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Gleanの導入企業に聞きました!採用理由と解決したかった「あの課題」とは
なぜGleanの導入を決めたのか、Glean採用時のお困りごとと選定理由について、3社のユースケースからご紹介していきます。スタートアップでの利用から1万名を超える利用展開まで、3社の事例をご覧いただけます。
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目 次
前回のブログ「【Gleanで変わる働き方第1回】あの資料はどこ?の悲劇」では、企業の従業員が1日の約20%もの時間を情報検索に費やしている実態と、それがもたらす深刻な影響についてお伝えしました。
今回は、この「探す時間」という問題を解決するGleanについて、その革新的な技術と仕組みを詳しく解説します。単なる検索エンジンではない、あなた専属の"超優秀AI"がどのようにして実現されているのか、その秘密に迫ります。
まず、理想的な情報検索の姿を考えてみましょう。それは「あなた専属の超優秀なアシスタント」が各社員についているような状態です。
例えば、この超優秀なアシスタントは以下の特徴を持っています。
こんなアシスタントがいれば素晴らしいですが、現実的には難しいでしょう。社員数分のアシスタントを雇い、各社員の業務内容を理解するまでに膨大な時間がかかりますし、24時間体制で対応させるには途方もないコストがかかります。
しかし、Gleanはテクノロジーによってこの理想に近づいています。一体どのようにして可能になっているのでしょうか?
Gleanが「あなた専属の超優秀アシスタント」を実現できる秘密は、次の3つの革新的な技術にあります。一つずつ詳しくご説明します。
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エンタープライズサーチとは、複数のアプリケーションやストレージを横断し、一括でドキュメントを探し出す効率的な検索機能です。
現代の企業では、情報が様々なツールに分散しています。
ナレッジグラフはこれらを「A社」というエンティティを中心に紐づけます。そのため、「A社」と検索するだけで、関連するすべての情報が関係性と共に表示されるのです。
使えば使うほど、あなたの関心や業務に合わせた検索結果が表示されるようになります。まさに「あなた専属」の検索エンジンなのです。
LLMとは、ChatGPTのような大規模言語モデルのことで、自然言語の処理や生成が得意です。RAGは検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation)の略で、検索結果を基にLLMが回答を生成する技術です。
従来のLLM単体の場合 | RAGの場合 |
ユーザーがテキストを入力したりドキュメントを送信する必要がある。 ユーザー自身がドキュメントを探してLLMに提供しなければならない。 |
1. ユーザーの質問がまず検索エンジンに送られる
2. 検索エンジンが関連ドキュメントを探し出す
3. その検索結果とユーザーの質問をLLMに渡す
4. LLMが検索結果を基に回答を生成する
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しかし、RAGの精度は「何を検索し、LLMに渡すか」に大きく依存します。間違ったドキュメントや古い情報をLLMに渡せば、どんなに優れたLLMでも不正確な回答しか生成できません。
ここでGleanの真価が発揮されます。前述のエンタープライズサーチとナレッジグラフにより、Gleanは、
これにより、Gleanは非常に精度の高いRAGを実現しています。単に「どこかにあるドキュメント」ではなく、「あなたにとって最も関連性の高い、最新のドキュメント」をLLMに提供するのです。
Gleanを実際に使うとどのような体験が得られるのでしょうか?
従来の情報検索では、まず「どこを探せばいいのか」を考え、次に「どのようなキーワードで検索すればいいのか」を悩み、検索結果から「本当に必要な情報」を選び出す必要がありました。
Gleanでは、
例えば、前回のブログ「【Gleanで変わる働き方第1回】「あの資料どこ?」の悲劇」で述べた、新入社員実験を思い出してください。「製品の価格変更はいつ行われたか」という質問に、10人中9人が5分以内に答えられませんでした。しかしGleanなら、同じ質問をそのまま入力するだけで、数秒で「2024年3月1日に価格変更が行われました。旧価格は2月15日まで有効でした」という具体的な回答が得られます。
Gleanを使い始めると、「この情報はGoogleドライブにあるのか、SharePointにあるのか」という悩みから解放されます。情報がどこにあるかを意識する必要がなくなり、「何を知りたいか」だけに集中できるようになります。
さらに、ナレッジグラフにより関連情報も自動的に表示されるため、思いもよらない視点や資料に出会うことも少なくありません。これは創造性やイノベーションにも良い影響を与えます。
従来は「あの情報なら○○さんに聞かないと」という状態が多く、知識が個人に依存していました。しかしGleanによって、組織内の知識が可視化され、共有される文化が生まれます。
例えば、「この分野に詳しい人は?」と検索すれば、実績に基づいた専門家のリストが表示されます。これにより、組織内のつながりが強化され、コラボレーションが促進されるのです。
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Gleanがこれらの機能を実現できる背景には、高度な技術的アーキテクチャがあります。
Gleanは多くの企業ツールとの連携を可能にするコネクタを持っています。SharePoint、GoogleWorkspace、Salesforce、Confluenceなど、一般的な企業ツールとの連携が標準で用意されています。
これらのコネクタを通じて、Gleanは定期的に各システムのデータをクローリングし、最新の状態を維持します。
収集したデータは、高度な検索アルゴリズムでインデックス化されます。単純なキーワードマッチングではなく、文脈や意味を理解した検索が可能です。
例えば「プロジェクト進捗」という検索でも、「タスクの状況」「スケジュール更新」といった関連表現を含むドキュメントも見つけられます。
Gleanの重要な特徴は、元のアプリケーションのセキュリティモデルを継承することです。これにより、ユーザーは自分が閲覧権限を持つ情報だけを検索結果で見ることができます。
システム管理者は集中的に権限を管理する必要がなく、各アプリケーションの既存の権限設定を維持したまま、横断的な検索を提供できます。
ユーザーの検索履歴、クリック履歴、ドキュメント閲覧履歴などのデータを分析し、個人ごとにカスタマイズされた検索エクスペリエンスを提供します。
この行動分析により、Gleanは「この人はこの用語で何を探しているのか」を学習し、使えば使うほど精度が向上していきます。
一般的なLLMに比べ、Gleanは企業特有の文脈や用語を理解するよう最適化されています。企業内のドキュメントから学習するため、業界用語や社内固有の表現にも対応できるのです。
Gleanは単なる検索ツールではありません。エンタープライズサーチ、ナレッジグラフ、LLM・RAGという最先端技術を組み合わせることで、「あなた専属の超優秀AIアシスタント」を実現しています。
これらの機能により、企業内の「探す時間」を大幅に削減し、本来の業務に集中できる環境を実現します。その効果は時間とコストの削減だけでなく、組織文化や働き方の変革にも及びます。
次回の記事では、実際の導入事例と効果測定、Gleanがもたらす組織変革について詳しく解説します。企業内の情報検索に悩みを持つすべての方にとって、Gleanという選択肢を検討する価値は十分にあるでしょう。
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立山 あき
株式会社アシスト
2003年に新卒入社。様々な製品のプリセールス、マーケティング担当を経て、現在は新規事業立ち上げとGleanのプリセールスや販促活動に従事。
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