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【徹底解説】CI/CDとは?CI/CDパイプラインやCI/CDツールについてイチから解説

  • #CI/CD

2025.08.01

【徹底解説】CI/CDとは?CI/CDパイプラインやCI/CDツールについてイチから解説

CI/CDとは?開発スピードと品質を両立する鍵

CI/CDとは、ソフトウェア開発におけるビルド・テスト・リリースといった工程を自動化し、変更をすぐに本番環境に届けられる状態を維持する手法です。

CI(継続的インテグレーション)とCD(継続的デリバリー)の2つの要素から構成され、開発のスピードと品質を両立させる重要な仕組みです。
※CDを「継続的デプロイ」と解釈する場合もあります。

CI(継続的インテグレーション)とは

CI(継続的インテグレーション)は、開発中のコードを頻繁に統合(インテグレート)し、ビルドやテストを自動で実行する手法です。

ソフトウェア開発では、複数の開発者が同時に作業を進めることが一般的です。そのため、個々の変更を後からまとめてテストすると、不具合の発見が遅れたり、どこに問題があるのか特定しにくくなったりします。特に、大量のコードを一度に統合すると、調査や修正に多くの時間がかかることがあります。

CIを導入することで、コードの変更ごとにビルドとテストが即座に行われるため、問題の早期発見と修正が可能です。これにより、手戻りを減らし、結果的に開発スピードと品質の向上が期待できます。

CD(継続的デリバリー)とは

CD(継続的デリバリー)は、テストを通過したソフトウェアを、いつでも本番環境にリリースできる状態に保つ手法です。
本番リリースに向けたプロセス(環境構築、デプロイ、最終確認など)を自動化することで、人手によるミスや遅延を減らし、信頼性の高いリリースが可能になります。

CIと組み合わせることで、コードの変更から本番反映までの一連の流れが効率化されます。


全体像

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CI/CDパイプラインで、開発〜リリースまでの工程を自動化

CI/CDパイプラインとは、ソフトウェア開発におけるビルド、テスト、デプロイといった工程を一連の流れとしてツールで自動化する仕組みです。
コードの変更をトリガーに、後続の各工程が自動的に実行され、手作業によるミスや時間のロスを減らすことができます。

たとえば以下のようなツール群によって構成されます。
・ソースコード管理(例:GitHub、GitLab)
・ビルド・テスト自動化(例:Jenkins、GitHub Actions)
・デプロイ自動化(例:Argo CD、Spinnaker)


なぜ「パイプライン」として設計することが重要なのか?

CIやCDを部分的に導入している状態は、例えるなら、「一部の工程にだけ電動工具や自動検査機を導入しているけれど、ベルトコンベアがない工場」のようなイメージです。

もちろん、「コードの品質チェックを自動で実施して、初期のバグを減らす」「デプロイ作業を自動化して運用の負担やミスを減らす」というスポット的な効果は期待できます。
しかし、これらは“点”での改善にとどまります。工程の合間に人の作業や手順確認がはいると、待ち時間の発生やミスが起きるリスクは残ります。

「パイプライン」ではないことによる課題

  • 「テストは自動化されているけど、リリースは相変わらず週1回の手作業」
  • 「ビルドは自動だけど、どのタイミングでデプロイするかは毎回判断が必要」
  • 「エラーが出ても通知がバラバラで、全体の流れが見えにくい」

開発からリリースまでのリードタイムを本質的に短縮するには、工程ごとの自動化だけでなく、それらをつなぐ流れ全体をパイプラインとして設計・実装することが重要です。


2025年のCI/CDを取り巻く最新動向

2025年現在、CI/CDを実現する技術や手法はさらなる進化を遂げています。
以下にいくつか例をご紹介します。

​1. GitOpsの採用が進む

Infrastructure as Code(IaC) + Kubernetes が普及し、アプリケーションだけでなく構成管理・デプロイをGitで一元管理する「GitOps」の手法が主流になりつつあります。

2. DevSecOpsの実装が一般化

「開発(Dev)+運用(Ops)」にセキュリティ(Sec)を統合する流れが加速し、CI/CDパイプライン内にセキュリティ検査(脆弱性スキャン、シークレット検出など)を組み込む取り組みが標準化しています。

3. 開発工程におけるAI活用

コード変更の影響範囲を分析し、AIが適切なテストケースを提案・生成するなど、AI活用が進みつつあります。テスト作業の負荷軽減や、精度の向上が期待されています。

4. プラットフォームエンジニアリングの進展

開発者が個別にCI/CDを構築するのではなく、全体で共通のCI/CDパイプライン基盤を内製・整備する企業が増え、再利用性や運用効率が向上しています。

5. マイクロサービス対応

マイクロサービスアーキテクチャの普及により、各サービスごとに独立したCI/CDパイプラインを構築する設計が一般化しています。これにより、アプリケーションの一部に対する小さな変更でも、迅速にリリースできるようになっています。


CI/CDパイプラインに必要なツール例

CI/CDパイプライン構築には複数のツールが必要です。ツールは、オープンソースから商用まで幅広い選択肢があり、プロジェクトの規模や目的に応じて使い分けられています。

