Database Support Blog

  • Oracle Database
2024.04.08

【Oracle Database】FAQで安定運用に貢献!サポートセンターのナレッジ公開の取り組み

アシストオラクルサポートセンターが公開しているFAQは、仕様に関するQAやエラー発生時の対処方法などはもちろん、不具合情報や障害発生時の情報取得方法といった安定運用に役立つ内容も扱っています。

本記事では、そのFAQをどのように作成しているのか、サポートセンターの取り組みをご紹介します。

FAQを閲覧する方法

FAQの取り組みをご紹介する前にまず、サポートセンターのFAQを閲覧する方法をご紹介します。

アシストのプロダクト・サポートをご契約いただいているお客様は、アシストWebサポートシステム「Ashisuto Web Support Center-2(以下、AWSC-2)」にてサポートセンターに問い合わせることができます。AWSC-2にログイン後、ページ右側の「リンク」から「FAQ(ナレッジシステム)」をクリックするとFAQシステムに遷移し、ご契約の製品に関するFAQを閲覧できます。

AWSC-2ログイン後のトップページ

FAQシステムのトップページ

左側のメニューから「FAQ > ORACLE製品」カテゴリーを選択すると、Oracle Databaseに関するFAQを閲覧できます。対象のカテゴリーを選択した状態で、キーワードや文章、FAQ番号での検索もできます。

また、AWSC-2から新規でお問い合わせ(ケース)を起票すると、件名に入力された内容をもとに関連するFAQが自動的にレコメンドされます。一覧表示されたFAQのタイトルをクリックすると、FAQの詳細を閲覧できます。

お客様が探したい情報を見つけやすくする工夫

お客様がサポートセンターを利用するのは、通常、何らかの障害や問題が発生したときです。問い合わせには時間と労力がかかるため、FAQを通じて迅速に情報を得られるよう、サポートセンターでは探したい情報を見つけやすくするための工夫を心がけています。これにより、お客様が問題解決までの時間を短縮できると考えるからです。

カテゴリー構成は逆引きで

以前は製品別にカテゴリーを構成していましたが、「関心ごとや行動ベースの逆引きにした方が情報を探しやすいのでは?」というサポート担当者の意見がきっかけになり、FAQの構成を全体的に見直しました。

以下が現在のカテゴリーの例です。製品別ではなく、課題や運用の場面がカテゴリーになっていることを見ていただけるかと思います。

▼現在のFAQカテゴリ

 ・動作保証やライフサイクル
 ・障害発生時の情報取得
 ・インストール、接続、運用/設計、パフォーマンスなど管理ポイント
 ・トラブルシューティング
 ・高可用性製品、アプライアンス製品など製品固有の情報
  例)Real Application Clusters(RAC)
    Real Application Clusters One Node(RON)
    Data Guard
    Oracle Database Appliance(ODA)
    Exadata

1つのFAQが関連する複数カテゴリに属している場合もあります。例えば以下のFAQは「パフォーマンス」と「トラブルシューティング」の両方に属しているため、お客様がどちらのカテゴリーでFAQを検索・閲覧しても目に留まるようにしています。

 FAQNO:56614
 19c環境で大規模なパーティションテーブルの統計を取得した際にパフォーマンスが低下
 https://secure.okbiz.jp/ashisuto/faq/show/56614
 ※AWSC-2へログイン後、FAQシステムのページに遷移してから閲覧してください。


キーワード検索での表記ゆれをカバー

FAQサイトではキーワードで検索できますが、用語など人によって表記が異なることがあります。表記が異なると、同じ意味だとしても異なるFAQがヒットする場合もあります。そのためサポートセンターでは、どのようなキーワードで検索されたかを定期的にチェックし、何か工夫できないか考えています。

例えば、多くのお問い合わせをいただく「マテリアライズド・ビュー」は、以下のとおり人によって表記に違いがあることがわかりました。

 マテリアライズド・ビュー
 マテリアライズドビュー
 マテビュー
 MVIEW

FAQの本文内で上記すべての表記を混在させると、かえって検索性が低くなってしまうため、FAQシステムの「類義語」という機能を利用し、いずれの表記でキーワード検索したとしても「マテリアライズド・ビュー」と同じ意味と判断されるよう設定しています。

