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株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
京都に住んで21年になります。京都に住むガイジンは日本の文化や芸術に造詣が深いというイメージがあるらしく、お寺や神社に興味があるのですかと、よく聞かれます。正直いうとあまり興味はなく、仏教や神道について書いてある本を読むのは好きですが、建築物や美術品を見に行きたいとは思わないのです。
お寺に限らず、世界のどんな立派なモニュメントもあまり興味がないし、自然の山や森を歩いたり、または自宅の菜園で野菜をいじっているほうが落ち着きます。それに身体が固いので、日本での生活のほうがアメリカより長くなったにもかかわらず、いまだにお寺での正座も胡坐も苦手です。
ただ、京都のお寺や神社は美しい自然と共にあるので、歩く目的ではよく行きます。同じく、市ヶ谷では、靖国神社が散歩道です。
先日、あるグループからスピーチを依頼され、会場となった奈良のお寺へ行きました。奈良と京都は近いとはいえ、観光で奈良へ行くことはないので、とても久し振りでした。奈良名物の「柿の葉寿司」も頂きました。とても美味しかったです。
スピーチは、写経をする部屋で行われたので、昔の寺子屋はこんな感じだったのだろうかなどと思いながら、参加者のお顔を拝見しながら、日本の経済のことや社会のことなどについて話させてもらいました。
部屋の後ろにはお坊様が座られていて、私の話を聞いてくださっていました。だからというわけではありませんが、仏教の教えで自分が一番気にいっている言葉、そして今日本人が思い出さなければいけない言葉は、「足るを知る」ではないか、という話をしましたら、参加者だけでなく、お坊様もうなずかれていたのが印象的でした。
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