アシストのブログ

  • 鴨川だより
2019.07.16

鴨川だより~アクアポニックス~

株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン


6月18日の夜、山形・新潟で震度6の大きな地震がありました。翌19日は新潟県のお客様を訪ねることになっていたので、状況がわからず迷いましたが新幹線が再開していたので長岡へ向かい、予定通りお客様を訪問することができました。

午後はデータセンターの見学でした。地盤が堅固で液状化リスクのない砂礫層の上に、大地震がきても大丈夫な免震構造で建てられているだけあって今回の地震でも全く問題はなかったというデータセンターは、東京からの移動時間と、豪雪地の特徴を生かして雪氷と外気を利用した空調システムにより空調電気を大幅に削減できること、地元自治体との協力体制などの条件から、長岡に作られたそうです。

データセンター_1

データセンター_2


近年、ビッグデータやAIなどで利用される高性能なサーバーが増え、処理能力に伴い電力消費量、発熱量も増大しています。発熱量が増えれば当然冷却にかかるエネルギーも増えるわけですが、データセンターの後はその隣で行われているグリーンエナジーへの取り組み、「アクアポニックス」を見学させていただきました。今後、排熱と冷熱を利用して水産養殖(アクアカルチャー)と水耕栽培(ハイドロポニックス)に活かす実証実験を開始する予定だそうです。

私の菜園もそうですが植物を育てるには大量の水が必要です。アクアポニックスは、水槽で魚を養殖し、その水を水耕栽培プラントにポンプで循環するという完全循環式農法で水を全く変えないそうです。魚の排泄物を水中のバクテリアが分解したものを野菜は養分として取り込むので肥料は不要ですし、野菜の根が自然のフィルターとなり浄化された水はまた魚の水槽にもどるという、まさに持続可能型の新しい農法なのです。

液肥やLEDによる水耕栽培は知っていましたが正直言って土を使わない農法には興味がわきませんでしたが、アクアポニックスは驚きました。この会社は昨年、経産省が後援するイノベーションリーダーズサミット2018で参加したベンチャー558社の中で「トップ20スタートアップ」に選出されたとのことですが、これから話題になることは間違いありません。昨今のテーマであるSDGsへの対応とこれからの食糧生産モデルとして日本が取り組むべき新しい産業の姿を見せていただきました。今秋にはプラントが稼働するとのことですので、また長岡にきてアクアポニックスで育ったチョウザメやトマトをぜひ味わってみたいと思います。

集合写真


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