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PostgreSQLの拡張機能「system_stats」のご紹介
EDB社が提供するPostgreSQLの拡張機能「system_stats」はPostgreSQL ユーザーがパフォーマンス問題に取り組む際の非常に強力なツールになります。SQLクエリでOS情報を取得できるため、DBエンジニアにとってはパフォーマンスの監視が格段に簡単になります。テストした結果をご紹介します。
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PostgreSQL9.0以降でStreaming Replication + Hot Standby(SR+HS)が本体に組み込まれてから、「FATAL: requested WAL segment <WALセグメント名> has already been removed」のメッセージに関するお問い合わせを多数いただくようになりました。
このメッセージは、SR+HS環境においてプライマリがスタンバイにWALレコード(更新履歴)を送信しようとした時に、プライマリのpg_xlog配下に対象のWALが存在しなかった場合などに出力されます。
アーカイブWAL運用を行っていない環境で本メッセージが発生した場合、スタンバイ側で同期を取るために必要なプライマリ側の更新内容を適用することができないため、SR+HSを再構成する必要があります。
そこで、今回は「FATAL: requested WAL segment <WALセグメント名> has already been removed」のメッセージ発生の予防策についてご紹介します。
SR+HSとは、PostgreSQL9.0以降で本体に組み込まれたレプリケーション機能であるSRと、WALの適用中にクエリの実行を可能にする機能であるHSを組み合わせた冗長構成のことです。プライマリのWAL Senderプロセスが、スタンバイのWAL ReceiverプロセスにWALレコードを送信し、スタンバイでWALレコードが適用されることでプライマリとスタンバイの同期が取られます。
SR+HSの詳細については、
マニュアル
もご参考ください。
WALセグメントは循環利用されますが、スタンバイのリカバリに必要なWALセグメントは削除されないよう保持しておく必要があります。予防策として3つの方法がありますが、アシストでは、WALセグメントをプライマリで確実に保持できる方法を推奨します。
PostgreSQL 9.4以降なら
レプリケーションスロット
を使用する方法、PostgreSQL 9.3以前ならアーカイブモードを有効にする方法をお薦めしています。
レプリケーションスロット を使用することで、スタンバイが必要としているWALレコードを含むWALセグメントがプライマリで保持されるようになります。そのため、リカバリに必要なWALセグメントが消されてしまうことを防げます。
プライマリでアーカイブモードを有効にして、スタンバイのPGDATA/recovery.confに restore_command パラメータを設定することにより、スタンバイのリカバリに必要なWALレコードがプライマリのPGDATA/pg_xlog配下から無くなってもアーカイブWALから補完できるため、本メッセージの発生を予防できます。
pg_xlogディレクトリに保持しておくWALセグメント数の最小値を設定する wal_keep_segments に、スタンバイのリカバリに必要なWALレコードを含むWALセグメントを保持できるくらい大きな値を設定することにより、本メッセージの発生を予防できます。ただし、お客様環境によってマシンの性能や処理量が異なるため、一概にwal_keep_segmentsに設定すべき設定値を紹介することはできません。 トライアンドエラーで本メッセージの発生を予防するために十分な設定値を見積もる必要があります。
今回は、「FATAL: requested WAL segment <WALセグメント名> has already been removed」のメッセージ発生の予防策について紹介しました。この記事で紹介した予防策を実施することでスタンバイのリカバリに必要なWALレコードを含むWALセグメントをプライマリで保持することができ、本メッセージの発生を予防できますので、まだ予防策を実施されていない方はぜひこの機会に設定してみてください。
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