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  • AWS
2025.04.21

「Amazon Q Business」の「Amazon Q Apps」でプロジェクト進捗確認アプリを作ってみた

Amazon Q BusinessのAmazon Q Appsで生成AIアプリを作成する方法

はじめに

Amazon Q Businessは、AWSが提供する生成AI搭載のアシスタントです。その中でもAmazon Q Appsは、生成AIの専門知識がなくても、どなたでも簡単に生成簡易AIアプリを構築できる機能です。

本記事では、Amazon Q Appsを活用し、プロジェクトの進捗を手軽に確認できるアプリを作成する方法を紹介します。また、Amazon Q Appsの概要および基本的な使い方については、こちらのブログをご参照ください。

Amazon Q BusinessのAmazon Q Appsで生成AIアプリを作成する方法


本アプリの目的&機能

プロジェクトの進捗管理ではWBSを使うことが多いと思います。しかし、プロジェクトの規模が大きくなると、「WBSを見てもプロジェクトが順調かどうかパッと見でわからない」という課題に直面することも多いです。特に昨今のハイブリッドワーク環境において、チームの状況把握がより複雑になっています。そこで、Amazon Q Appsを活用し、誰でも簡単に確認できる進捗管理アプリを作ってみました。

このアプリでは、プロジェクト管理用のWBS等のファイルをアップロードするだけで、現在の進捗状況が自動で読み取られ、要約されます。メンバーや関係者が、わざわざファイルを開いて個別に確認する必要がなくなり、「いまどこまで進んでいるのか?」が以下の画像のように一目でわかるようになります。


Amazon Q Business(生成AI機能活用)でプロジェクト進捗確認アプリ作成


本記事では、この進捗確認アプリの作成手順をご紹介します。
プロジェクト管理をもっとシンプルにしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

プロジェクト進捗確認アプリの実行イメージ

このアプリでは、WBSやプロジェクト進行表といったファイルをアップロードするだけで、進捗状況を自動で要約・表示してくれます。
ここで、完成したアプリの作成後イメージを「実行用サンプルファイル」「実行前」「実行後」に分けてそれぞれご紹介します。


実行用サンプルファイル

今回は以下の「サーバ移行プロジェクトWBS.xlsx」をサンプルファイルとして使用します。


Amazon Q Business (生成AI機能活用) サーバ移行プロジェクトWBS.xlsxイメージ図


プロジェクト管理でよく使われる形式に合わせて、以下のような項目を含んでいます:

  • タスク名
  • 担当者
  • 予定/実績の開始日/終了日
  • ステータス(未着手・進行中・完了 など)
  • ガントチャート

実行前

アプリを実行する前には、以下のように、WBSファイルをドラッグ&ドロップまたは選択する箇所と、進捗サマリーが出力される箇所が表示されます。


Amazon Q Business (生成AI機能活用)進捗サマリー


実行後

WBSファイルをアップロードし、画面下方にある「Run」を押すと、アプリの処理が実行されます。

Amazon Q Business (生成AI機能活用)実行


実行後は、以下のようにAmazon Q Appsが読み取った内容をもとに「全体の進捗率」「完了タスクの一覧」「今後の予定」などをわかりやすく提示してくれます。

Amazon Q Business (生成AI機能活用)生成AIで進捗状況読み取り後のサマリー表示例


プロジェクト進捗確認アプリの作成方法

ここからは、このアプリをAmazon Q Appsでどのように作成したのか、実際の設定画面とともに解説していきます。
※なお、生成AIの特性により、同じプロンプトを使用しても、全く同一アプリが作成されるとは限らない点、ご了承ください。

まず、Amazon Q Appsの作成画面の入力欄に、以下のプロンプトを入力し、「Generate」を押します。


プロンプト プロジェクト進捗サマリーアプリを作成してください。
アップロードしたWBSに基づいて、プロジェクトの進捗状況を自動で要約、タスクやステータスを
整理してください。

Amazon Q Business


そうすると、以下のようなアプリが自動生成されます。


Amazon Q Business 自動生成の画面


次に、「進捗状況サマリー」カードを編集していきます。
「進捗状況サマリー」カードの右上の鉛筆マークをクリックします。


Amazon Q Business 進捗状況サマリーカードを編集の画面


そうすると、「進捗状況サマリー」カードの設定が以下のように表示されます。


Amazon Q Business カードの設定状況の画面


よりわかりやすい進捗サマリーを得るために、上記カードの設定項目の「Prompt」をさらに以下のように編集し、「Save」を押して保存します。


Prompt
アップロードされた
@WBSファイルのアップロード(@を入力し、「WBSファイルのアップロード」カードを選択)
に基づいて、以下の内容を含むプロジェクトの進捗状況サマリーを作成してください。

- 全体の進捗率
- 遅延しているタスクの一覧
- 完了済みのマイルストーンと今後のマイルストーン
- 主要な課題や懸念事項
- 次のステップと推奨アクション

Amazon Q Business カード編集保存した画面


保存後、WBSファイルをアップロードしアプリを実行した結果、以下のように、事前に「Prompt」で入力した各項目ごとに回答が生成されます。これにより、プロジェクトの進捗状況を簡単に把握できるようになります。


Amazon Q Business Prompt入力し、回答が生成された状態の画面


応用編:担当者ごとのプロジェクトの進捗状況を確認する

ここからは、さらに一歩踏み込んだ活用方法として、担当者ごとの進捗状況を確認するカスタマイズ方法について紹介します。

プロジェクトが大規模になるほど、チーム全体の進捗だけでなく、誰がどこまで対応しているかを把握することが重要になります。Amazon Q Appsでは、WBSファイル内に「担当者」列が含まれていれば、その情報をもとに個別の進捗状況を集計・要約することも可能です。

このような応用は、カードの設定を少し工夫するだけで実現可能です。

まず、これまでの手順で作成したアプリの画面右上の「Add card」をクリックし、「Output」のカードを1枚追加します。


Amazon Q Business Add card画面


追加したカードを以下のように設定し、保存します。

Title 担当者ごとの進捗状況
Prompt アップロードされた
@WBSファイルのアップロード(@を入力し、「WBSファイルのアップロード」カードを選択)
に基づいて、担当者ごとの進捗状況サマリーを作成してください。

Amazon Q Business 追加したカード設定画面


カードをドラッグして、お好みの配置に調整します。


Amazon Q Business 


再度WBSをアップロードしアプリを実行すると、プロジェクト全体の進捗状況に加え、担当者ごとの進捗状況も表示されます。


Amazon Q Business  担当者ごとの進捗状況が表示された画面


以上が、担当者ごとの進捗状況を確認するカスタマイズ方法です。その他にも、プロジェクトの規模や管理ニーズに合わせて、カードの追加やカスタマイズが柔軟に可能です。ぜひ様々なカスタマイズにチャレンジしてみてください!


まとめ

本記事では、Amazon Q Appsの活用例として、プロジェクトの進捗を手軽に確認できるアプリを作成する方法をご紹介しました。

Amazon Q Appsを使えば、専門的なプログラミングスキルがなくても、業務に役立つ生成AIアプリを簡単に作成できます。今後も、Amazon Q Appsを活用した便利なアプリのアイデアや具体的な使い方について紹介していきますので、ぜひお楽しみに!


執筆者・シリーズ情報

陳ぎょうろ プロフィール画像

2023年に新卒入社し、現在はAWSのフィールド業務を担当。得意分野はAWSアカウント管理・生成AI活用。2024年に「Japan AWS Jr. Champions」に選出。...show more



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