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Oracle Cloud VMware SolutionでのVMware HCX環境構築手順(後編)
前回の記事でOCVS)でHCXを利用するための前提となる手順の前半をお伝えしました。本記事では後続の手順であるサービスメッシュ作成・L2延伸手順を記載し、仮想マシンを移行できる状態、つまりHCX環境の構築完了までを説明します。
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Oracle Cloud Infrastructure(以降、OCI)は、第2世代クラウドとして2016年10月からスタートし、2021年7月現在で20以上の地域(リージョン)で提供されており、オンプレミスからの脱却やクラウドビジネスへの転換など、様々な目的で利用されています。
また、新機能のリリースや既存機能のアップグレードも常に行われており、日々進歩していますが、その反面「この機能はどのように利用すれば良いの?」「アップグレードの効果や影響範囲は?」などの疑問を抱かれるお客様もいらっしゃり、弊社サポートにお問い合わせいただくことも多いです。
今回は、OCIのお問い合わせをいただく前にあらかじめご用意いただくことで、サポートの初動対応がスムーズになり、解決スピードアップにつながるポイントをご紹介します。
OCI上に作成されたリソースには、OCID(Oracle Cloud Identifier)と呼ばれるOracle割当ての一意のIDがあります。
クラウドとして内部的な調査を行う際には、環境を識別するためにこのOCIDが必要となることがあるため、サポートにお問合せいただく前にあらかじめご確認いただき、お問合せの際に併せてご提示ください。
例えば、以下のような構成の場合には、テナンシ、コンパートメント、ComputeやDBシステムなどの各リソースのOCIDをご提示ください。
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テナンシは、OCIにアカウントを登録すると割り当てられます。
サポートに問い合わせる際に「どのアカウント上での質問であるか」を識別するために必要な情報となります。
1.OCI画面の右上の「プロファイル」をクリックし、「テナンシ名」をクリックします。
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2.テナンシ詳細画面に遷移します。
「OCID」の右横にある「コピー」をクリックするとクリップボード上にコピーされます。
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次にコンパートメントのOCIDです。
コンパートメントはOCI特有の概念であり、論理的な区画を表します。
テナンシと併せて、「どこのテナンシの、どこの区画で発覚した問い合わせであるか」を提示するために必要となります。
1.メニューから「アイデンティティとセキュリティ」をクリックし、「コンパートメント」をクリックします。
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2.コンパートメントの一覧が表示されるので、対象のコンパートメント名をクリックします。
コンパートメントの詳細画面に遷移しますので、「OCID」の右横にある「コピー」をクリックするとクリップボード上にコピーされます。
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ComputeインスタンスやDBシステムなど、OCIをご利用いただく際に作成されたリソースには、必ずOCIDが付与されます。各リソースに関する問い合わせには、メーカーからOCIDの提示を求められる場合が多いので、リソースを作成した際にそれぞれのOCIDを控えていただくことを推奨いたします。
例として、ComputeインスタンスとDBシステムのOCIDを確認する方法をご紹介します。
[Computeインスタンスの場合]
1.メニューから「コンピュート」をクリックし、「インスタンス」をクリックします。
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2.画面右側の「コンパートメント」から適切なコンパートメントを選択し、インスタンスの一覧から、対象のインスタンスの右側にある三点メニューから「OCIDのコピー」をクリックするとクリップボード上にコピーされます。
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[DBシステムの場合]
1.メニューから「Oracle Database」をクリックし、「ベア・メタル、VMおよびExadata」をクリックします。
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2.画面右側の「コンパートメント」から適切なコンパートメントを選択し、DBシステムの一覧から、対象のDBシステムの右側にある三点メニューから「OCIDのコピー」をクリックするとクリップボード上にコピーされます。
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3.DBシステムの場合は、「データベース」と「ノード」にもOCIDが付与されていますので、こちらも確認します。
DBシステム名をクリックすると詳細画面に遷移します。
画面右側のリソースが「データベース」であることを確認し、詳細画面下部にあるデータベースの一覧から対象のデータベースの右側にある三点メニューから「OCIDのコピー」をクリックするとクリップボード上にコピーされます。
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4.画面右側の「リソース」から「ノード」をクリックし、詳細画面下部にあるノードの一覧から対象のノードの右側にある三点メニューから「OCIDのコピー」をクリックするとクリップボード上にコピーされます。
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OCIコンソールで作業した場合、「作業リクエスト」として進捗率や失敗した場合のエラーなどを確認することが可能ですが、こちらにもOCIDが付与されます。例えば、何時間経過しても作業が完了しない、またはエラーが発生して途中で失敗してしまった、などの調査(またはメーカにバックエンドで対応いただけるよう依頼する)に必要となります。
以下は、OCI上のOracle Databaseを起動した場合の作業リクエスト画面です。今までの項目と同じように「OCIDのコピー」をクリックすることで、クリップボードにコピーされます。
画面遷移は、上述の[DBシステムの場合]と同じです。DBシステムの詳細画面右側にある「リソース」から「作業リクエスト」をクリックします。作業リクエストの一覧が表示されますので、右側にある三点メニューから「OCIDのコピー」をクリックします。
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OCIDは、「どこのアカウントの、どこのコンパートメントにある、どのリソースの質問であるか」を把握するために必要な情報ですが、サポートがお客様の困っていることを正しく把握するために、「現在、どのような状態であるのか」を共有いただく必要があります。
例えば以下のような場合には画面キャプチャも併せてご提供いただければと思います。
・OCI上で作業中にエラーが発生した場合、エラー内容が分かる画面キャプチャ
・VCNでネットワークの設定を実施したが正しく疎通ができない場合、設定内容が分かる画面キャプチャ
・ロードバランサーやDBシステムなど、設定項目が複数あるサービスを作成した際の手順や設定を確認できる画面キャプチャ
※画面キャプチャはメーカのサポートチームに提供する場合もあり、その際には英語表記での提供が必要となります。
OCIコンソールの右上にある「言語」から「English」を選択後にご取得ください。
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今回は、サポートをご利用いただく場合に、より円滑にサポートをご利用いただくために事前にご確認いただきたい内容をご案内いたしました。
これらの内容は、メーカのサポートチームから依頼されるケースが多く、サポートの初動対応時に揃えておくことで解決スピードにも影響してくる情報です。
また、緊急を要するお問い合わせをいただく場合には、サポートとのやり取りに時間を掛けていただくことが煩わしく感じられると思います。
できるだけ少ないやり取りで円滑にサポートを行うためにも、事前の情報取得にご協力いただけますと幸いです。
※調査を進めていく中で新たに情報のご提供を依頼させていただく可能性もございます。
その際には問題解決にご協力いただけますようよろしくお願い申し上げます。
■本記事の内容について
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■商標に関して
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