「マテビュー」で検索した場合も「マテリアライズド・ビュー」のFAQがヒットする例

FAQを活用してOracle Databaseを安定運用する方法

サポートセンターでは、Oracle Databaseの安定運用に役立つ情報もFAQとして発信しています。

不具合情報共有FAQで障害を予防

オラクル社のサポートサイトであるMy Oracle Support(以下、MOS)にて新規公開されたドキュメントのうち、Oracle Databaseへの影響度が大きい不具合や事象をアシスト独自の選定基準でピックアップし、FAQとして定期的に公開しています。

▼選定基準:以下に関連するトピック

 ・インスタンスダウン
 ・ハング
 ・メモリリーク
 ・スピン
 ・データ破損
 ・結果不正
 ・MOSドキュメント(Doc ID 1632115.1)にて重要なトピックとして紹介された不具合
  ※MOSドキュメントの閲覧にはMy Oracle Supportのアカウントが必要です。

障害が発生する前に対処や回避策を講じ、障害を未然に防ぐことができればお客様は本来の業務に専念できます。私たちが少しでもそのお手伝いができれば、と考えています。

また、サポートセンターではOracle Database運用に役立つ技術情報を定期的にメールで配信しています(アシスト Oracle Technical Standard Information Mail)。不具合情報のFAQが新規作成されると、その技術情報配信メールでもお知らせしています。

パッチの適用手順FAQでREADMEを補完

パッチ適用は、サポートセンターでよくいただくお問い合わせのひとつです。Oracle Databaseの安定運用のために最新パッチの適用が推奨されていますが、パッチ適用は慎重な検討や十分な計画が必要であり、気軽に行える作業ではありません。

業務への影響を考慮するのはもちろん、パッチのREADMEを確認し、テスト環境でのパッチ適用テストを実施する・・・といった工程もややハードルが高いのではないでしょうか。

そこでサポートセンターではパッチのREADMEを参考に、アシスト環境で検証した結果をもとに詳しい適用手順を公開しています。四半期に一度リリースされるRU(Release Update)パッチ、Windows環境のBundleパッチなど、新しいパッチがリリースされるたびにFAQも新規作成していますので、ぜひ活用いただきたいと思っています。

また、「パッチ適用したけれど手順が問題なかったか心配だから確認してほしい」というお問い合わせもいただくことがあります。そのような場合に参考にしていただけるよう、適用検証時の作業ログもFAQに添付しています。お客様が実際にパッチ適用する際に、同じような出力が確認できればより安心できるのではないか、という思いからです。

FAQ作成の取り組み

続いて、アシストサポートセンターが日々どのようにしてFAQを作成しているのか、そのフローや心がけていることをご紹介します。

そのお問い合わせはFAQで解決できるか?を何度も考える

サポート担当者は対応中、そのお問い合わせは既存FAQで解決できるか?を考えます。既存FAQのチェックはFAQシステム側からはもちろん、アシスト取り扱い製品のGleanを活用して生成AIに探してもらう場合もあります。

 ※参考記事
 【Oracle Database】サポートセンターでの生成AI(Glean)活用
 https://www.ashisuto.co.jp/db_blog/article/Generative-AI-Support.html

既存FAQで解決できる場合は、必要に応じてそのFAQを回答に添え、調査時にFAQを利用した場合はその内容を調査ログに記録し、次回のお問い合わせに活用できるようにします。

そして、お問い合わせが無事終了すると、「そのお問い合わせは既存FAQで解決するか?FAQを新規作成すれば解決するか?」を改めて振り返り、サマリーを記録します。

そのサマリー情報を定期的に抽出し、以下の観点でFAQの新規作成をすべきか、作成することになった場合の優先度づけをしていきます。

▼FAQ新規作成の優先順位の考え方

 ①当年・前年に類似のお問い合わせがあったか  ★最優先の要素
 ②当年・前年にお客様がキーワード検索したか
 ③当年・前年に0件ヒット検索にあったか  ★優先度高めの要素
  (「0件ヒット検索」とは、検索しても1件もFAQがヒットしないことを指す)
 ④FAQ目安箱に投稿があったか
 ⑤題材アイデアに投稿があったか
  ※「FAQ目安箱」、「題材アイデア」はサポートセンター内で取り組んでいる、新規FAQ案を自由に投稿できる仕組みです。

