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2021.07.28

【書評】「Oracle Cloud Infrastructure徹底入門」はOCI技術者必読の1冊です!

このたび、Oracle Cloudを題材とした書籍として、日本オラクル様のコンサルタント&エンジニアの皆様による「Oracle Cloud Infrastructure徹底入門 Oracle Cloudの基本からインフラ設計・構築まで」が発売となりました。

私も早速読ませていただいたのですが、「Oracle Cloudを扱っている・Oracle Cloudが気になる人は必ず読んで欲しい」「むしろクラウドを扱っている人全員が読むべき」と言ってもいい程に非常に良い内容の書籍となっております。

そのため、このブログにて本書についてご紹介いたします。


書籍情報

■タイトル
Oracle Cloud Infrastructure徹底入門 Oracle Cloudの基本からインフラ設計・構築まで

■価格
3,480円+税

■発売日
2021年07月21日

■書籍概要(翔泳社様のHP)
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798169033


内容簡易紹介

本書は以下の2部に分かれて構成されています。

第1部:Oracle Cloud概要・主要サービスの理解

第1部ではOracle Cloudの基本的な紹介及び各サービスの説明、またOracle Cloudのハンズオンを扱った内容です。
目次に記載がありますが、取り扱っているサービスは以下です。

・認証・認可(IAM/IDCS)
・仮想クラウド・ネットワーク(VCN)
・コンピュート・サービス
・ストレージ・サービス
・データベース・サービス
・ロード・バランサ
・その他のサービス


第2部 :OCIを利用したシステム設計

第2部ではシステムをクラウド化(Oracle Cloud化)する際の設計に焦点を当てて、以下の6つのポイントを紹介する内容です。

・クラウドでのシステム設計のポイント
・ネットワーク設計
・可用性設計
・セキュリティ
・運用設計
・移行設計

1部および2部の実際の内容についての詳しい内容は割愛させて頂き、ここからは本書の良いポイントをいくつかご紹介します。


ポイント① : 読み進めてすぐに始まるハンズオン

Oracle CloudにはIaaSやPaaSサービスを無償で利用が可能なAlways Free という仕組みがあり、本書でもこの仕組みを利用したハンズオンが掲載されています。

さらにこの本の作り方の非常に良いポイントとして、このハンズオンが第1部の2章で取り上げられているという点があります。
つまり読み進めるとOracle Cloudの各サービスの説明の前にハンズオンがあるという構成です。

このハンズオンもネットワーク + サーバ1台等といった簡単なものではなく

1.ネットワーク作成
2.Web用インスタンス構築
3.Webサーバ(nginx)設定
4.DB用インスタンス構築
5.ロードバランサを用いた負荷分散の実装

というしっかりとした内容となっています。
「徹底入門」というタイトルがあるように、本書は入門書という立ち位置です。またOracle Cloudにはサービスの無償利用が可能な仕組みもあります。

だからこそ「まずはAlways Freeを利用して、Oracle Cloudでは何ができるのか/どういった使い勝手なのかを知ってほしい」という目的のもと、この場所にハンズオンを持ってきたのだと勝手に予想しています。

技術書の多くはハンズオンを後半で取り上げるケースが多いのですが、本書では最初に持ってくることにより「手っ取り早くOracle Cloudを感じて頂き、その後に各リソースの説明を読み進めて頂く」という、珍しいながらAlways FreeがあるOracle Cloudとしてはベストな構成であり、多くの人がスムーズにOracle Cloudの理解を進めていくことができます。


ポイント② : 分かりやすいサービス説明

ハンズオンの後に各サービス説明が始まります。当然こちらも非常に分かりやすい説明内容となっています。

また、見開き一つに表・図・実画面のキャプチャが必ずあると言っても良いほどの丁寧な説明であり、最初にパラパラとめくった時点で「あ、これは非常に分かりやすい本だ」と感じました。

また、個人的に良いと感じた点は以下です。

各サービスの説明が「認証・認可(IAMやIDCS)」から始まる

認証・認証の仕組みはクラウドを利用する上で必ず考える必要がある点ではあるものの、ネットワークやIaaS/PaaSと比較すると理解が難しい部分です。
ただそれらをOCIをサービスの説明の最初に持ってくるという点から、クラウドを利用する上で大切なことを正しく、しっかりと伝えようとしている本だと感じました。


ネットワークとLBが分かれている。更にLBの内容が非常に丁寧で分かりやすい

入門書という位置づけだと、LBサービスは比較的簡素に書かれている技術書が多い印象です。
一方で本書では1つの項目として独立しています。またOracle Cloudとしては去年末~今年にかけて大きなアップデートがありましたが、その内容も非常に分かりやすく説明頂いており、非常に良い内容だと感じました。


Oracle Cloudの最新情報に関する案内もしっかりと載っている

本書は2021年3月時点での情報を元とした内容のため、Oracle Cloudでは既に様々な新機能が提供されています。
そういった最新の情報に関しても「おわりに」に日本オラクル様にて情報発信をしているURLのリンクが掲載されているため、親切だと感じました。

※こういった最新情報に関しては本ブログでも引き続き積極的に発信していきたいと考えております!


ポイント③ : 書籍の半分を占める設計ノウハウ

第2部から「OCIを利用したシステム設計」に入りますが、この部分が本書の中で一番素晴らしい部分です。

クラウドでシステム設計は考慮事項が比較的多く、「まず何を考えれば良いのかがわからない」という悩みを抱えているお客様も多くいらっしゃいます。また、そういった点から弊社にご相談頂くケースも比較的多いです。

そのような悩みを多くの方が抱えている中、この第2部では約200ページにわたって「OCIを利用したシステム設計」のノウハウを紹介・説明しています。
また、その説明は以下のような形で進みます。

1.サンプルとするシステム要件を提示
2.Oracle Cloudにおける各考慮事項の説明を実施
3.「『1』で定めたシステム要件を満たすためにはこういう考えとなる」という内容の説明

そのため、読み手としては自社システムやクラウド化を検討しているシステム要件に読み替える事により、Oracle Cloudでの利用イメージを具体的に持つことができるという作りになっています。
まさに日本オラクル様のコンサルタント&エンジニアの皆様が持つノウハウが詰まっている1冊です。


おわりに

本書の「おわりに」の文末に以下の文章があります。


本書を通じて読者のみなさんが「OCIの設計や構築ができそう」「OCIを使用する際に役立った」と思っていただけていれば、執筆陣としてはとても嬉しく思います。

この「Oracle Cloud Infrastructure 徹底入門」にはまさしくそれに繋がるノウハウが詰まっています。

ただし、人によっては「もっとハンズオンが欲しい」という方もいらっしゃると思います。そういった方はOCIチュートリアル のハンズオン内容もご確認いただき、書籍 + ハンズオンで理解を進めて頂くのが良いかと思います。
興味のある方はぜひお手に取っていただきたいオススメの一冊です!


執筆者情報

はらだ たくろう プロフィール画像

2015年にアシストに新卒入社し、現在はクラウド(Oracle Cloud/AWS)を中心に業務を実施。

アシスト唯一のOracle Cloud&AWS両方のProfessional資格保有者として、導入支援だけではなく最新機能の技術検証や社内外のイベントにて登壇なども担当。...show more


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