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Computeインスタンスを再作成せずにブートボリュームをリストアする方法とは?
2024年5月のアップデートで、Computeインスタンスを再作成せずにブートボリュームをリストアできるブートボリューム置き換えの機能が追加されました。この機能追加により、従来のリストア方法よりも手順が少なくなり、障害発生時にも迅速な復旧が可能になりました。
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Oracle Database ライセンスに関する2回目の記事です。
1回目は、Oracle Databaseライセンスを見積もる上で確認している事項とその理由、およびエディションの説明をしました。
第2回の今回は、Oracle Databaseライセンスの「種類」と「数量の算出」についてです。
Index
まず今回の内容に入る前にOracle Databaseライセンスの原理原則について触れておきます。どのような場合にもこれを念頭に入れて読んでいただきたいと思います。
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それでは、今回のテーマであるOracle Databaseライセンスの「種類」と「数量の算出」についてお話していきます。
Oracle Database ライセンスは「Processor」と「Named User Plus(NUP)」の2種類から選択します。
Processorライセンスは、利用人数が多い場合、またはインターネットやWebシステムなどで利用人数がカウントできない場合に選択します。必要なライセンス数は搭載するプロセッサ数に比例します。利用人数やクライアント台数は無制限です。
Named User Plus (NUP) ライセンスは、開発環境など、使用者数が限定または特定されるケースで選択できます。Processorライセンスと比べ、コスト面でもリーズナブルです。
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なお、この使用者数はデータベースにアクセスする可能性のある利用者数を指します。同時接続数ではありません。以前「同時ユーザライセンス」というライセンスも存在していたため、Oracle Databaseを長く利用している場合は少し混同するかもしれません。当時の同時ユーザライセンスは現在新規販売しておらず、ライセンスの種類としては「Processor」と「Named User Plus」に纏められています。
続いて、ライセンス数の算出についてご説明します。ライセンスの種類とエディションにより算出ルールが異なりますので、ライセンスの種類ごとに詳しく見ていきます。
Processorライセンスは、Oracle Databaseをインストールするサーバのプロセッサ数/コア数により必要となる個数が決まります。さらに「エディション」によって算出ルールが異なります。
Oracle Database Enterprise Edition (DB EE)では、必要なプロセッサ数は搭載されているサーバの総コア数とコア係数から算出します。コア係数はオラクル社によって定められています。
※コア係数の詳細は以下URLを参照ください。
https://www.oracle.com/assets/processor-core-factor-table-070634.pdf
Oracle Database Standard Edition 2 (DB SE2)では、必要なプロセッサ数はプロセッサ搭載ソケット数で決まります。DB EEに比べるとシンプルに考えることができます。
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それではこのルールにもとづき、同じサーバモデルを例にDB EEとDB SE2それぞれの具体的な算出例を見ていきましょう。
DB EEの算出ルールは「総コア数×コア係数」です。
Intel Xeonの場合には、インテルチップのコア係数は0.5であるため、搭載されている 8コア × 0.5 の「4 Processor」が必要なProcessor数です。
IBM POWER 9の場合には、IBM POWERはコア係数は1であるため、搭載されている 8コア × 1の「8 Processor」が必要なProcessor数です。
一方、DB SE2の場合は「プロセッサ搭載ソケット数」が算出ルールですので、下記例ではCPUは1枚搭載のため、両方の場合とも「1 Processor」が必要なProcessor数です。
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続いて、NUPのライセンス算出について説明します。NUPは基本的にOracle Databaseの利用者数で決定しますが、Processorライセンスと同じく、エディションによって算出ルールが異なります。
NUPではエディションごとに最少ユーザー数が定められています。またその最少ユーザー数のカウント方法もエディションによって異なることに注意が必要です。
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それでは具体的な算出例を2つ見ていきましょう。
※例1、例2ともにエディションの違いをわかりやすくするために、システム構成と実際の利用者は同じ設定としています。
例1では、1つのサーバにデータべースが2つ存在し、共通の5名がそれぞれ利用するケースを想定しています。また、サーバにはインテルCPU(8コア)が1枚搭載されています。
DB EEでは、最少ユーザー数はProcessorから換算します。このProcessorとはハードウェアに搭載されるCPUではなく、前述の「Processorライセンス数」であることに注意が必要です。Processorライセンス数を算出すると、例1ではProcessorライセンスは4です。その4に対し最少ユーザ数の25をかけた「100」が必要となるNUP数になります。
DB SE2では、1つのコンピュータ(ここではサーバ)に対する最少ユーザー数は10です。CPU数やコア数にライセンス数は依存しないため、シンプルに考えることができます。
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続いて、データベースが複数のサーバに存在する場合の算出例です。
例2では、Oracle Databaseライセンスの原理原則である「ライセンスはサーバに許諾される」ことを意識する必要があります。Oracle Databaseがインストールされるサーバごとにライセンスが必要です。
例1および例2においてライセンスの算出ルールは同一ですが、結果として例2では例1と比べ2倍のライセンス数が必要です。このように「利用人数が変わらない場合でも、サーバ数が増えると必要なライセンス数も増える」ことにご注意ください。
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第2回の本記事は、いかがでしたでしょうか。
ライセンス数を算出するには、ライセンスの種類、エディション、プロセッサチップ、導入サーバ数によって、結果が異なることがご理解いただけたかと思います。
ライセンスの基本的なお話はここまでとし、次回からは構成ごとの定義やルールをご紹介予定です。
次回もお楽しみに!
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アシスト入社後、サポートセンターやフィールド支援を経て、現在はプリセールスエンジニアとして製品やソリューションの紹介からインフラ提案といった業務に従事。
また「今だから見直そう!Oracle Databaseライセンスの活用方法」ウェビナーを始め、Oracle Databaseライセンス関連のセミナー/ウェビナー講師も担当。
趣味は登山で、セブンサミッツをじかに見てみたいと思っている。...show more
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