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ストーリーテリングで分析結果を簡単に共有!(その2)
今回はスライドに文字や図形を追加する方法や、作成したストーリーの共有・出力方法ついてお伝えします!
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データ分析が大事なのは分かるけど、
「何からどうやって考えていけばいいの・・・?」 や
「Qlik Senseを使うにしても、どこからどう使えばいいか分からない・・・?」
というような、データ分析に興味はあるけど初心者です!という方向けにデータ分析の基本をお伝えします。
今回の記事では、分析を行う際の基本要素「メジャー」と「軸」についてご説明します。
Qlik Senseを使いこなす上でも特に重要な考え方となりますので是非ご一読ください。
※本記事は バージョン「February 2021」で作成しています。
データ分析に限らず一般的な話ですが、要素に分けてはっきりさせることです。
例えば・・・、
A店とB店の売上データは双方とも5000万円です。一見すると同じような店であるように見えます。
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これでは分析が不十分で、詳細な状態がわかりません。
そこに「年度」データを加えて、年度を視点に分けてみます。これにより「いつ」の売上なのか詳細がはっきりします。
A店は2年間の合計売上が5000万円、B店は1年間の売上が5000万円だったことが分かりました。この結果より、B店の方がA店より売上規模が大きい店だと判断できます。
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上記は単純な例ですが、同じように見える「5000万円」という情報が、データ分析することで、全く違う情報となって返ってきます。
データや視点が増えれば、更に違った情報を返してくれます。
これがデータ分析の基本中の基本となりますので、覚えておきましょう。
データ分析の基本がイメージできたら、「データを分ける」ことに視点を置き、
Qlik Senseと照らし合わせながら考えます。
データを分けるにあたって、「何を分けるのか?(分ける対象)」 と 「どうやって分けるのか?(分ける視点)」をしっかりと意識する必要があります。
Qlik Senseでは、これらを「メジャー」と「軸」という表現で、それぞれ実装されています。
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ビジネスの様々な現場で物事や事象を把握したり説明したりするときに、「数値で説明しなさい」「数値で報告しなさい」と言われたことはありませんか?
「たくさん売れています」 → 「たくさんって、何円?何個?」
「みんなが買っています」 → 「みんなって、何人?」
例を挙げると、様々な場面で事象を把握するための数値が出てきます。
この数値こそが分析の対象(分ける対象)ということになり、Qlik Senseでは、この分析対象となる数値を「メジャー」と呼びます。先の例でご覧頂いた売上」は「メジャー」になります。
分ける対象が数値となれば、必然的に様々な視点で分けていくことが答えになってきます。先の例では、「年度」や「地区」といった視点で分けていましたが、この分けるための視点をQlik Senseでは「軸」と呼びます。
一般的には、「分析軸」や「ディメンション」など他の表現が使われることもあります。
「たくさん売れています」
→「関西地区では?大阪では?」
→「先月は?先週は?」
→「高校生向けは?大人向けは?」
いろんな軸がありますが、イメージしにくい場合は、まずは「5W1H」で考えましょう。
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Qlik Sense では、様々な場面で「メジャー」と「軸」が出てきます。データを起点として
データから情報を得るための分析アプローチを自然と促してくれます。
<各種チャートの作成画面イメージ>
各種チャートに、「軸を追加」「メジャーを追加」のボタンが設置されています。
それぞれ、何を「メジャー」とするか、何を「軸」とするかを考えながら分析を始めることができるようになっています。
チャートのプロパティ設定も同様に「軸」と「メジャー」で構成されています。
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Qlik Sense は、取り込んだデータをマスターアイテムとして「メジャー」と「軸」に部品化しておくことができます。これらを整理して、関係者との共や複雑な数式を部品化して再利用する時などに便利な機能となりますので、ぜひご利用下さい。
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ここからは「メジャー」と「軸」について、個別に掘り下げて説明していきます。
まずは「メジャー」ですが、データの中に潜んでいる数値情報を、メジャーとして取り出すにはポイントが幾つかあります。
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メジャーを作成するひとつ目のポイントは数値データの集計です。
Excelでも頻繁に利用されるSUM関数などを用いることで、簡単に集計することができるようになっており、Qlik Senseにも多くの集計関数が用意されています。
例えば、前述のようなデータを主な関数で集計してみると次のような集計値を得ることができます。
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金額をメジャーとして作成する際に、必要な情報は合計金額なのか?平均金額なのか?といったように、分析の目的によって同じ数値項目でも異なるメジャーとして作成することがよくあります。Qlik Senseでは、「KPI」というチャートを使用することでとても簡単に全体集計を画面に表示することができます。
この「KPI」によって表現された数値が、いろいろな「軸」で分ける前の「メジャー」そのものということになります。ぜひ実際の画面で試してみてください!
