ソリューション研究会

新型コロナの影響で、アシストのユーザー会「ソリューション研究会」も、昨年は全ての活動が中止になりました。1996年の発足以来、初めてのことです。とても残念なことではありましたが、ただ立ち止まるわけにはいきません。この活動休止の期間を、より素晴らしいものへと進化する転機にしたいと考えました。
 
そこで、いま一度、アシストとしてのこの活動に対する想いの原点に立ち戻り、ソリューション研究会をどのような場にしたいか、じっくり検討を重ねて来ました。そして、「ソリューション研究会を中心にコミュニティを形成したい」というビジョンを描いたのです。お客様同士が「アシストし合う場」をつくりたいと考えました。
 
本記事では、新たなソリューション研究会のビジョンを描き、それを目指していく取り組みの試行錯誤について、ソリューション研究会事務局より紹介させていただきます。

なぜソリューション研究会を運営するのか

まずはじめにしたことは、ソリューション研究会の原点回帰です。アシストのビジネスの本流は、ソフトウェアの提供を通じてお客様のビジネス課題の解決に貢献することです。しかし、ソフトウェアの提供はアシストのビジネスプロセスのほんの一部に過ぎません。私たちはお客様が実現されたいことをとことん伺い、お役に立てる情報がないかを常に探し、その情報提供に全社で取り組んでいます。
 
そうした活動の中で、アシストは、お客様各社が同じような悩みや課題を抱えていることに気づきました。当初は、アシストが仲介役となって解決策を事例パンフレットなどを通じて横展開していましたが、各社の垣根を超えて、お客様同士が直接悩みを共有できる場を作った方がより実状に即した解決策が見つかり、相互交流が生まれるのではないかと考えました。それが「ソリューション研究会」の始まりです。
 
ソリューション研究会の担当役員、池松は当時のことを次のように振り返ります。「ソフトウェアだけで解決できることは少なく、各社共通に聞く課題についてお客様同士で話し合いながらその解を見つけていただけるような場を提供できれば、有益な集まりになるのではないかと考えました」(池松)。

なぜソリューション研究会を運営するのか

このようにソリューション研究会の成り立ちを再確認し定めた新たなビジョンが、「アシストし合う場をつくる」です。お客様同士が協力し合い、助け合う場づくりに邁進したいという想いを込めました。

「交流の場」が不足していた

次に、ビジョンと現状とのギャップを探るために、「分科会」(1年間テーマを決めた少人数による研究活動)の2019年度の満足度調査に寄せられたコメントに目を向けました。
 
「1年間の分科会活動を終え、立場の違うメンバーとじっくり議論することで自分の能力を客観視できたり、自社の当たり前が他社では当たり前でないことに気づけた」、というプラスのコメントが多数あった中で、「所属分科会以外のメンバーや、他地区のメンバーとも、もっと交流したかった」という意見が散見されました。また、「研究活動をメンバーだけで進めなければならない分科会活動では、テーマの絞込や研究の道筋を考えるのに時間が取られて、肝心の意見交換や交流の時間があまり持てなかった」というコメントもありました。
 
これらの分科会経験者の生の声を確認した上で、今後も研究活動をソリューション研究会の中核に据えていくことに変わりはないものの、他の分科会や他地区のメンバーとも気軽に交流できる場がもっと必要ではないかとの結論に至ったのです。

「繋がり」を続けていく仕組みも必要

もう一つ私たちがビジョンとの乖離を感じたのは、分科会で育んだ「繋がり」が一年間で途切れてしまっていることです。ここで言う「繋がり」とは、分科会メンバー間の繋がりはもちろんのこと、アシストのソリューション研究会と参加メンバーとの繋がりも含んでいます。
 
24年間の分科会の参加総数は約2,500名に達しています。その中で分科会に繰り返し参加してくださっている方がどれだけいるかを見てみると、最高が16回、5回以上が50名強と常連さんももちろんいるものの、全体の約8割は一回きりの参加です。
 
毎年新たな出会いが生まれるのは素晴らしいことですが、そこで育まれた人と人との関係性が一年で終わってしまうのはもったいないことです。
 
また、ほとんどの分科会が活動終了後も定期的に集まっているものの、数年経つと関係が途切れている分科会が多いことも分かりました。主催者であるアシストが幹事になって「同窓会」を企画して欲しい、という声も聞かれました。
 
繋がり続ける仕組みが不足していたのです。

ソリューション研究会を中心にコミュニティを形成したい

私たちは、2020年度、新型コロナの影響で生まれた充電期間を使って、2021年度以降の「ソリューション研究会」のあるべき姿を検討しました。
 
「アシストし合う場をつくる」というビジョンのもと、(1)研究活動以外にも気軽に参加できる「交流目的」の活動を増やすこと、(2)分科会でできた絆が途切れないよう継続的な「繋がり」をもてるようにすることを目指して、「ソリューション研究会」を中心にコミュニティを形成することを決意しました。
 
そして2021年度は、この2点について施策を進めていきます。

【施策1】新たな情報交流会の開催

まず2021年度は、分科会よりも気軽に参加できる活動として、講義に基づくグループ討議と交流会からなる「情報交流会」を開催します。分科会は2月末から翌年2月までの1年間ですが、情報交流会は2021年8~9月に隔週で3回、同じ参加メンバーで、オンラインで東京、大阪、名古屋の3地区を繋いで開催する予定です。
 
『図解コレ1枚でわかる最新ITトレンド』の著者、ネットコマース株式会社 代表取締役の斎藤 昌義氏を講師に迎え、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の本質と共創戦略」をテーマに開催します。メンバー間の交流が促進されるよう、斎藤氏の講義をベースにするものの、グループディスカッションをふんだんに行います。
 
このテーマを選んだ理由は、攻めのIT部門を応援したいという想いからです。DXで会社の文化や風土を変えるにはどうすればいいのか、自身のステージアップの道筋をどう切り開けばいいのかを考える一助にしていただきたいと考えています。

【施策2】お客様と共にコミュニティを創っていく

お客様同士が「アシストし合う場」としてのコミュニティを、アシストだけで考えて提供するのではなく、お客様と一緒に話し合いながら築き上げていきたいと考えています。
まずは、「分科会経験者の会」を開きました。アンケートで寄せられた意見を拾うだけでなく、お客様と直接意見交換させていただく場を作ったのです。意見交換会は2020年9月~12月にかけて3回実施し、延べ18名の方にご参加いただきました。それにより、アシストが当初考えていた構想においてお客様のニーズにマッチしていない点も認識することができ、また思いがけない視点でのアイデアもいただくことができました。また何より、お客様と一緒に「アシストし合う場」のワクワク感を共有できたのは素晴らしい喜びでした。
当イベントの詳細については別の記事でまとめておりますので、下記のページを参照ください。

まとめ

本記事では、コロナ禍におけるソリューション研究会の見直しの過程を紹介させていただきました。
 
社会全体が新しい形態への順応が求められている中、ソリューション研究会もお客様と共に、より素晴らしい場へと作り変えていきたいと考えています。引き続き、お客様との対話の場を継続的に開催していきたいと考えていますので、お力添えのほどよろしくお願いいたします。

まとめ

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