たとえば、CI(継続的インテグレーション)ツールではJenkinsが代表的です。柔軟なカスタマイズ性と豊富なプラグインなどが評価され、多くの企業が導入しています。
また、ソースコードのバージョン管理を担うGitLabは、CI/CD機能を内蔵しており、コード管理からパイプライン構築まで一貫して対応できる点が評価されています。


CICDパイプライン

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カテゴリ 役割 ツール例
コードリポジトリ/成果物リポジトリ ソースコードのバージョンや成果物を管理します ・Git
・GitHub
・GitLab
CIツール コードに変更があると、ビルドやテストを実行するため各種ツールにコードを連携します ・Jenkins
・GitHub Actions
・GitLab CI/CD
構成管理ツール インフラ構築・設定をコード化し、自動的に環境を構築します ・Ansible
・Chef
・Puppet
・Terraform
ビルドツール コンパイル、依存解決、パッケージングなどのビルド処理を自動実行します ・Gradle
・Ant
・Maven
テストツール 操作テストや負荷テストを実施して、アプリケーションの品質をチェックします ・UFT One
・LoadRunner  Professional
・JMeter
・Selenium
デプロイツール テストを通過した成果物を、ステージングや本番環境に自動で配置します ・Spinnaker
・Argo CD
テストデータ/環境準備ツール 再現性のあるテストを可能にするためのテストデータ生成や環境の整合性を確保します ・Delphix
モニタリング/フィードバック 本番リリース後の動作状況・品質を監視し、次の改善につなげます ・New Relic
・Prometheus
・Grafana

現在下記製品は新製品名称に変わっていますが、本記事では旧製品名称で記載しています。

・LoadRunner Professional(旧) → OpenText Professional Performance Engineering(新)
・UFT One(旧) → OpenText Functional Testing(新)


CI/CDを阻むボトルネック──それは“テスト”

CI/CDパイプラインの導入により、ビルドやデプロイの自動化は比較的スムーズに進むケースが多くなってきました。
しかし開発現場では、テスト工程がボトルネックとなり、パイプライン全体のスピードや品質を阻害するケースが少なくありません。

特に、次のような理由から、テストがボトルネックになりやすいようです。

テスト工程のよくある課題

・テスト環境やテストデータの準備に時間がかかる
 多くの場合、これらの準備は開発チーム単独で完結せず、他部署やインフラ担当との連携が
 必要なため、スピード感を損なう要因になります。

・テスト環境と本番環境の差異が品質リスクにつながる
 環境構成やデータの違いにより、「テストを通過したのに本番障害」といった問題が発生し
 やすくなります。

結局のところ、システムの品質が本当に担保されているかどうかは、「テストがどれだけ適切に実行されたか」にかかっています。
CI/CDを推進するうえで、テストは品質と信頼性を守る最後の砦です。

だからこそ、テストの自動化やテスト環境・データの整備まで含めて、CI/CDパイプライン全体を設計・運用することが、スピードと品質を両立させる鍵となります。


テストのスピードと品質課題を解決するテスト強化ソリューション

テスト工程のどこに課題があるかによって、必要なソリューションは異なります。

アシストでは、開発〜リリースまでを支える各種ツールを組み合わせて、工程単位で導入が可能です。以下の一覧から、目的や課題に応じたソリューションをお選びいただけます。


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製品一覧(工程 × 課題 × ソリューション)

各工程でよくある課題に対して、アシストが提供する具体的なソリューションをご紹介します。目的に応じて、複数のツールを組み合わせた導入も可能です。

工程 課題 ソリューション ポイント
脆弱性検知 コーディング後の検知では手戻りが大きい OpenText Static Application Security Testing 早期に脆弱性を検出でき、セキュリティ品質を確保しながら開発効率を保つ
テスト環境構築 環境構築やリリース準備に時間がかかる Red Hat Ansible Automation Platform 環境構築の自動化で、繰り返し作業の効率化とミス防止を実現
テストデータマスキング 本番と同様のテストが難しい Delphix Continuous Compliance データマスキングで安全に本番相当のテストを実現。再現性・品質向上に効果大
テストデータ作成 DBに依存して開発が止まりがち Delphix Continuous Data 仮想DBを即時生成し、開発チームに迅速に供給。品質とスピードを両立
UIテスト 手動テストが多く、検証工数が重い OpenText Functional Testing (UFT One) 高度な自動化でテスト作成〜実行までを効率化。テスト資産の再利用も可能

CI/CDとつなげて、テスト工程を“流れるように”自動化

これらのソリューションは、CI/CDパイプラインと連携することで、テスト工程をまるごと自動化することが可能です。
たとえば、

  • コード変更をトリガーに、
  • テストデータが即時生成され、
  • ビルド→テスト→デプロイまでがワンストップで進行

という、スピードと品質を両立した理想的な開発プロセスが実現できます。


アシストが提供するのは“ツール”だけではありません

ツール単体の提供にとどまらず、アシストでは、

  • CI/CD共同検証
  • CI/CD導入支援
    (※弊社サンプルアプリケーションを題材として、自動化効果を体感いただくための検証)
  • アジャイル開発への移行支援
  • 開発工程のボトルネックを発見するためのワークショップサービス(VSM)

など、お客様の開発フェーズに応じた伴走型のサポートもご提供しています。
まずはお気軽にご相談ください。

上記ソリューションの詳細説明資料をご用意していますのでお気軽にご覧下さい。また、リモートでのご相談やソリューションの説明なども対応いたします。

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