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Oracle Cloud VMware Solutionを構築してみました!
前回の記事でOCVSの概要やメリットをお伝えしました。 本記事では実際にOCVSを構築する手順、および作成したvCenterへ実際に接続する手順をお伝えします!
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OCI ComputeのWindowsサーバーにおける管理者ユーザーのパスワードリセット方法を、以下の記事でご紹介しました。
本記事では、別の方法として「インスタンス・コンソール接続」で、より簡単にパスワードをリセットする方法をご紹介します。
Index
インスタンス・コンソール接続は、主に実行中のインスタンスに「セキュア・シェル(SSH)」接続や「リモート・デスクトップ」接続ができない場合に、トラブルシューティングを目的として利用します。インスタンス・コンソール接続には、以下の方法があります。
シリアル・コンソール接続は、キーボードでテキストを打ち込む方法です。一方で、VNCコンソール接続は、マウスとキーボードでの入力が可能なGUIベースの方法です。今回の接続先はWindowsサーバーのため、GUIで操作できるVNCコンソール接続を利用します。
「別インスタンスを作成する方法」と「VNCコンソール接続を利用する方法」を比較した結果は、以下のとおりです。
別インスタンスを作成する方法 | VNCコンソール接続を利用する方法 | |
バックアップ取得 | ブートボリュームを操作するため、 バックアップ取得が必要> | 不要 |
アプリケーションのインストール工数 | インストール不要 | PuTTY、VNC Clientのインストールが必要 |
追加課金 | 新規に別のインスタンスを作成するため、課金が発生する | 課金は発生しない |
全体作業時間 | 長い> | 短い |
サービス影響時間 | 手順開始からが完了までの間サービス停止が発生する | Windowsサーバーのセーフモード起動中はサービス停止が発生する |
VNCコンソール接続をおこなうためには、VNCの接続元にPuTTYとVNC Clientを事前にインストールしておいてください。本記事の接続元は、Windowsマシンを対象としています。
接続元のWindows PowerShellからWindowsサーバーに接続するためには、PuTTYに含まれる plink.exe(*1) と puttygen.exe(*2) を利用します。PuTTYは、こちらからダウンロードできます(他社サイトに移動します)。
(*1)コマンドラインで接続するためのツール (*2)SSHキーペアを作成するためのツール
Windowsサーバーの画面を接続元から操作するには、VNC Client(*1)を使用します。今回は、VNC ClientとしてRealVNC Viewerを利用します。RealVNC Viewerは、こちらからダウンロードできます(他社サイトに移動します)。
(*1)リモートデスクトップのようにネットワーク上のサーバーに接続してGUI画面を操作するためのツール。上記以外にも複数のツールが提供されています。
PuTTYgenにて、SSHキーペア(秘密鍵と公開鍵)を作成します。
1.PuTTYgenを起動します。
2.「Generate」を選択します。
3.マウスカーソルを動かして、SSHキーペアを作成します。
4.作成された公開鍵は、後述の手順にて利用するため、テキストエディタに保存します。
5.「Public key for pasting into OpenSSh authorized_keys files:」に出力された文字列をコピーします。
文字列の最初から最後までコピーしてください。
コピー例:「ssh-rsa AAAAB3NzaC1yc2EAAAADAQA***********… rsa-key-name」
6.コピーした文字列は、テキストエディタにペーストします。
7.「Save private key」を選択して、秘密鍵を保存します。
8.「Are you sure you want to save this key without a passphrase to protect it?」と表示されるので「はい」を選択します。
9.任意のファイル名で、秘密鍵を保存します。今回は、C:\oci_work\rsa-key-vnc.ppk とします。
作成した公開鍵と秘密鍵を利用して、VNCコンソール接続をおこなうための文字列を作成します。
1.OCIコンソールから「インスタンス > 対象のインスタンス」を選択し、インスタンスの詳細画面を開きます。
2.左下の「Resources」から「コンソール接続」を選択します。
3.「ローカル接続の作成」を選択します。
4.「公開キーの貼り付け」を選択後、「SSHキーペアの作成」の手順6で、テキストエディタに保存した文字列を「SSH公開キー」にペーストします。
5.画面下部の「コンソール接続の作成」を選択します。
6.作成されたコンソール接続の右側にある「…」を選択し、「WindowsのVNC接続のコピー」を選択します。
7.コピーした内容をテキストエディタにペーストします。
コマンド内に以下のパスが確認できるので、作成したppkファイルが保存されているフルパスに置き換えます。
【コマンド内のパス】
$env:homedrive$env:homepath\oci\console.ppk
【ppkファイルのフルパス】
C:\oci_work\rsa-key-vnc.ppk
※修正箇所は2か所あります。
※コマンド実行時は、1行で実施するので改行は入れないでください。
【修正例】
▼置き換え前
