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2024.10.11

Oracle Cloud VMware Solutionを構築してみました!

前回の記事『VMwareをOracle Cloudで利用するメリットとは?』では、Oracle Cloud VMware Solution(以下、OCVS)の概要やオンプレミスと比較したときのメリットをお伝えしました。

本記事では、実際にOCVSを構築する手順、および作成したvCenterへ実際に接続する手順についてお伝えします!


1) 事前準備

今回は、以下のように作業端末からOCI上の踏み台サーバーへ接続し、そこからOCVSへ接続する構成とします。

OCVS構成図

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OCVSを構築する前に、あらかじめOCVSを配置するVCN(仮想クラウドネットワーク)を作成しておく必要があります。

今回は事前に以下のVCNを作成しました。

 ・VCN名:kka-ocvs-vcn
 ・CIDRブロック:10.0.0.0/16


VCN確認画面

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2) OCVSの構築

それでは実際にOCVSを構築していきましょう!

前回のブログで触れたとおり、OCVSはSoftware-Defined Data Center(以下、SDDC)によって一元管理されることになるため、SDDCを作成していくことでVMware環境の構築を進めていきます。


OCI管理コンソールの左上のメニューから「ハイブリッド」>「VMwareソリューション」と進めます。

SDDC作成画面遷移

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コンパートメントが正しいことを確認した上で、「SDDCの作成」を選択します。


SDDC作成開始画面

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SDDCの基本情報を入力します。本例では、以下のような設定としています。

 ・SDDC名:kka-ocvs-sddc01
 ・VMwareソフトウェアのバージョン:8.0 update 2
 ・HCXライセンス・タイプ:Advancedライセンス
 ・SSHキー:既存のキーを使用

SDDC基本情報入力画面

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続いて、vSphereクラスタの設定へ進んでいきます。「管理クラスタの定義」を選択します。

クラスタの定義設定画面

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まずはESXiホストの設定を入力します。本例では、以下の設定としています。

 ・クラスタ名:kka-ocvs-cluster
 ・ホスト・タイプ:複数ホストSDDC
 ・ESXiホストの数:3
 ・ESXiホストの接頭辞:kka-ocvs-esxi
 ・クラスタ・ハートウェア・タイプ:Intel BM.Standard2.52
 ・OCPUコア数:12
 ・価格設定コミットメント:毎時コミットメント

クラスタホスト設定画面

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次に、クラスタのネットワーキングの設定を入力します。本例では、以下の設定としています。

 ・VCN:kka-ocvs-vcn(1CIDR:10.0.0.0/16)
 ・サブネットとVLAN:新規作成
 ・SDDCクラスタ・ネットワークのクラスタCIDR:10.0.0.0/24
 ・NATゲートウェイ名:kka-ocvs-NATGW

クラスタネットワーキング設定画面1

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クラスタネットワーキング設定画面2

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次に、データストアの設定を入力します。

デフォルトで8TBのデータストアが作成されます。今回の環境は再構築後にデータストアの拡張やvMotionの検証も予定している(本記事では触れていません)ため、本例では以下の名前で3TBのデータストアを2つ作成しています。

 ・kka-ocvs-blockvol01
 ・kka-ocvs-blockvol02

データストアで使用する仮想ディスクを作成するために、「ブロック・ボリュームの作成」を選択します。

ブロック・ボリューム作成画面

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ブロックボリュームの「名前」、「ボリューム・サイズ」を入力します。

ブロック・ボリューム追加後画面

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同様にもう1つブロックボリュームを追加し、「ワークロード・データストア」に合計2つのデータストアが表示されることを確認します。

ブロック・ボリューム追加後画面

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SDDCやESXiホストの起動停止などを通知することも可能です。

今回の例では、無効のままでウィザードを進めます。


クラスタ通知設定画面

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ここまで入力したクラスタの設定を確認します。

クラスタ設定確認画面

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SDDCの設定を確認し、問題ない場合にはSDDCの作成を選択します。

SDDC確認画面

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サマリー画面に遷移します。状態が「作成中」となったことを確認します。

SDDC作成開始画面

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2時間半ほど待つと、状態が「アクティブ」となりSDDCの作成が完了します。

vSphere ClientやNSXマネージャなどのURLも表示されます。

SDDC作成完了画面

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以上がOCVSの作成手順です。オンプレミスの環境でESXiホストやvCenterなどのサーバーを構築してメディアをインストールしていくよりも、はるかに容易であることがお分かりいただけたかと思います!

3) vCenterへの接続

構築したvCenterへ接続できることを確認します。

まずはOCI管理コンソール上から、vSphere Client(vCenterの管理UI)のURL・ログイン情報をテキストに控えておきます。


vCenter情報確認画面

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踏み台サーバーへログインし、ブラウザのアドレスバーに控えておいたvSphere ClientのURLを入力します。


vSphere ClientのURL入力画面

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「LAUNCH VSPHERE CLIENT」を選択します。


vSphere Client起動画面

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控えておいたユーザー情報を入力し、LOGINを選択します。


vSphere Clientユーザー情報入力画面

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vSphere Clientにログインできることを確認します。クラスタ名やESXiホスト名が、OCI管理コンソール上で指定したものとなります。

vSphere Clientログイン画面

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まとめ

今回は実際にOCVSの作成から、vCenterへの接続までの手順を紹介しました。

オンプレミス環境と比較して環境の作成が容易であることも、OCVSのメリットの1つと思いますので、ぜひVMware環境の移行先としてOCVSへの移行をご検討ください!

今後もOCVSに関する記事を執筆予定ですので、お楽しみに!



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