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AWS Control Tower ランディングゾーンで実現する AWS Backup 統合管理:導入から有事のリストアまで徹底解説
この記事では「AWS Control Tower ランディングゾーンで実現する AWS Backup 統合管理:導入から有事のリストアまで徹底解説」をご紹介します
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Index
AWSで複数のアカウントを運用する際、管理やセキュリティレベルの統一は非常に重要ですが、手間がかかります。本記事では、こうした課題を解決するAWS Control Tower(以下、Control Tower)についてわかりやすく解説します。
これからマルチアカウント運用を始める方、マルチアカウントの効率的な管理方法を検討している方に最適な内容です。
※ 本記事の内容は、2026年5月時点(AWS Control TowerのLanding Zone バージョン4.0)の情報をもとに作成しています。
Control Towerは、AWS上で複数のアカウントを安全かつ一貫したルールのもとで管理できるマネージドサービスです。
AWS Organizations(以下、Organizations)を基盤として、アカウント作成・ガバナンス設定・セキュリティ管理などを自動化し、マルチアカウント運用のベストプラクティスを簡単に実現します。
「複数アカウントをどうやって整理するか」「セキュリティを全体でどう保つか」といった課題を解消し、企業規模を問わず標準化されたAWS環境を構築できるのが特徴です。
AWSでは、環境(開発・検証・本番)やチーム単位でアカウントを分けて運用することが推奨されています。
しかし、アカウントが増えるにつれて次のような課題が生じやすくなります。
Control Towerは、こうした運用上の煩雑さを「自動化と標準化」で解決するサービスです。

Organizationsは、アカウントをグループ化し、請求統合やサービスコントロールポリシー(SCP)適用を行うための基盤サービスです。
Control Towerは、そのOrganizationsを土台にして動作し、運用の自動化とガバナンス適用を「より使いやすく」した上位レイヤーに位置づけられます。
| 比較項目 | Organizations | Control Tower |
|---|---|---|
| 管理対象 | アカウントのグルーピング・SCP適用・一括請求 | アカウント作成・設定・統制・監査の自動化 |
| 機能の中心 | アカウント管理構造の定義 | アカウント運用管理のベストプラクティス適用 |
| できること |
・AWSアカウントの一元管理 ・新規アカウントの作成、管理 ・請求とコストの一元管理 ・アカウント間のリソース共有 |
・Landing Zoneによる標準化 ・Account Factoryによるアカウント自動作成 ・ガードレールによるガバナンスの自動適用 |
Organizationsが「アカウント管理の構造」を提供するのに対し、Control Towerは「統制運用の型」を提供すると考えるとわかりやすいでしょう。

なお、Organizationsの詳細については、こちらのブログも併せてご参照ください。 AWS Organizationsとは?その仕組みと実現できること、ユースケースを解説
Control Towerでは、マルチアカウント運用の各ステップを自動化・標準化する機能が用意されています。
主な機能は以下の通りです。
AWSが推奨するベストプラクティスに基づき、セキュリティアカウント・ログ集約などの構成を自動で準備します。
これにより、組織全体で統一された安全な基盤を短時間で構築できます。
※Landing Zoneの詳細は後述します。

あらかじめ定義されたテンプレートをもとに、新しいアカウントをボタン操作で簡単に作成できます。また、すべてのアカウントで同じ設定・ルールを適用できます。

セキュリティやコンプライアンスに関するルールをあらかじめ設定しておくと、新規アカウントにも自動で反映されます。
手動での監査や設定漏れを防ぎ、組織全体でのガバナンスを維持できます。
※ガードレールの詳細は後述します。

Control Towerの魅力の1つは、AWS Config、AWS CloudTrail、AWS Backup、IAM Identity Centerといったサービスとの統合機能です。これらの統合機能はサービス別にON/OFFを選択できるため、「この機能だけ使いたい」「既存のツールはそのまま活かしたい」といった自社の要件に合わせて、無駄なく柔軟にカスタマイズして導入することが可能です。

Control Towerは、複数アカウントを安全かつ効率的に管理するために、いくつかの主要なコンポーネントで構成されています。ここでは、それぞれの要素がどんな役割を持ち、どのように連携してマルチアカウント運用を支えているのかを解説します。
Landing Zoneは、マルチアカウント環境を構築するための「設計図」のような存在です。その全体像は「Control Towerで実現できること」の「Landing Zoneによる標準化」でご紹介した通りです。
Landing Zoneでは、各サービスや権限の独立性を高めるため、役割ごとに細分化された専用アカウントで環境が構成されます。たとえば、Control TowerでAWS Config、AWS CloudTrailの統合サービスを有効化すると、以下のようなアカウントが自動的に作成されます。
また、組織全体のデータ保護を強化したい場合は、オプションでAWS Backupとの統合を追加することも可能です。これを有効化すると、以下のバックアップ専用アカウントが追加されます。
※AWS Backup統合の詳細については、弊社の別ブログ記事「AWS Control Tower ランディングゾーンで実現する AWS Backup 統合管理:導入から有事のリストアまで徹底解説」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
例えば、Aggregatorアカウントで構成される環境では、以下のように、事前に設定したセキュリティルールから逸脱した際、Aggregatorアカウントに登録したメールアドレスに通知できます。