①の条件に合致するのは大前提とし、②~⑤に合致するかも考慮した上で作成要否と優先度を検討しています。FAQサイトにおいては「0件ヒット検索」は限りなくゼロに近づけることが望ましいため、検索で1件もヒットしなかったキーワードに関連したFAQは優先的に作成するようにしています。

お客様に寄り添ったFAQを心がける

FAQでは参考情報としてマニュアルやメーカードキュメントを紹介することがありますが、単なるリンク紹介にならないよう、プラスアルファの情報を盛り込むよう心がけています。

▼FAQ作成時のポイント

 ・サポート対応で調査した内容や検証結果を盛り込む
 ・なるべく例を添える
 ・コマンドの例はお客様の立場になって提示する
 ・FAQに収まらない場合は技術資料として作成、FAQで公開することを検討する

また、どのユーザーで実行するのかも意外と作業時にネックになりやすいため、OSユーザーであればrootユーザーなのか、Oracleインストールユーザーなのか、Oracle Database内のユーザーであればSYSなどの管理者ユーザーなのかを明記するように心がけています。

作成時のポイントをおさえた、アクセス数も多いFAQの例

最後に

アシストは、日本で最長のOracle Databaseサポート歴を誇ります。1987年から蓄積された30万件以上のお問い合わせのノウハウ量は膨大で、その全てが現在のサポート担当者全員に共有されています。「アシストだからこその、痒いところに手が届くサポート」をFAQでも実現すべく、日々FAQ活動に取り組んでいます。

FAQが役に立ったかどうか、または欲しいFAQがある場合は、各FAQに設置されているアンケートにお気軽にご意見・ご感想をお寄せください。いただいたご意見を励みに、さらに使いやすくお役に立てるFAQをご提供できるよう、これからも取り組んでまいります。

また、Oracle Databaseのサポートをご検討中の方は、Oracle Database安定運用をサポートするパートナーとして、私たちサポートセンターを候補に選んでいただけましたら幸いです。

執筆者情報

おおたくはつえ プロフィール画像

2006年アシスト入社。Oracle Databaseの研修講師に従事したのち、現在はサポートセンターでチームメンバーのフォローや技術資料作成などを担当している。プライベートでは3児の母。



■本記事の内容について
 本記事に示した定義及び条件は変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

■商標に関して
 ・Oracle®、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
 ・Amazon Web Services、AWS、Powered by AWS ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他の AWS 商標] は、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
  文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。

関連している記事

  • Oracle Cloud
  • Oracle Database
2024.05.21

ブートボリュームのバックアップからOracle CloudのComputeインスタンスを複製してみよう

障害からの復旧や構成変更の検証などの目的でComputeインスタンスの複製をしたいというお問い合わせをいただくことがあります。 Oracle Cloudではブートボリュームのバックアップを使用することで簡単に低コストでComputeインスタンスの複製をすることができます。

  • Oracle Database
  • Oracle Cloud
2024.05.14

Oracle Database 23aiが遂にリリース!バージョンアップで押さえておくべき非推奨と廃止機能とは

OCIのBaseDB(PaaS)で先行リリースされていた「23c」が2024年5月に「23ai」として正式リリースされました。オンプレも順次リリース予定です。バージョンアップで慌てないために、事前に考慮しておくべき非推奨と廃止機能を、対処策のヒントを交えてお届けします。

  • Oracle Cloud
  • Oracle Database
2024.05.10

Oracle CloudWorld Tour Tokyoに出展しました!

昨年秋にラスベガスで開催された「Oracle CloudWorld 2023」の内容を受け、今年は「Oracle CloudWorld Tour」と題し、「Tour」の名のとおり世界各国で開催されています。日本では、4月18日、ザ・プリンスパークタワー東京にて「Oracle CloudWorld Tour Tokyo」が開催され、アシストもスポンサーとして出展しました。

ページの先頭へ戻る