2つ目のポイントは、件数や値の個数を数えることでメジャーを作成するというやり方です。ここでもお馴染みのCOUNT関数を使用すれば簡単です。下記の例では、メジャーになりそうな数値項目はありませんが、件数を数えることで重要なメジャーが作成されています。
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数値項目のないデータを分析するときに、ぜひ覚えておいてください。
これができれば、顧客マスタデータだけでも顧客の分析が可能です。
売上状況の分析に、目標に対する達成率や営業マン1人あたりの利益などが必要になることがあると思います。都合よく達成率などがデータとして準備されていればよいのですが、なかなかそういったケースはありません。
このような場合は、メジャー同士を計算して新たなメジャーを作成することになります。
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何をメジャーとして設定するかが、データ分析では最も重要です。
分析対象となるデータに応じてメジャー作成の難易度は変わってきますが、まずは上記3つのポイントを意識しながら、Qlik Senseを使って分析にチャレンジしてみてください。
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「メジャー」は分析の対象なので、ある程度特定しやすかったのですが、「軸」については分析の目的によって視点や組み合わせなど大変複雑になりがちです。
ここでは最も分かりやすい「軸」のパターンと構造に絞り込んで、基本的な考え方をマスターしましょう。
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軸に何を設定すべきか迷った時は、「5W1H」のフレームワークを使ってみましょう。
分析したいデータに「5W1H」が含まれているかどうか?どの項目が「5W1H」の
それぞれに該当するのか?実際のデータを見ながら当てはめるだけでも意外に見えてくるものがあります。
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上図はよくありそうな項目を「5W1H」に纏めたものになります。
既に分析軸が決まっている場合でも、データの過不足などの整理にも役に立つので、是非参考にしてみて下さい。
データを「5W1H」で整理できたら、粒度を考えましょう。
データ分析では、メジャーを階層的な細かさで分けることで、様々な情報を得ることができます。例えば「When」を例に取ると、決算用に年単位や期単位で売上を知りたい場合もあれば、直近のキャンペーン成果を知るために、1週間単位で売上を知りたい場合もあります。この場合、年→期→月→週→日と階層ごとの軸が必要となります。
明細レベルのデータがあれば、Qlik Sense に取り込む段階でグルーピングして必要な階層データを作成することができます。柔軟なデータ分析を行うためには、明細データの準備が必要になることも覚えておいてください。
明細データから階層ごとの軸を作成する際、グルーピングの方法によって異なる意味の軸を作成することができます。例えば日付のデータがある場合、[年→年月→年月日]と軸を作成する場合と[年-月-日]とした場合では作成した軸による分析結果が異なります。
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「軸」を決めてからデータ分析を進めることも多いですが、データ分析しながら、どんな「軸」を作成するべきか試行錯誤しながら決めることもあります。
Qlik Sense はデータの取り込みから「軸」の作成/編集も自在に対応できるので、データ分析における試行錯誤を力強くサポートしてくれます。分析の目的に合った「軸」を発見することも、データ分析では重要なアプローチ方法です。
今回はデータ分析の基本をお伝えしましたが、「メジャー」と「軸」を意識するだけでも分析の幅が広がる事をお分かり頂けたのではないかと思います。
これらを意識して、ぜひ分析にチャレンジしてみて下さい。
まとめ
・分析とは物事を分けて細かな点をはっきりとさせること
・データ分析は難しく考える必要はなく、まずは時間や場所などで分けて見る
・「メジャー」と、「軸」を意識すればデータが整理できる
・軸が増えれば、より多くの情報を得ることができる。明細データを使ってみる。
・軸の階層やグルーピング方法を変えて適切な軸を発見しよう。
今回はスライドに文字や図形を追加する方法や、作成したストーリーの共有・出力方法ついてお伝えします!
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