Citrixサポートブログ

  • 設計・構築・設定
2019.03.18

XenApp/XenDesktopの構成例(1) ~コンポーネント紹介~

XenApp/XenDesktopの構成例(1) ~コンポーネント紹介~

こんにちは。Citrix製品のフィールド技術を担当している大西です。

今回からXenApp/XenDesktop(現在の製品名はCitrix Virtual Apps and Desktops)の構成についてのお話をさせていただきます。

  • 製品名の変更の詳細はこちら をご参照ください。


では早速構成パターンを…といきたいところですが、私が講師として担当させていただいている、Citrix製品の紹介セミナーの場で、「XenApp/XenDesktopには複数のコンポーネントが存在するため、構成やサーバの必要台数をイメージすることが難しい」というお話を頂戴することがあります。そのためまずは基礎の基礎であるXenApp/XenDesktopのコンポーネントについてご紹介したいと思います。

具体的な構成例については、今後の以下の予定で更新していきます。

1:コンポーネント紹介 ※今回の記事
2:構成パターンと構成上の注意点
3:構成パターンと構成上の注意点(NetScaler Gatewayあり) ※作成予定


ご紹介:ブログ記事のカテゴリ別一覧ページ

公開済みの記事をカテゴリ別に一覧したページを作成しました。公開されている記事を探す際のご参考にして頂けますと幸いです。
【Citrixサポートブログ】カテゴリ別の記事一覧


XenApp/XenDesktopの全体像

最初にXenApp/XenDesktopの全体像をお見せします。

図1.XenApp/XenDesktop全体像

XenAppとXenDesktopの構成例

このように多くのコンポーネントが存在することがご理解いただけたと思います。大枠としての説明は以下の表をご確認ください。

表1.XenApp/XenDesktop全体像の説明

Citrixサーバ環境 XenApp/XenDesktopの管理系コンポーネント
接続先リソース XenApp/XenDesktopを用いてリモート接続させるリソース
(RDSサーバやデスクトップ配信用の仮想マシン)
ユーザ端末 エンドユーザ(XenApp/XenDesktop利用者)端末
基盤 XenApp/XenDesktopを使用するために必須である基盤

それではひとつひとつのコンポーネントを確認していきましょう。


StoreFront

図2.StoreFront

XenAppとXenDesktopの構成例 - StoreFront

「StoreFront」はIIS上に構成され、ユーザが最初にアクセスするポータルを提供するコンポーネントです。ユーザはWebブラウザもしくは専用の接続エージェント(Citrix Receiver)を用いて「Store Front」にアクセスします。


Delivery Controller

図3.Delivery Controller

XenAppとXenDesktopの構成例- Delivery Controller

「Delivery Controller」はXenApp/XenDesktopの中核コンポーネント(いわゆる管理サーバ)です。ユーザ端末と接続先リソースの仲介や、接続先リソースの管理を行います。なお、あくまで道案内的な振る舞いをしますので、実際のリモート接続の通信は「Delivery Controller」を通過しません。


SQL Server

XenAppとXenDesktopの構成例 - SQL Server

「SQL Server」は設定などの静的情報や、ユーザセッションやパフォーマンスデータなどの動的情報を格納するためのデータベースです。XenAppの以前のバージョン(6.5以前)ではMicrosoft SQL Server以外の選択肢もありましたが、現行バージョンではMicrosoft SQL Serverが必須要件となります。


Citrix License Server

図5.Citrix License Server

XenAppとXenDesktopの構成例 - Citrix License Server

「Citrix License Server」はXenApp/XenDesktopの製品ライセンスを管理するコンポーネントです。接続先リソースへのログオン/ログアウト時に、ライセンスのチェックイン/チェックアウトを行います。なお、製品を購入するとCitrix My Accountページよりライセンスファイルが発行出来るようになります。ライセンスファイルを「Citrix License Server」にインポートすることで製品は使用可能となります。


