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Oracle Cloud VMware SolutionでのVMware HCX環境構築手順(後編)
前回の記事でOCVS)でHCXを利用するための前提となる手順の前半をお伝えしました。本記事では後続の手順であるサービスメッシュ作成・L2延伸手順を記載し、仮想マシンを移行できる状態、つまりHCX環境の構築完了までを説明します。
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Oracle Cloud Infrastructureでは、コンピュート・インスタンスなどのリソースに対して、モニタリング機能がデフォルトで有効となっており、例えばコンピュート・インスタンスのCPUやメモリの使用率、ディスクI/O、ネットワーク転送量などがグラフ表示されます。
今回は、モニタリング機能のしくみと、コンピュート・インスタンスの簡単な監視方法を紹介します。
モニタリング機能は、監視項目をあらかじめ定義した「メトリック」を使用してリソース監視を実施します。
メトリックを使用することで、ユーザーは「どの項目をどのように監視すれば良いか」という点を考慮する必要がなく、すぐに監視を実行できます。
サービス・メトリックのページから、メトリックをグラフ形式で確認できます。
※サービス・メトリックのページを開くためには、コンソールメニューから、
[モニタリング]→[サービス・メトリック]をクリックします。
対象のコンパートメントを選択し、メトリック・ネームスペースで
「oci_computeagent」を選択します。
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グラフは、[開始時間]と[終了時間]を変更することで表示範囲を変更することが可能です。また、[QUICK SELECTS]から過去または未来90日分のデータを確認することも可能です。
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アラームの定義を作成することで、メトリックの値がしきい値に抵触した場合にアラームを発行して、APIから通知、またはメールから通知を行うことが可能です。
ここからは、一例として、CPU使用率が90%以上となった場合にメール通知する設定方法を紹介します。
まずは、メール通知先の設定を行います。
1.コンソールメニューから、[アプリケーション統合]→[通知]をクリックします。
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2.[トピックの作成]をクリックすると、作成ページが開きますので、[名前]と[説明]を入力して[作成]をクリックします。
※今回は、名前に「Monitoring_Topic」、説明に「Monitoring_Test」と入力しました。
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3.作成したトピック名のリンクをクリックし、[サブスクリプションの作成]をクリックすると作成画面が開きますので、[プロトコル]の選択と[電子メール]を入力し[作成]をクリックします。
※プロトコルはデフォルトの「電子メール」を選択し、通知先の電子メールのアドレスを入力します。
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4.設定したメールアドレスにOracle Cloudから確認メールが届きます。
メール内のURLをクリックすると、Subscription confirmed のページが表示されます。
ここまでが、メール通知の設定です。
続いて、アラーム通知の設定を行います。
1.コンソールメニューから、[モニタリング]→[アラーム定義]をクリックします。
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2.[アラームの作成]をクリックすると、作成ページが開きますので、設定に必要な項目を入力して[アラームの保存]をクリックします。
※今回は、以下のように選択および入力しました。
アラーム名:Monitoring_Alarm
アラームの重要度:デフォルトの「クリティカル」
メトリックの説明
- コンパートメント:メトリックのあるコンパートメント
- メトリック・ネームスペース:oci_computeagent
- メトリック名:CpuUtilization
- 間隔 - 1m
- 統計 - Mean
メトリック・ディメンション
- ディメンション名:resourceId
- ディメンション値:監視対象インスタンスのOCID
トリガー・ルール
- 演算子:次より大きい
- 値:90
- トリガー遅延分数:5
宛先
- 宛先サービス:Notification Service
- コンパートメント:作成した通知トピックのあるコンパートメント
- トピック:作成したトピック名
ENABLE THIS ALARM:チェックを入れる
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3.作成したアラームが有効であることを確認します。
ここまでが、アラーム通知の設定です。
今回の例では、CPUの使用率が90%以上となった場合、以下のようなメールが5分おきに設定した通知先に届きます。
メール内容の表示が、HTML形式とプレーンテキスト形式で少し異なります。
どちらの形式の場合においても、上段にはアラームの設定内容が記載されます。
■HTML形式メール
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■プレーンテキスト形式メール
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今回は、モニタリング機能について紹介しました。
モニタリング機能を使用すれば、監視ツールの導入やツールの初期設定など不要で、CPUやメモリといったリソース監視や、ディスクI/Oやネットワーク帯域といったハードウェア観点の監視が、どなたでも簡単に実施できます。
以下マニュアルも併せてご参照のうえいただき、モニタリング機能を活用いただければ幸いです。
モニタリングの概要
https://docs.oracle.com/cd/E97706_01/Content/Monitoring/Concepts/monitoringoverview.htm
■本記事の内容について
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