
- Oracle Database
- Oracle Cloud
- Exadata
Oracle Database 23ai新機能!システム停止時間を短縮するローカル・ローリング・データベース・メンテナンス
Oracle Database 23aiの新機能「ローカル・ローリング・データベース・メンテナンス」をExaDB-Dで徹底検証。RAC環境でのパッチ適用時に、ローリングアップデートでいかにシステム停止時間を短縮できるのか、具体的な手順や注意点を解説します。
|
2025年10月13日から16日にわたり、オラクル社の年次イベントである「Oracle AI World」がラスベガスにて開催されました。
アシストからも、Oracle Database、Oracle Cloudの技術者など11名が参加し、様々な最新情報をキャッチアップしました。
本記事では、その熱気あふれる現地から、「Oracle AI World 2025」 のハイライトを速報でお届けします。
Index
昨年まで「Oracle CloudWorld」として開催されていたオラクル社の年次イベント。
それが今年、「Oracle AI World」に進化しました。
この名称変更は、AIへの戦略的アプローチを象徴するものであり、同社の企業戦略の「核」にAIを据えるという強い意志を示すものです。
筆者が3年前の「Oracle CloudWorld」に参加したときを思い起こすと、各セッションの内容は「Cloud」から「AI」に劇的にシフトしており、オラクル社の強いメッセージを肌で感じました。
そのAIを中核に据えた戦略的アプローチの象徴的な出来事として、以下のとおり製品やサービスの名称が変更されました。
Oracle Database → Oracle AI Database
Oracle Database 23ai → Oracle AI Database 26ai
Oracle Autonomous Database → Oracle Autonomous AI Database
Oracle Autonomous Data Warehouse → Oracle Autonomous AI Lakehouse
中でも、長年親しんだ「Oracle Database」という名称が「Oracle AI Database」に変わるということにオラクル社の強い決意を感じ、同時に少なからず感慨を覚えたのは筆者だけではないでしょう。
開催場所は、今年もラスベガスのホテルに併設されたコンベンションセンターでした。世界中から多くの関係者が集まるという、日本ではなかなか見られない規模のイベントです。
ビジネスを推進する立場の方や、クラウド、AIを活用する技術者が一堂に会するこのようなイベントは、開催のたびに参加者が増加していると実感しています。日本からもユーザー企業やパートナー企業が参加しており、会期中には「Japan Session」と題した日本からの参加者向けセッションが開催され、参加者同士の情報交換も活発に行われました。
4日間のイベント会期中は、基調講演やセッションだけでなく、展示コーナーにも数多くのブースが出展しており、オラクル製品に関わる最新情報を存分に入手できる機会となりました。
|
|
|
|
Oracle AI Worldの膨大な情報の中から、ビジネスへの影響が大きい3つの柱に絞り、速報でお届けします。
1つ目は、「Oracle AI Data Platform」です。
「Oracle AI Data Platform」は、エンタープライズデータと、AIモデル、開発者ツール、そしてデータプライバシーとガバナンスに対する制御を統合したサービスです。このサービスの活用により、企業はAIドリブンなビジネスアプリケーションを迅速に構築することが可能になります。
「Oracle AI Data Platform」は、データをAIで活用可能な状態に整え、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」、「Oracle Autonomous AI Database」および「OCI Generative AIサービス」の各機能を組み合わせることで、エージェント型アプリケーションの作成と展開を可能にします。
今後、本サービスをより利用しやすくする機能追加も予定されており、注目のサービスです。
|
2つ目は、「Oracle AI Database 26ai」です。
AIをデータ管理の中核に組み込んだ「Oracle AI Database 26ai」が発表されました。これにより、「あらゆる場所のすべてのデータにAIをもたらす」というオラクル社のコミットメントがさらに推進されます。
「Oracle AI Database 26ai」は、あらゆるデータ型とワークロードに対し、AIをシームレスに統合した次世代のAIネイティブ・データベースです。
これは、オラクル社の「AI for Data(データにAIを)」というビジョンを強化するものであり、AIベクトル検索や、データベース管理、データ開発、アプリケーション開発、分析におけるAI活用を可能にします。
「Oracle AI Database 26ai」は、「Oracle Database 23ai」に代わる長期サポートリリースです。特に注目すべきは移行の容易さです。23aiをご利用のお客様は、2025年10月のリリースアップデートを適用するだけで、従来のメジャーバージョンアップのような煩雑な手間や再認証なしに、26aiの強力な新しいAI機能を即座にご利用いただけます。
