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2024.11.06

AIスプロール(AI Sprawl)へのGleanの解決策

「AIスプロール」は、皆さまも注目されているワードでしょうか?

これまでにも、SaaSスプロール、データスプロール、VMスプロールなど、急速に広まりつつある現象になぞらえて使われてきたワードですが、「AIスプロール」は2024年の後半から特に現実味をもった課題として取り上げられています。

今年のガートナーのサミットやカンファレンスでも、アナリストセッションでよく聞く機会がありました。
実際に現地でセッションに参加してきたアシストの社員は「AIスプロール」をどう見ているか、まずはご紹介させていただきます。



先日東京で開催されたGartner IT Symposium/Xpo™ 2024でも、多くのお客様から「各製品にAIが搭載され、活用方法や費用面を含め対応を考えている」との話題が出ており、CIOやIT部門は、まさに現在「AI Sprawl(AIスプロール)」の課題に直面している印象を受けました。

私は9月にも、ゴールドコースト(オーストラリア)で開催された同イベントに参加してきたのですが、AI Sprawlは活発な議論のテーマの1つになっており、先行する海外での実情を垣間見てきたところです。

SaaSベンダーが次々にリリースする生成AI機能は期待値の高いものが多いですが、ベンダーロックインやITコスト、ガバナンスなどの観点も踏まえ、AI Sprawl時代にどう向き合っていくかが今後より重要になってくるのではないかと思います。

株式会社アシスト Glean事業責任者 佐子 雅之



ソフトウェア商社の立場として、各製品に生成AI機能が実装される場合のコスト管理や機能の重複に懸念は持っていました。

もちろん個々の製品が価値を最大化するために生成AI連携すること自体は重要なのですが、「全員が利用できる基盤」があって初めてそれぞれのツールで使うべき人、かけるべきコストが明確化できると考えています。

AIスプロールはまさにその課題を明文化したものであり、自社導入を通してGleanは「全員が利用できる基盤」を実現するプロダクトであることがあらためて実感できています。

株式会社アシスト 生成AI全社実践プロジェクト 全社CoEリーダー 松山 晋ノ助


AIスプロールとは

それでは「AIスプロール」とは何か、詳しくみていきたいと思います。

生成AIの急速な普及によって、生成AI機能が搭載されたSaaSが企業や組織内に数多く導入され、無秩序に広がって管理や統制が難しくなる現象がAIスプロール(AI Sprawl)とよばれています。

どのような時にAIスプロールが起きやすくなるかというと、このようなケースが想定されます。

  • 現在利用しているSaaSに新しく生成AIの機能がリリースされたので、オプションで追加して機能拡張したり、プランやエディションをアップグレードして生成AIを使う
  • 生成AIの専用ツールとして、新たにSaaSを導入する
  • IT部門は承認していないが、従業員が個人的に利用している生成AIサービスを業務でも利用する

AIスプロールの問題とは

AIスプロールの主な問題点は、以下のようにまとめられます。

シャドーAIも喫緊の課題ですが、今回の記事のテーマからは、1と2に焦点を当てていきたいと思います。

この記事では、AIスプロールに対してのGlean(グリーン) での解決策をご紹介していきます。

Gleanでの解決方法

AIスプロールについては、Gleanの創設者兼CEOのArvind Jain氏が来日した際に解決策を述べています。

2024年6月にアシストが開催した「ナレッジイノベーション2024」でのセッションから、ご参加くださった国内企業のエグゼクティブの方々との対話を引用しながら紹介していきたいと思います。


1)コストに対するGleanの提案


生成AIのツールやサービスを購入するときに、コストが問題になることはありませんか?
10個、20個も、AI機能を買い増すことについてです。

わが社では、生成AIをどんどん活用していこうという機運で購入しています。
ただ、生成AIの新機能を既存の契約に追加しようとすると、付加価値は上がるけれど、価格もプラスになる。AIが搭載されるたびにライセンスのコストが上がってくると、全社員分ともなれば膨大な金額になります。そこで今は、対象のサービスと適用範囲を絞りながら、PoCの成果を見ながら導入している状況です。

重要なポイントです。生成AIは、ビジネスバリューをもたらすことは間違いありませんが、IT部門の予算を度外視してまで無制限に生成AIを採り入れるかと言えばそうではないでしょう。

Gleanのアプローチとしては、1つの場所にデータや知識を持って来ることで、1つのツールのみで生成AIを活用できることです。
生成AIのひとつの大きなユースケースとしては、要約や、質問に対する答えの提供、そしてデータの分析です。これは、様々な生成AIツールがもたらす効果と非常に似通っています。そうであれば、1ヵ所にデータを集めて、そこに対してAIを使うのは有効な使い方ではないでしょうか?

