はい。

全案件をスクラムで進めているお客様はなかなかいらっしゃらないです。DX会社ならではの気概ですね!

川喜田さん、アシストのスクラムへの取り組みはいかがでしょうか?

熊谷

アシストでもここ数年でチャレンジしています。今は3つの取り組みをしています。

① 所属部署18名全員が認定スクラムマスターを取得しており、アジャイル開発手法を実施
② お客様向け支援でもアジャイル開発手法を実施
③ アシスト社内のSAPの基幹システムやSalesforceの開発でもスクラムで開発を実施中

川喜田

川喜田さんもスクラムマスターを取得していますよね。

アシストが取り扱う製品もSaaS製品が増えてきたので、アジャイル、スクラムと相性がよく、社内で推進しています。

熊谷

- どのようなプロジェクト体制で進めていますか?

中村 氏

スクラムは、全体統括を山下、プロダクトオーナー 中村、スクラムマスター アシスト 川喜田、Snowflake、Tableauのエンジニア2名ずつ 計7人の体制でやっています。

割と小規模なプロジェクトということですね。

熊谷

- 日々のプロジェクトの進め方を教えてください

まずは、プロジェクトへの認識を合わせるため、Trust Base様とアシストと一緒にインセプションデッキを作成しました。ブループリントを一人一人持ち寄って議論をし、根幹を決めました。
プロジェクトをメンバーで一体感を持って進めるために決めています。

川喜田

実際に決まったプロジェクトの根幹

「SuMiHD競争優位性の確立に向けた新ビジネスの創出を目指し、グループ各社の垣根を超えたデータ統合と利活用を実現するプラットフォームをアジリティをもって構築する」

私も参加しましたが、熱く議論しましたよね。

熊谷

日々の進め方としては、スプリントを2週間単位で実施しています。

川喜田

スプリントの進め方

スプリントプランニング 2週間何をするのか?議論して決める
デイリースクラム 日々の進捗確認を実施
バックログリファイメント ・計画の見直し
・今後の方針決める
スプリントレビュー ・成果発表会
・みんなでねぎらう
・リアクションをする
レトロスペクティブ KPT法、セイルボードを使って振り返りをしている

スクラムで定義しているイベントを実直に実施しているのですね。
やることがつまっているという印象ですが、普段のコミュニケーションやうまく進めるために使っているツールはありますか?

熊谷

- 普段のコミュニケーションはどうやっていますか?

中村 氏

色々なツールを使ってコミュニケーションを取っています。

Teams リモート会議、ドキュメント管理、チャットのコミュニケーションツール
タスク管理 専用ツール、Sprintタスク管理、バックログ管理
(Trust Base全社で利用)
バーンダウンチャート デイリースクラムのなかで日々の進捗確認、理想線との乖離確認

- プロジェクトがうまくいっていること、工夫していることを教えてください

中村 氏

前職でSEをしていた際に、ベンダーとお客様が同じ方向を向いて進めるのが簡単なようで難しいことを感じていたのですが、今回アシストさんとはチームメイトとして日々同じ方向を向いてできていることが良い影響を及ぼしていると思います。

アシストをチームメイトと言っていただけるのは、とてもありがたいです!
Trust Base様とアシストがチームとして機能できているということでしょうか?

熊谷
中村 氏

はい。
私や山下は前職がSEだったのこともあって進め方の理解があったのもよかったのかなと感じています。

ベンダーの立場として、スクラムマスターとして、川喜田さんはどう感じられますか?

熊谷

一般的には私たちベンダーはお客様と対等な立場で会話ができないことが多いと感じますが、このプロジェクトのメンバーは決めるときにはベンダー任せではなく「みんなで決めましょう!」とまず言ってくれるのがありがたいです。

このプロジェクトで一番いいことは何だろう?ということを全員できちんと考えられていると感じています。

次にどんなことをしたらいいのかをリーダーや誰かが決めてくれるというスタンスではなく、メンバー1人1人が決めるという自覚を持って進められているのが、うまくいっているポイントと思っています。

川喜田

いい話ですね。1人1人が自分事として捉え、前向きに取り組まれているのですね。
そのようにできているのは何故でしょうか?