Virtual Delivery Agent

図6.Virtual Delivery Agent

XenAppとXenDesktopの構成例 - Virtual Delivery Agent

「Virtual Delivery Agent」は接続先リソースに導入するエージェントです。導入するとDelivery Controllerの管理下に置かれ、リソースをユーザに割り当てることができるようになります。また、ユーザ端末とのリモート通信(ICAプロトコル)もこのエージェントが担います。


Studio/Director

図7.Studio/Director

XenAppとXenDesktopの構成例 - Studio/Director

「Studio」は環境構築や設定変更を行うための管理コンソールです。ほぼすべての設定はここから実施します。一方で「Director」は運用管理用途の管理コンソールとなり、サーバの利用状況を確認したり、セッション管理(ログオフや切断など)を行うことができます。


Citrix Receiver

図8.Citrix Receiver

XenAppとXenDesktopの構成例 - Citrix Receiver

「Citrix Receiver」はユーザ端末に導入する接続エージェントです。Virtual Delivery Agentと直接リモート通信(ICAプロトコル)を行います。


トラブル発生時に最短で解決に導くためのコツを動画でご紹介!
「Citrixトラブルシューティングセミナー」を視聴する


まとめ

  • StoreFrontはユーザが最初にアクセスするポータル
  • Delivery ControllerはXenApp/XenDesktopの管理コンポーネント
  • SQL ServerはXenApp/XenDesktopが稼働するための情報を保存するデータベース
  • Citrix License ServerはXenApp/XenDesktopのライセンスを管理
  • Virtual Delivery Agentは接続先リソースに導入するエージェント
  • Citrix Receiverはユーザ端末に導入するエージェント

いかがでしたか?どのようなコンポーネントが存在し、どのような役割をもっているのかがご理解いただけたら幸いです。次回はいよいよ「構成パターンと構成上の注意点」について説明します。冗長構成についても触れていきますよ。



Citrix Virtual Apps and Desktops(XenAppおよびXenDesktop)徹底解説セミナー

クライアント仮想化の基礎知識から、仮想化製品「Citrix Virtual Apps and Desktops(XenAppおよびXenDesktop)」の製品概要、導入検討時に注意すべき点などをご紹介します。
今お持ちのお悩みを解決し、Citrix製品をより有効に活用する方法を具体的に学ぶことができる内容になっております。



Citrixの設定・トラブル対処方法の良くあるFAQ10選プレゼント中

アシストのCitrixサポートセンターに良くある設定・トラブル対処方法のFAQ10選の資料を無料プレゼント中です。また、Citrix XenApp/XenDesktopの問題発生時に原因を切り分ける方法も掲載しております。以下のバナーからお気軽にダウンロードください。

筆者情報
仮想化事業推進室 東日本技術部 大西 慶

アシストへは中途入社し、 以来Citrix製品のプリセールス/構築作業を担当しています。
定期開催のCitrix製品紹介セミナーの講師も担当していますので、 ご興味がある方は是非ご参加ください。

■Citrix製品の紹介セミナー
https://www.ashisuto.co.jp/product/category/virtualization/citrix/#seminar

関連している記事

  • 設計・構築・設定
2023.12.19

ドメインパススルー認証の設定方法の一例

クライアント端末がCitrix Virtual Apps and Desktopsのサーバと同じドメインに参加している場合、Citrix製品のドメインパススルー認証の機能を使用できます。こちらの機能を使用すると、StoreFrontサイトにログイン時のアカウント入力作業を省略することができます。

  • 設計・構築・設定
2023.08.25

公開アプリケーションから接続元マシンのデスクトップにファイルを直接保存する方法

今回は、公開アプリケーションから接続元端末のデスクトップにファイルを直接保存する方法をご紹介します。

  • 設計・構築・設定
2023.08.25

ダブルホップ環境のクライアントドライブマッピングについて

ダブルホップ環境のクライアントドライブマッピングにて仮想デスクトップマシン側のドライブをマッピングする方法をご紹介します。

ページの先頭へ戻る