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  • Oracle Database
2022.01.19

Oracle Databaseライセンスの定義とルールを正しく理解する ~第1回:エディション編~

Oracle Database ライセンス

システムにはハードウェアやソフトウェア、または構築や運用など様々なコストが発生します。中でもデータベースをはじめとするソフトウェアが占める割合は非常に高くなっており、新規構築あるいは更改の際に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

多くのユーザーが利用するOracle Databaseについて、そのソリューションや機能面、技術面の情報は数多くあるものの、根幹となる「ライセンス」の情報は意外と多くありません。このため検討中のシステムにおけるライセンス費用、すなわちコストがどのぐらいかかるのかよくわからない、という方は多いのではと思います。

アシストは「お客様にOracle Databaseライセンスを正しく理解いただく」ことを目的に、Oracle Database ライセンスにに関するイベントを実施しています。参加者からは、ライセンスへの高い関心と同時に、様々な見解や実情が確認できました。

そこで、Oracle Databaseライセンスのことをもっと多くの方に知っていただきたく、ブログでも情報をお届けします。複雑なお話ではなく、基本的な「定義」や「ルール」を軸に、数回の連載にてご紹介します。


ライセンスを見積もる際に確認していること、その理由

皆さんはOracle Database のライセンス費用を算出する際、ベンダーへ見積依頼をされているかと思います。その見積依頼を受け、アシストでは、以下のポイントを確認しています。

確認項目 主なポイント
1. エディション ・導入機器(ソケット数)
・利用する機能
2. ライセンスの種類 ・Processor
・Named User Plus(NUP)
3. ライセンス数 ・導入機器のCPU数、コア数
・利用OS
・利用者数
4. 構成上の注意点 ・仮想化環境
・クラウド環境
・待機系の有無
・システム更改時(DB移行時)
5. 許諾先とサポート ・許諾先企業
・サポート契約
・バージョン

「何だか、いろいろ確認してるんだなぁ」という印象をお持ちの方もいらっしゃると思います。確認する理由について触れていきます。

例えば、見積算出の際に、以下のやり取りが発生することがあります。



Oracle ライセンス 問い合わせ

また、このような確認をすることもあります。



Oracle ライセンス 問い合わせ

これは見積依頼時の情報が不足しているというよりは、ライセンスの定義やルールの情報が充分に届けられていないため、と捉えています。

Oracle Databaseの価格表には製品名とその単価が記載されており、誰でも把握することができます。ただし、ライセンスの数や定義に関わる情報が充分とはいえず、”そのシステム” で必要なライセンスや数量が判断しづらいケースが多く見受けられます。上記のやり取りに関しても、メーカーのサイトにFAQや補足説明はあるものの、事前にその情報にたどりつけるユーザーは多くないのではと思います。

ベンダーから出てきた見積をみて「こんなに高いと思わなかった」「構成を再検討しないと」などの手戻りを回避するためにも、本ブログでOracle Databaseライセンスの定義とルールの基本的なポイントを押さえてください。


エディション

1つ目の確認項目である「エディション」について、掘り下げて説明していきます。

エディションの選択

Oracle Databaseのエディションには「Enterprise Edition(DB EE)」と「Standard Edition 2(DB SE2)」の2種類あります。現在、既に販売終了になっているものの、「Standard Edition(DB SE)」と「Standard Edition One(DB SE1)」の利用ユーザーも一部存在します。


Oracle Databaseのエディション

「DB EE」と「DB SE2」の違いは価格や機能の差です。エディションの選択ポイントもこのあたりになり、予算や要件を踏まえ、選択します。

ライセンス観点で気をつけるべきこととしては、「DB SE2」を選択する場合、いくつか制限事項があるという点です。次の章からはこの点について触れていきます。なお、「DB EE」の選択に関する制限はありません。


DB SE2の制限事項

DB SE2では、以下2つの制限事項があります。


①適用可能な機種(サーバ)の制限

DB SE2は、どの機種(サーバ)でも適用できるわけではありません。
 「搭載可能なソケット数は、2つまでの機器」
という制限があります。


下図では、サーバの搭載可能CPU数(ソケット数)と実装CPU数の制限を表しています。
シングル構成では、Case3までは「DB SE2」は適用可能です。ソケット数は2つ以内の機種であるためです。Case4は搭載プロセッサ数は2つですが、ソケット数は4つ存在するため、このケースでは「DB SE2」は適用することができません。Case4でOracle Databaseを利用する場合には「DB EE」を選択する必要があります。見積時に「確認すべき主な要素」の1つ目に記載している「導入機器(ソケット数)」はこういうところを意味しております。

Oracle ライセンス

また、従来のSEではRAC(Real Application Clusters)構成が取れ、実際にご利用されているユーザも多いこともあり、その制限についても触れております。(※)
SE RAC構成の場合には、クラスタを構成する物理サーバーは2台まで、各物理サーバーの実装CPU数は1である必要があります。Case1、Case2の組み合わせではDB SE2は適用できますが、Case3では制限を超えるため、DB SE2は適用することができません。なお、SERAC構成はOracle18cまでの提供となっていますので、ご注意ください。


②CPUスレッド数の制限

「DB SE2」では1データベースあたり最大利用スレッドは16までという制限があります。データベースへのアクティブなセッション(SQL処理中)は、同時「16」までは処理できますが、17セッション目は、アクティブな処理が終了するまで待ち状態になります。SE RAC構成では、ノード間でデータベースを共有する構成のため、各ノード毎の最大利用は8スレッドです。同時処理が多い要件やシステムでは「DB EE」の選択が望ましいと言えます。


Oracle CPUスレッド数 制限

なお、データベースが異なる場合には、各々のデータベースで最大16スレッドが利用できます。1つのサーバで16スレッド利用ではないため、ご注意ください。


DB SE2へのマイグレーションが必要なケース

現在新規販売が停止となっている「DB SE」や「DB SE1」については、継続してご利用いただくことは可能です。ただし、以下のようなケースでは「DB SE2」へマイグレーションする必要があります。

  • Oracle Database 12.1.0.2 以降へのバージョンアップする場合
  • 既存契約の環境にライセンスを追加する場合

特にシステム更改時は、Oracle Databaseは最新バージョンを選択する場合が多いと思います。
「DB SE」「DB SE1」は12.1.0.1までの提供となっているため注意が必要です。


まとめ

第1回の本記事は、いかがでしたでしょうか。

この後もライセンスの定義やルールについて、わかりやすくお伝えしていきたいと思います。

次回はライセンスの種類と数の考え方についてご紹介予定です。
お楽しみに!


[連載一覧] Oracle Databaseライセンスの定義とルールを正しく理解する

     第4回:クラウド編
     第5回:Coming soon


執筆者情報

おおくぼ まさお プロフィール画像

アシスト入社後、サポートセンターやフィールド支援を経て、現在はプリセールスエンジニアとして製品やソリューションの紹介からインフラ提案といった業務に従事。
また「今だから見直そう!Oracle Databaseライセンスの活用方法」ウェビナーを始め、Oracle Databaseライセンス関連のセミナー/ウェビナー講師も担当。
趣味は登山で、セブンサミッツをじかに見てみたいと思っている。


■本記事の内容について
 本記事に示した定義及び条件は変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

■商標に関して
 OracleとJavaは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。


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