熊谷
山下 氏

我々の背景として前職でシステム開発経験があったのは一つあると思います。

プラスこのスクラムチームのファシリテートを担うスクラムマスターが肝要であるため、川喜田さんがうまく回してくれているので感謝しています。

そうはいっても、決めたことを推進していけることも重要で、開発メンバーもスプリントで成果を出してくれています。これらがスクラムがうまく回っている要因になっていると思います。

それぞれの役割を責任を持ちながらパフォーマンスを出せているんですね。
川喜田さんには嬉しいコメントがありましたね。
スクラムマスターとしてうまく回すために工夫していることはありますか?

熊谷

スクラムでは「楽しむ」ことを大切にしています。メンバーがどうすれば楽しく仕事ができるかを常に考えています。振り返りのミーティング(レトロスペクティブ)では、うまくいかなかったことをお互いにきちんと言い合える関係が重要です。そのため、誰もが安心して意見を言える環境を作るために、「Good&New」という活動を行っています。これにより、お互いを理解し、本音で話し合える関係が築けていると感じています。

個人的にはみんなで「楽しむ」ことを意識して進められているところがうまくいっているのかなと思っています。

川喜田

振り返りでお互い指摘し合いになったりはしていないですか?

熊谷

一同:笑い

中村 氏

(笑)なっていないと思っていますし、ならないように意識することも重要なのかなと思います。
一つのものを作っていくチームとしてどうあるべきかを議論し合えることが大事と考えています。

目的をしっかり共有する、チームとしての一体感、心理的安全性をそれぞれが意識してうまくいってるんですね。
それ以外でうまくいっていることはありますか?

熊谷
山下 氏

熊谷さんはどうですか?

…ちょっと待ってくださいね。振られると思ってなかった(笑)

SaaS製品であれば、当初はSnowflakeやTableauのユースケースに含まれていない機能も、数ヵ月のうちに拡張されることがあります。そのため、新しい機能が使えるようになると、すぐにディスカッションして、意思決定をして、すぐに修正できるスピード感がスクラムの強みだと思っています。スクラムとSaaSは相性がいいと感じています。

熊谷
山下 氏

ウォーターフォールで開発する場合、新しい製品が出たり、機能が変わりましたというときに、仕様変更を受け付けません、ということもあり得ます。それでは成り立たないと思います。
SaaS製品を使うのであればアジャイル開発はセットになってくるのではないでしょうか。


- 今後の展望について教えてください。

山下 氏

引き続きスクラムとプロジェクトを推進していきます。
リリースは少し先ですが、リリース後のみではなくリリース前にもDevSecOpsの観点を取り入れながら、銀行向けサービスなのでガバナンスを効かせつつ、ユースケースの拡大を図っていくことを考えています。

SaaS製品なので、定期的なアップデートに対してアジャイルスクラムを活用して迅速に対応したいです。

アシストもTrust Base様のスピード感についていけるようにしっかりご支援していきます。

熊谷

アシストではTrust Base様と同じ立場に立ち、同じ目線で「何がよいのか」を一緒に考え、データ活用基盤の構築をご支援しています。
Snowflakeを中枢としたデータ活用基盤構築のご支援はもちろん、データを活用するための基盤検討、企画、データの活用推進まで、どこのフェーズにおいてもお客様と同じ立場に立って伴走させていただきます!

・データ活用基盤について興味がある
・スクラムによる開発に興味がある

このような方は、アシストにおけるご支援の実績や事例もございますので、ぜひお問い合わせください。

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弊社ではお客様のご要件や目指したいゴールに合わせて、Snowflakeの最適な活用方法をご支援し、伴走いたします。Snowflakeの導入をお考えのお客様は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。以下のページより30日間の無料トライアルを開始いただけます。


執筆者・シリーズ情報

西尾由美 プロフィール画像

2003年入社。データベース技術者としてOracleのフィールドエンジニアを担当。その後BI、データ活用分野、顧客担当のエンジニアを経験後、Snowflake のマーケティングを担当。...show more


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