|
3つ目は、「Multicloud Universal Credits」です。
「Multicloud Universal Credits」は、「Oracle AI Database」と「OCI」を、お客様が希望するクラウド上で、これまでより迅速かつ簡単に調達できる仕組みです。
「Oracle Database@AWS」、「Oracle Database@Azure」、「Oracle Database@Google Cloud」、および「OCI」で利用可能です。この「Multicloud Universal Credits」を購入すれば、どのクラウドでもOracle AI Databaseが利用可能になります。あわせて、従来は各クラウドごとに対応する必要があった調達、契約、ガバナンスといった管理業務の簡素化も実現します。
オラクル社はこれまでに、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudを通じたマルチクラウド製品の提供を行ってきましたが、「Multicloud Universal Credits」はさらに一歩踏み込んだ仕組みと言えます。
|
イベントの名称が「Oracle AI World」に変更されたとおり、4日間の各セッションを通してAIの時代を強く体験することが出来ました。特に、オラクル社の強みである「データ」を中心に据え、インフラからアプリケーションまで一気通貫でAI時代を勝ち抜こうとする強いメッセージが印象的でした。
OCIはクラウド市場の後発ながら、PaaS(Oracle Database)の領域やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、高速なRDMAネットワークなどを標準で提供しており、コストパフォーマンスに優れたGPUインスタンスを揃えています。この点は、大規模なAIモデルを扱う企業にとって大きなメリットです。
ハイパフォーマンスが求められるAIワークロードにおいて、OCIが最適な選択肢の一つであることは間違いないでしょう。
今回のOracle AI Worldは、AIが単なる技術ではなく、ビジネスモデルと働き方を変える『転換点』であることを強く示唆しています。この大きな変化の状況下で、当社としてお客様へどのような価値を提供できるか、今後も深掘りし、ご支援してまいります。
詳細なセッションレポートや、日本の皆様のビジネスにどう適用できるかについては、後日改めて詳細記事を公開予定です。
以下にご案内するウェビナーでもさらに詳しくご報告しますので、ぜひご参加ください。
|
|
|
本記事では、速報第1弾として、Oracle AI Worldで発表された内容のエッセンスを現地からお届けしました。
改めまして11月6日(木)14:00から、「超速報!アシストが読み解く『Oracle AI World 2025』」と題してライブウェビナーを開催します。
本記事を執筆した川合裕太と、昨年のOracle CloudWorldにも参加した池田修の2名が、Oracle AI Worldで発表された様々なオラクルのAIに関するイノベーションをご紹介します。そしてアシストの視点で、企業が注目すべきポイントや、これらのイノベーションが今後企業システムをどのように変えていくのかをお話します。
どんな話が飛び出すのか?
期待してお待ちください!
日時:2025年11月6日(木) 14:00~14:40
会場:ウェビナー(オンラインセミナー)
※PC、タブレット、スマートフォンで簡単にご参加いただけます。
費用:無料(事前申込制)
![]() |
---|
■本記事の内容について
本記事に示した定義及び条件は変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
■商標に関して
・Oracle®、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
・Amazon Web Services、AWS、Powered by AWS ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他の AWS 商標] は、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
Oracle Database 23aiの新機能「ローカル・ローリング・データベース・メンテナンス」をExaDB-Dで徹底検証。RAC環境でのパッチ適用時に、ローリングアップデートでいかにシステム停止時間を短縮できるのか、具体的な手順や注意点を解説します。
2025年10月に開催される当社最大のテクニカル情報満載のイベント「アシストテクニカルフォーラム 2025」におけるオラクル系セッションをまとめてご紹介します。Oracle Database 23aiやOCIの最新情報が満載です。
BaseDBの機能で拡張できない領域を、FSSを使用して拡張する方法をご紹介します。また、/u01領域配下をFSSを使用して拡張する方法と、拡張した領域に対してOracle Data Pump(以降、Data Pump)のデータをエクスポート/インポートする方法も説明します。