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2022.10.07

スライダーを有効活用

皆様、Qlik Sense で普段使うチャートは何でしょうか?
フィルターはもちろん、棒チャート、ピボットテーブルは鉄板でしょうか。値の相関関係やばらつきを確認するために、散布図等も有効ですよね。
これら標準チャートに加えて、Qlik Sense には、[Qlik Dashboard bundle] や [Qlik Visualization bundle] といった機能も準備されていますが、ご存じでしょうか?

今回は、[Qlik Dashboard bundle] の [Variable input control] についてご紹介したいと思います。この [Variable input control] を使用することで、例えば為替レートをスライダーで調整しながら売上予測の値をシミュレーションする、といったことが可能となります。

今回ご紹介する[Qlik Dashboard bundle] は、SaaS環境でなくても使用可能ですが、お使いの Qlik Sense のバージョンによって利用できない場合もございます。見当たらないという方は一度管理者様にお問い合わせください。

また、先日以下のブログでも紹介させていただきましたが、SaaS環境の編集画面が刷新されます。今回のご紹介する機能は、新しい編集モードでは使用できませんので、リンク先のブログに紹介されている通り、今までの編集モードにてご利用ください。

Qlik Sense SaaS の新しい編集モード

目次

※本記事は「2022年08月時点のSaaS」で作成しています。

Qlik Dashboard bundle について

[Qlik Dashboard bundle] は、画面での操作を助けてくれる機能であり、現在 SaaS では以下の 4 種類が準備されています。
アニメーター(Animator)
Date range picker
変数入力コントロール(Variable input control)
ビデオ プレーヤー(Video player)

例えば、[Date range picker] を使うと、カレンダーから日付を選択することが可能となります。これらは、シートの編集画面左側にある [アセットパネル] の [カスタムオブジェクト] から選択でき、通常のチャートと同様、シート上にドラッグアンドドロップすることで配置できます。

Variable input control の概要

[Variable input control] はその名の通り、変数入力のための機能です。この機能を使って変数を自由に変更し、その変数をチャートの数式に設定することで、チャート上の値をその場で変動させることが可能となります。

変数の設定方法は、今回ご紹介するスライダーを含め、以下の4種類から選べます。
 ・[Buttons(ボタン)]
 ・[Drop down(ドロップダウン)]
 ・[Input box(入力ボックス)]
 ・[Slider(スライダー)]
スライダー以外の設定方法については、以下のヘルプをご参照ください。
 変数入力コントロール

スライダーの設定方法

以下の3ステップで設定します。
①変数の作成
②Variable input control の設定
③チャートの設定



①変数の作成
[シートを編集] ボタンを押下し、左側アセットパネルの下にある [変数] ボタンを押下します。

新規作成の画面となりますので、名前に変数名を、定義に初期値を設定します。今回は名前を「v変数」、初期値を「100」としました。その他の項目については、入力は必須ではありません。
入力したら、[作成]ボタンを押下します。

以上で変数の設定は完了です。
変数は複数作成することができ、本画面のように登録した変数が一覧で表示されます。

②Variable input control の設定
次に、[Variable input control]を画面上に配置します。
[アセットパネル] - [カスタムオブジェクト] - [Qlik Dashboard bundle] と展開し、[Variable input] をシート上にドラッグアンドドロップします。

次にプロパティパネルでスライダーの設定を行います。
・Variable タブ
 Name:手順①で作成した変数を指定します。
 Show as:入力方法を選択します。今回は[Slider]を選択します。

・Values タブ
 Min:スライダーの最小値を指定します。今回は 80 とします。
 Max:スライダーの最大値を指定します。今回は 150 とします。
 Step:スライダーで指定できる 1 メモリの値を指定します。今回は 1 とします。
 Slider label チェックボックス:ON でスライダー上に現在の設定値を表示します。

以上で、[Variable input control] の設定は完了です。以下のように、初期値は変数作成時に指定した 100、最小値は 80、最大値は 150であるスライダーが準備されました。



③チャートの設定
最後に、チャートを配置します。今回は、棒チャートを使います。スライダーで設定する変数は為替相場を想定しています。簡単な例として1ドル100円を想定した [売上] の合計値に対して 100 を掛けたメジャーと、手順①で作成した変数を掛けたメジャーを準備します。
 ・Sum([売上]) * 100
 ・Sum([売上]) * v変数

月ごとの売上合計値を表示します。下記のようにスライダーの値を変更することで、変数を掛けた数式の値が変わっていることが分かります。

スライダー設定値:100

スライダー設定値:125

このように数式に変数を設定することで、スライダーで値を変動させながらチャートで数値を確認することができます。

さいごに

今回はスライダーについてご紹介しましたが、皆様のアプリでも使えそうでしたでしょうか?皆様のアプリがより使いやすいものになり、分析の幅が広まるヒントとなれば幸いです。変数は何もメジャーだけの利用に限られたものではありません。例えば基準線に利用したり、if文での分岐に使用することも可能です。加えて、[Drop down] を選択すれば、数値ではなく文字列を変数に設定させることもできますね。
スライダーとしての利用はもちろんのこと、[Variable input control] の利用用途は沢山あるかと思います。ぜひ皆様もこの記事をきっかけに、[Variable input control] を使ってみてください。

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