Start-Job { Echo N | plink.exe -i $env:homedrive$env:homepath\oci\console.ppk -N -ssh -P 443 -l ocid1.instanceconsoleconnection.oc1.ap-tokyo-1.・・・ -L 5905:ocid1.instance.oc1.ap-tokyo-1.・・・:5905 instance-console.ap-tokyo-1.oci.oraclecloud.com }; sleep 5; plink.exe -i $env:homedrive$env:homepath\oci\console.ppk -N -L 5900:localhost:5900 -P 5905 localhost -l ocid1.instance.oc1.ap-tokyo-1.・・・
▼置き換え後
Start-Job { Echo N | plink.exe -i C:\oci_work\rsa-key-vnc.ppk -N -ssh -P 443 -l ocid1.instanceconsoleconnection.oc1.ap-tokyo-1.・・・ -L 5905:ocid1.instance.oc1.ap-tokyo-1.・・・:5905 instance-console.ap-tokyo-1.oci.oraclecloud.com }; sleep 5; plink.exe -i C:\oci_work\rsa-key-vnc.ppk -N -L 5900:localhost:5900 -P 5905 localhost -l ocid1.instance.oc1.ap-tokyo-1.・・・
修正したVNC接続文字列を接続元から実行して、接続先とVNCコンソール接続を確立します。
1.接続元にて「Windows PowerShell」を「管理者として実行」します。
2.修正したコマンドを実行します。「Access granted. Press Return to begin session.」の出力後に、「Enter」を押下します。PowerShellのコンソールは、接続状態を維持するため、そのままにします。
※コマンドは1行で実行ください。
1.接続元でRealVNC Viewerを起動します。
2.RealVNC Viewerのアドレスバーに「localhost:5900」を入力し、Enterで実行します。
3.接続先Windowsサーバーのログイン画面が表示されます。
Administratorユーザーでログインするため、Windowsサーバーをセーフモードで起動します。Administratorユーザーは、通常モードでは無効になっていますが、セーフモードで起動した場合はログインすることができます。セーフモードの実行中は、ネットワークに接続されていない状態のため、他のクライアントからは接続できません。
1.ロックを解除するため、画面上部を右クリック後「Send Ctrl + Alt + Del」を選択します。
2.画面右下の電源ボタンから「再起動」を選択します。
3.Windosサーバーの再起動中に、「F5キー」を押し続けて、「Windowsブートマネージャー」を起動します。
4.画面上部を右クリック後「Send F8」を選択して、「詳細ブート オプション」を表示します。
5.「セーフ モード」を選択します。
セーフモードで起動後、Administratorユーザーでログインします。
1.「opcユーザー」と「Administratorユーザー」が表示されるので、「Administratorユーザー」を選択します。
2.Administratorユーザーのパスワードを変更するように求められます。
3.パスワードを入力し、ログインします。
4.Administratorユーザーでログインされ、「セーフモード」のデスクトップが表示されます。
Administratorユーザーで、opcユーザーのパスワードをリセットします。
1.Windowsのスタートボタンを右クリックして「コンピューターの管理」 >「ローカル ユーザーとグループ」 > 「ユーザー」 に移動します。
2.「opc」ユーザーを右クリックして、「パスワードの設定」を選択します。
3.「opc のパスワード設定」画面が表示されるので、「続行」を選択します。
4.「新しいパスワード」を入力後、「OK」を選択します。
現在、セーフモードで起動中のため、通常モードで起動し直します。通常モードで起動した時点から、クライアントからの接続が可能です。
1.Windowsのスタートボタンをクリックして「電源」>「再起動」を選択します。
2.接続元で起動していた「PowerShell」と「RealVNC Viewer」を閉じます。
以上で、opcユーザーのパスワードリセットは完了です。事後作業として、本作業で行った設定を戻します。
Windowsサーバーへの接続に利用したVNCコンソール接続を削除します。
1.対象のコンソール接続の一番右側にある「…」を選択して、「削除」します。
PuTTYgenで作成したSSHキーペアのファイルを削除します。
今後、PuTTYやRealVNC Viewerを利用しない場合は、アンインストールします。
「VNC接続文字列の実行」の手順で「FATAL ERROR: Network error: Connection refused」が発生した場合は、以下をご確認ください。
Oracle Cloud InfrastructureでVNCコンソール接続を作成することによるコンピュート・インスタンスのトラブルシューティング
シリアル・コンソールでsshできないインスタンスのトラブルシュートをする
本記事は、トラブルシューティングを目的としています。作業は、セキュリティ面に十分ご注意いただき、実施してください。なお、本記事のようなトラブルを未然に防止する意味でも、「パスワード管理の仕組み作り」が重要と考えます。あわせてご検討いただけますと幸いです。
2012年アシストに中途入社。InfiniDBとVerticaのフィールド、サポート業務を経験し、現在は、主にVerticaとOracle Cloudのサポート業務に従事。
趣味は、ビール、ジム、サッカー観戦、スーパー銭湯、投資信託。
好きな言葉は「元気があれば何でもできる」。
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