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  • PostgreSQL
2015.09.18

ソースファイルからPostgreSQLをインストールする手順(前編)

PostgreSQL インストール手順

今回は2014年12月にリリースされたPostgreSQL 9.4.0をソースファイルからインストールする手順と、インストール時の注意事項について紹介します。PostgreSQLのインストール方法には、ソースファイルを使用する方法とRPMパッケージを使用する方法などがあります。アシストサポートセンターではLinux環境へインストールする場合、以下の理由からソースファイルを使用するインストール方法を推奨しています。

ソースファイルからのインストールを推奨する理由

・configureスクリプトでインストール先をはじめとしたオプションの指定が可能
・追加モジュールやマイナーバージョンアップに対応しやすい
・当該マシンでのコンパイル時に最適化される可能性がある
・8.4以前のバージョンでも複数バージョンの共存が可能
 ※9.0以降では、RPMパッケージからPostgreSQLをインストールする方法でも複数バージョンを同居させることが可能です。


ソースファイルからPostgreSQL 9.4.0をインストールする手順は以下の通りです。以降でそれぞれのステップでの注意点も含め、順に解説していきます。


検証環境

PostgreSQLは、 Linux、Windows、FreeBSD、Mac OS Xなど様々なOSで動作します。今回は以下の環境にPostgreSQL 9.4.0をインストールします。

 OS : Oracle Enterprise Linux 5.6 64bit  
 DB : PostgreSQL 9.4.0

1. PostgreSQL 9.4.0をインストールするOSユーザーの作成

検証環境などでPostgreSQLを複数バージョンインストールする際には、各バージョン毎にOSユーザーを作成すると管理が容易になります。以下の例では、PostgreSQL 9.4.0をインストールするOSユーザー(p940)を作成しています。

(例)

 # useradd -m -d /home/p940 p940
 # passwd p940
 # su - p940

 ※以降の手順は、p940ユーザーで実行します。


2. PostgreSQL 9.4.0のソースファイルのダウンロード

PostgreSQL 9.4.0は、PostgreSQL Global Development Groupからダウンロードします。様々な圧縮形式のダウンロード・モジュールが存在しますが、この例ではpostgresql-9.4.0.tar.gzをダウンロードします。どの圧縮形式のダウンロードモジュールも内容は同じです。

(例)

-- ソースファイルをダウンロードするディレクトリを任意の名前で作成
 $ mkdir sources
-- sources ディレクトリ配下にpostgresql-9.4.0.tar.gz をダウンロード
 $ cd sources
 $ wget https://ftp.postgresql.org/pub/source/v9.4.0/postgresql-9.4.0.tar.gz

 ※社内LAN環境でwgetコマンドを使用する際は、事前に/etc/wgetrc内でhttp_proxy、https_proxy、ftp_proxyなどの設定が必要な場合があります。


3. configureスクリプトの実行

configureスクリプト内の各オプションで、インストール場所やインストール対象等を指定します。以下の例では、全ファイルのインストール場所を指定する--prefixオプションやOpenSSLパッケージを使用したSSL接続のサポートを有効にする--with-opensslオプションなどを指定しています。ここで指定しなかった機能をインストール後に使用するには、PostgreSQLの再インストールが必要になるため、注意が必要です。configureスクリプト実行時の注意点も参照してください。

(例)

-- postgresql-9.4.0.tar.gzを展開
 $ tar xvf postgresql-9.4.0.tar.gz
-- ソースファイルの展開ディレクトリに移動
 $ cd postgresql-9.4.0
-- 各種オプションを指定してconfigureスクリプトを実行
 $ ./configure --prefix=/home/p940/posgrehome --enable-debug --with-openssl --with-pgport=1940 --enable-nls=UTF_JP --with-libxml


configureスクリプトの各オプションについては、以下のPostgreSQLマニュアルをご参考ください。

------------------------------------------------------------------------------------
第 15章ソースコードからインストール
15.4. インストール手順
http://www.postgresql.jp/document/9.4/html/install-procedure.html
------------------------------------------------------------------------------------

configureスクリプト実行時の注意点

指定する各オプションについて

configureスクリプトのオプションで指定しなかった機能をPostgreSQLインストール後に使用することはできません。例えば、クライアントとPostgreSQL間でSSL接続を行う予定がある場合、configureスクリプト実行時に--with-opensslオプションを指定しなければ、SSL接続を行うことはできません。その他にも、pg_statsinfoを利用する場合は、configureスクリプト実行時に--with-libxmlオプションを指定しなければならないという例もあります。

ライブラリのチェックに失敗する場合がある

configureスクリプト実行時には、必要なライブラリのチェックが実行されます。その際に、必要なライブラリが存在しない場合、以下のようなエラーメッセージが発生します。

 configure: error: readline library not found
 If you have readline already installed, see config.log for details on the
 failure. It is possible the compiler isn't looking in the proper directory.
 Use --without-readline to disable readline support.


configureスクリプト実行時に上述のエラーが発生した場合は、必要なライブラリをyumコマンドなどでインストールした上で、再度configureスクリプトを実行ください。

(例:readlineライブラリが不足している場合)

 $ su -
 # yum install readline
 # yum install readline-devel


後編へ続く

ここまで問題なくできましたでしょうか? 後編では、以下の各ステップをご説明していきます。



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