Gleanなら、たったひとつの入口からすべてのエンタープライズナレッジをつなげて使え、企業が蓄えているナレッジを享受できるようになります。今皆さんが利用しているSaaSを連携させたうえで、ターンキー的なソリューションとして、あたかもGoogleやChatGPTを使っているような感覚ですぐに使えます。

そしてGoogleやChatGPTと大きく違うのは、エンタープライズ内のデータを余すことなく使えるということです。Gleanの優位性は、速やかにデプロイすることができて、すべての従業員一人ひとりがAIのパワーを使えるようになるということです。そのための開発にリソースを割く必要もありません。



エンタープライズ向けのAIの将来的な見通しやビジョンは、今後どうなりそうですか?

現在は、個々のSaaSプロダクトがそれぞれにAI機能を搭載し始めているので、プロダクトごとに費用が発生している現状です。

しかし将来的には、「AI機能を追加したから価格がこれだけ高くなります」というのは成立しなくなると思っています。AIは当たり前になるからです。プロダクトがスマートだから購入する、というのは大前提であり、それにAIが搭載されていたとしても、それは無料で使えるようになるべきです。
これは、まさにGleanのビジョンです。

SalesforceやSlack、Box、Google Workspaceといった主要なSaaSにGleanのAPIを提供しているのは、AIに関してすべてのデータをGleanのプラットフォームに集約するためで、あらゆるSaaSが使えるようになる将来が近づいてきています。

2)セキュリティとガバナンス


私たちの会社でもAIの活用を検討しているところですが、いざ生成AIで社内のデータを使おうとしても、クラウドに正しいデータが整然と揃っているかというとそうではなく、わりと雑然と置かれていることが少なくありません。
こういったデータをもとにして、エンタープライズレベルで信頼ある回答を生成していけるのか、不安があります。

データクリーンアップの問題ですね。
企業のデータ資産のなかに使えないデータが多く含まれているのは、米国でも大きな課題だと認識されています。なぜなら、企業内のナレッジを活用して業務を向上させようと思っても、そこに誤ったナレッジが混在してしまうと、むしろ有害になってしまうこともあるからです。

ですから、企業で扱うデータは、100%正確でなくてはなりません。回答は事実に基づいて正確でなければならず、Gleanは質問に対して正確な回答を提供できるように日々チャレンジしています。

Gleanは結果の生成にあたって、データの品質を確認します。更新されているか、ファイルは最新版か、Gleanを入れることによってデータの判断を自動化し、そのデータに基づいた回答を生成します。

あわせて、その質問に関連して社内にはこういう専門性を持った人たちがいるという、人とナレッジの関係性を含めて掌握して回答できるので、世界で最高の本当に使えるAI、RAGプラットフォームだと自信をもって言うことができます。

生成AIの利用にあたっては、セキュリティリスクは避けて通れない問題です。
多くのSaaSに接続して、それらのデータをもとに生成される回答には、本来なら閲覧できない情報が含まれてしまう、といったことは起こり得ませんか?

生成AIによる回答や情報は、情報の閲覧やアクセスが許されている人にだけ提供するのか? 答えはYesでなければなりません。
私たちが仕事をする上では、既に非常に多くのシステムやサービスを使っており、そこには多岐にわたって情報が存在しています。複雑な環境に対応して生成AIを使わなければならないわけです。

先ほどの質問にもっと正確に答えるなら、Gleanでは、例えば私がGleanに何かを質問した場合、接続しているすべてのSaaSごとに私のアクセス権限を確認し、私がアクセスできる権限の範囲内で情報を取得して、その情報から回答を生成します。

ですから、Gleanが提供する回答の中には、私がアクセスできないドキュメントから情報を持って来たり、本来なら知ることのできない情報が含まれているということは起こり得ません。自分が許可された範囲の情報のみを閲覧するので、セキュリティとプライバシーが保たれています。

Gleanは、信頼されるAIプラットフォームを実現しています。なぜかというと、企業が持つデータを結びつけること、それをナレッジとして提供できることを目指しているからで、エンタープライズレベルで求められるガバナンスや権限管理をしっかり理解したうえでの革新的な生成AIソリューションとして進化し続けています。

まとめ

生成AIが企業内に続々と導入されて、AIスプロール化が進み始めると、ライセンスコストやセキュリティ、ガバナンスが課題になってきます。

これらの課題は、Gleanを生成AI活用の扉にすることでシンプルに解決できます。ベンダー個別の実装も、適用するAppsの数も気にする必要はありません。

クラス最高のエンタープライズ検索と最先端のRAGテクノロジーを採用した生成AI機能、ナレッジを便利に安全に展開できるGleanをぜひ一緒に使ってみませんか?



執筆者情報:

古賀 智美
2001年にアシスト入社。AIやBI分野のマーケティングを経て、2023年より「Glean」の日本国内での立ち上げに参加。マーケティングマネージャー。
アシストでの生成AI全社実践プロジェクト「1GAN」のCoE。

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