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Qlik Automate活用術#モニターアプリを簡単に導入する方法
本記事では、Qlik Automateの「Qlik Cloud Monitoring Apps Installer」テンプレートを使用した、モニターアプリの簡単な初期導入・更新手順をご紹介します。
別のQlik Senseアプリケーション(以下アプリと記載)から、データのみを簡単にロードできたらいいのにな~、と思ったことはありませんか?そんな時は、Binary文を使ってみましょう!
Binary文は、データの読み込みを効率化できるステートメントで、別のアプリからデータを簡単に読み込むことができます。ここでは、Binary文の活用例、基本的な使い方から注意点まで、詳しくご紹介します。
Qlik Sense(またはQlikView)のデータロードで、ロード スクリプトの一部として使われるものです。
これを使うことで、qvfファイル形式(またはqvwファイル形式)などの、別のアプリからデータを取り込むことができます。既存のQlik Sense(またはQlikView)アプリのデータモデルを、そのまま別のアプリにコピーできるということです。アプリのデータを直接読み込むため、データソースからのリロードや、リロード時の再計算はいりません。大量のデータや複雑なデータモデルを使用する場合でも、ロード時間を削減することができます。
データの再利用性を高めるための、便利なステートメントですね!
一例をご紹介します。
・大規模なデータモデルの再利用:
 大規模なデータモデルを持つアプリが既に存在し、そのデータモデルを新たなアプリでも利用したい場合、
 Binary文を使用すると効率的にデータを取り込むことができます。
・データモデルのバージョン管理:
 データモデルの変更履歴を管理するために、Binary文を使用することもできます。
 既存のデータモデルをBinary文を使って新たなアプリに取り込むことで、その時点のデータモデルのみを、
 別のアプリという形で保持しておくことができます。
・データモデルの検証:
 既存のデータモデルに少し変更を加えたいなど、検証利用も非常に有効です。
 新たなアプリで検証を行うため、本番環境に影響を与えることなく、安全にデータモデルのみを取り込み、
 改善を試みることができます。
※「2023年11月時点のSaaS」で作成しています。
<設定方法>
1) 新規または既存のアプリで、[データ ロード エディタ]を開きます。
2) 一番はじめの行に「Binary [アプリID];」のようにデータを取り込みたいアプリIDを指定して、
  データをロードします。
  ※アプリIDは、Qlik Sense SaaSのホーム画面で、対象のアプリの[…(他のアクション)]-[詳細]
   から確認できます。
記述例) Binary [8e2d9f95-3161-44de-9b02-e59bbe42410b];
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これで、指定したアプリIDのデータを取得することができます。とても簡単ですね!
※「Qlik Sense November 2023」で確認しています。
オンプレ版では、アプリIDを指定してQlik Sense Hub上のアプリを直接読み込むことができません。
Qlik Sense Hub上のアプリのデータを取得したいときは、一度qvfファイル(.qvfファイル)として
エクスポートする必要があります。
<アプリのエクスポート手順>
1) [Qlik Management Console(QMC)]を開き、[Apps]タブをクリックします。
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2) 一覧から該当アプリを選択し、[More actions]-[Export]をクリックします。
  ※取り込みたいアプリを「testapp.qvf」とします。
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3) [Export app with data]と[Export app to a local drive]のチェックがオンになって
  いることを確認し、[Export]をクリックします。
  ※チェックボックスがない場合、チェックは不要です。
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<設定方法>
1) 新規または既存のアプリで、[データ ロード エディタ]を開きます。
2) [接続の新規作成]より、データを取り込みたいアプリフォルダへのデータ接続を作成します。
  ※ここでは、取り込みたいアプリをQlik Senseサーバーマシンのローカルフォルダ
   「C:\work\KKA\testapp.qvf」に配置し、[フォルダ]を選択するとします。
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3) [パス]に取り込みたいアプリフォルダを指定し、任意の名前(※ここでは「my_binary_lib」とします)を
  設定します。[作成]をクリックして接続定義を作成します。
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4) 一番はじめの行に「Binary [lib://・・・/qvfファイル名.qvf];」のように指定して、 データをロード
  します。※データを取り込みたいアプリの接続定義とファイル名を指定します。
記述例) Binary [lib://my_binary_lib (qssup05_administrator)/testapp.qvf];
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※「QlikView May 2023」で確認しています。
<設定方法>
1) 新規または既存のアプリで、[ロード スクリプトの編集]画面を開きます。
2) 一番はじめの行にマウスカーソルをあわせ、[QlikView ドキュメント...]を選択します。
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3) [QlikView ドキュメントを開く]画面が表示されますので、取り込みたいアプリを選択して[開く]を
  クリックします。
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4) Binary文の記述が自動で追加されますので、[リロード]をクリックしてデータをロードします。
記述例) Binary [c:\work\kka\testapp.qvw];
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QlikViewでは、自動でスクリプトを生成してくれます。こちらもとても簡単ですね!
1.スクリプトの最初に記述する
 [データ ロード エディタ]のスクリプトで、最初のステートメントとして記述する必要があります。
 それ以降に記述すると無視されます。
2.アプリ内で1度しか使えない
 スクリプトの中で、Binary文は1回のみ使用できます。
3.qvfファイル(またはqvwファイル)のみ読み込みできる
 qvfファイル形式(またはqvwファイル形式)のアプリからのみ、データを取り込むことができます。
 他の形式のデータソースから値を取り込む場合は、Binary文は使用できません。
 ※Qlik Sense SaaSでは、SaaS上にあるアプリから直接データを取り込むことができます。
  アプリをqvfファイルとして一旦エクスポートする必要はありません。
4.データのみ読み込み可能
 チャート、シート、レイアウト情報、変数など、データ以外の情報はロードすることができません。
 (Qlik Senseのストーリー、ビジュアライゼーション、マスターアイテムなどもロードできません。) 
 Binary文は、データのみ読み込みが可能です。
5.データモデルをそのまま読み込む
 Binary文は、もとのアプリのデータをそのままの状態で取り込みます。一部のデータを取り込むなど、
 条件を設定してデータを取り込むことはできません。※特定のデータのみを取り込みたいときは、
 Binary文のあとにDrop table文やDrop field文で不要なテーブルや項目を削除してください。
いかがでしたでしょうか。Qlik SenseやQlikViewのBinary文は、データの取り込み作業を効率化できる強力なアイテムで、使い方もとても簡単です。データの読み込みだけでなく検証利用やデータ管理に使えるなど、活用の方法もさまざまです。Qlik SenseやQlikViewのさらなる活用に、ぜひお役立てください!
 
      本記事では、Qlik Automateの「Qlik Cloud Monitoring Apps Installer」テンプレートを使用した、モニターアプリの簡単な初期導入・更新手順をご紹介します。
 
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