さらに、サービスの設定変更履歴等のログが一元的に集約され、必要に応じて調査分析を行うことが可能です。

また、CloudTrail Administratorアカウントで構成される環境では、各アカウントの操作履歴ログが一元的に集約されます。有事の際は、保存されたログを問題発見と対策検討に利用できます。

上記のように、これらサービスをControl Towerが自動セットアップすることで、簡単にセキュリティと統制が取れた構成が手に入ります。
Account Factoryは、新しいAWSアカウントをテンプレートから自動で作成する機能です。人がAWSマネジメントコンソールで一つずつ設定する代わりに、Control Towerが標準設定を適用してアカウントを構築します。
例えば、以下のように事前に必要なネットワーク設定を定義することで、その設定が自動的に反映されたアカウントを常に作成できます。

この仕組みにより、組織全体で「同じ構成・同じルール」を再現できるため、設定漏れや環境のばらつきを防ぐことができます。
ガードレールは、組織全体に共通するルールを自動で適用する仕組みです。
「ガードレール」という名前の通り、利用者が安全な範囲でAWSを使えるように導く“安全柵”のような役割を持ちます。
代表的なガードレールには以下の2つの種類があります。
これにより、全てのアカウントで統一されたセキュリティ基準を維持でき、監査対応も容易になります。
Control Towerでは、予防的/発見的ガードレールのそれぞれについて、様々なものが標準で用意されています。以下、一部抜粋して記載します。
※2026年5月現在の情報となります。
| 名前 | 概要 |
|---|---|
| [AWS-GR_RESTRICT_ROOT_USER] Disallow actions as a root user | Rootユーザーによる全てのアクションを禁止。IAM Identity Centerユーザーの使用を推奨 |
| [AWS-GR_RESTRICT_ROOT_USER_ACCESS_KEYS] Disallow creation of access keys for the root user | Rootユーザーのアクセスキー作成を禁止。セキュリティリスクを最小化 |
| [AWS-GR_AUDIT_BUCKET_DELETION_PROHIBITED] Disallow deletion of log archive | Control Towerがログアーカイブアカウントに作成した S3バケットの削除を禁止 |
| [AWS-GR_CONFIG_CHANGE_PROHIBITED] Disallow configuration changes to AWS Config | AWS Configの設定変更を禁止。リソース構成の記録を一貫性のある状態で維持 |
| [AWS-GR_CLOUDWATCH_EVENTS_CHANGE_PROHIBITED] Disallow changes to CloudWatch set up by Control Tower | Control Towerが設定したCloudWatchの設定変更を禁止。環境監視の整合性を保護 |
| [CT.BACKUP.PV.3] Disallow modification of an AWS Backup resource that AWS Control Tower manages | Control Towerが管理するAWS Backupリソースの作成や変更を制限 |
| 名前 | 概要 |
|---|---|
| [SH.CLOUDTRAIL.DT.1] At least one CloudTrail trail should be enabled | AWS CloudTrail証跡がAWSアカウントで有効になっているか確認 |
| [CONFIG.CLOUDTRAIL.DT.2] Checks if the S3 bucket configurations for your AWS CloudTrail logs block public access | CloudTrailログ用S3バケットがパブリックアクセスをブロックしていることを確認 |
| [AWS-GR_RESTRICTED_COMMON_PORTS] Disallow Internet connection via RDP | RDPなどのリモートコンソールサービスへの無制限接続を遮断し、サーバーのリスクを低減 |
| [SH.EC2.1] EBS snapshots should not be configured to be publicly restorable | EBS スナップショットがパブリックに復元できないことを確認 |
| [AWS-GR_S3_BUCKET_PUBLIC_WRITE_PROHIBITED] Disallow public write access to S3 buckets | Amazon S3バケットでパブリック書き込みアクセスが許可されていないかどうか確認 |
| [AWS-GR_RDS_INSTANCE_PUBLIC_ACCESS_CHECK] Disallow public access to RDS database instances | Amazon RDSインスタンスがパブリックにアクセス可能でないかどうか確認 |
なお、標準で用意されているものが自社のセキュリティ要件に満たない場合、AWS Organizationsのサービスコントロールポリシー(SCP)もしくはAWS Configルールを使用して、自社要件に合わせたガードレールを作成することも可能です。
Control Towerのダッシュボードは、Control Tower全体の状態を一目で確認できる管理画面です。
管理者はこの画面から、組織内のアカウント数、有効化されているコントロール数、各アカウントがルールに準拠しているか、警告や違反がないかなどを確認できます。

本記事では、Control Towerの概要、構成要素についてご紹介しました。Organizationsをベースに、マルチアカウント運用を安全かつ効率的に自動化できるのがControl Towerの大きな特徴です。初めてマルチアカウント運用を検討する方にも、既存環境を標準化したい方にも役立つサービスです。ぜひControl Towerを活用して、AWS環境の運用効率とセキュリティを向上させてみてください。
アシストでは、Control Towerの初期セットアップを無償で行う「 請求代行サービス(マルチアカウント対応版) 」をご提供しています。ご関心ある方は、お気軽に以下のフォームからお問合せください。
https://www.ashisuto.co.jp/pa/contact/aws_enquiry.html?utm_source=header
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2023年に新卒入社し、現在はAWSのフィールド業務を担当。得意分野はAWSアカウント管理・生成AI活用。2024年に「Japan AWS Jr. Champions」に選出。...show more
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