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Oracle Cloud VMware SolutionでのVMware HCX環境構築手順(後編)
前回の記事でOCVS)でHCXを利用するための前提となる手順の前半をお伝えしました。本記事では後続の手順であるサービスメッシュ作成・L2延伸手順を記載し、仮想マシンを移行できる状態、つまりHCX環境の構築完了までを説明します。
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前回の記事『VMwareをOracle Cloudで利用するメリットとは?』では、Oracle Cloud VMware Solution(以下、OCVS)の概要やオンプレミスと比較したときのメリットをお伝えしました。
本記事では、実際にOCVSを構築する手順、および作成したvCenterへ実際に接続する手順についてお伝えします!
Index
今回は、以下のように作業端末からOCI上の踏み台サーバーへ接続し、そこからOCVSへ接続する構成とします。
OCVSを構築する前に、あらかじめOCVSを配置するVCN(仮想クラウドネットワーク)を作成しておく必要があります。
今回は事前に以下のVCNを作成しました。
・VCN名:kka-ocvs-vcn
・CIDRブロック:10.0.0.0/16
それでは実際にOCVSを構築していきましょう!
前回のブログで触れたとおり、OCVSはSoftware-Defined Data Center(以下、SDDC)によって一元管理されることになるため、SDDCを作成していくことでVMware環境の構築を進めていきます。
OCI管理コンソールの左上のメニューから「ハイブリッド」>「VMwareソリューション」と進めます。
コンパートメントが正しいことを確認した上で、「SDDCの作成」を選択します。
SDDCの基本情報を入力します。本例では、以下のような設定としています。
・SDDC名:kka-ocvs-sddc01
・VMwareソフトウェアのバージョン:8.0 update 2
・HCXライセンス・タイプ:Advancedライセンス
・SSHキー:既存のキーを使用
続いて、vSphereクラスタの設定へ進んでいきます。「管理クラスタの定義」を選択します。
まずはESXiホストの設定を入力します。本例では、以下の設定としています。
・クラスタ名:kka-ocvs-cluster
・ホスト・タイプ:複数ホストSDDC
・ESXiホストの数:3
・ESXiホストの接頭辞:kka-ocvs-esxi
・クラスタ・ハートウェア・タイプ:Intel BM.Standard2.52
・OCPUコア数:12
・価格設定コミットメント:毎時コミットメント
次に、クラスタのネットワーキングの設定を入力します。本例では、以下の設定としています。
・VCN:kka-ocvs-vcn(1CIDR:10.0.0.0/16)
・サブネットとVLAN:新規作成
・SDDCクラスタ・ネットワークのクラスタCIDR:10.0.0.0/24
・NATゲートウェイ名:kka-ocvs-NATGW
次に、データストアの設定を入力します。
デフォルトで8TBのデータストアが作成されます。今回の環境は再構築後にデータストアの拡張やvMotionの検証も予定している(本記事では触れていません)ため、本例では以下の名前で3TBのデータストアを2つ作成しています。
・kka-ocvs-blockvol01
・kka-ocvs-blockvol02
データストアで使用する仮想ディスクを作成するために、「ブロック・ボリュームの作成」を選択します。
ブロックボリュームの「名前」、「ボリューム・サイズ」を入力します。
同様にもう1つブロックボリュームを追加し、「ワークロード・データストア」に合計2つのデータストアが表示されることを確認します。
SDDCやESXiホストの起動停止などを通知することも可能です。
今回の例では、無効のままでウィザードを進めます。
ここまで入力したクラスタの設定を確認します。
SDDCの設定を確認し、問題ない場合にはSDDCの作成を選択します。
サマリー画面に遷移します。状態が「作成中」となったことを確認します。
2時間半ほど待つと、状態が「アクティブ」となりSDDCの作成が完了します。
vSphere ClientやNSXマネージャなどのURLも表示されます。
以上がOCVSの作成手順です。オンプレミスの環境でESXiホストやvCenterなどのサーバーを構築してメディアをインストールしていくよりも、はるかに容易であることがお分かりいただけたかと思います!
構築したvCenterへ接続できることを確認します。
まずはOCI管理コンソール上から、vSphere Client(vCenterの管理UI)のURL・ログイン情報をテキストに控えておきます。
踏み台サーバーへログインし、ブラウザのアドレスバーに控えておいたvSphere ClientのURLを入力します。
「LAUNCH VSPHERE CLIENT」を選択します。
控えておいたユーザー情報を入力し、LOGINを選択します。
vSphere Clientにログインできることを確認します。クラスタ名やESXiホスト名が、OCI管理コンソール上で指定したものとなります。
今回は実際にOCVSの作成から、vCenterへの接続までの手順を紹介しました。
オンプレミス環境と比較して環境の作成が容易であることも、OCVSのメリットの1つと思いますので、ぜひVMware環境の移行先としてOCVSへの移行をご検討ください!
今後もOCVSに関する記事を執筆予定ですので、お楽しみに!
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