Database Support Blog

  • Oracle Cloud
  • Oracle Database
2024.02.02

OCIにおけるOracle Database 11g R2、12g R1、12g R2の新規プロビジョニング終了とその影響

OCIにおけるOracle Database 11g R2、12g R1、12g R2の新規プロビジョニング終了とその影響

Oracle Databaseの11g R2、12g R1、12g R2は、既にメーカーサポートは全て終了しており、サポート終了日についても以前よりアナウンスされていましたが、Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)のBase Database Serviceでは、実際には先日まで当該バージョンでも新規プロビジョニングや既存のデータベースの複製ができる状態でした。

しかしついに2024年1月中旬ころから、11g R2、12g R1、12g R2での新規プロビジョニングができなくなりました。弊社のお客様でも新規環境作成や複製に制限が出ており、お問い合わせが増えています。オラクル社からも、当該バージョンをご利用のお客様は速やかなアップグレードもしくはインスタンスの停止が推奨されています。

Oracle Database 11g R2、12g R1、12g R2がOCI環境で利用不可に

Oracle Databaseの11g R2、12g R1、12g R2のサポート期間は以下のとおり既に終了しており、このサポート終了時期についてはあらかじめオラクル社からも公開されていました。しかしBase Database Serviceにおいては、サポート終了日をもって一切利用不可になることはなく、実際には新規プロビジョニングもできる状態でした。

Oracle Databaseの各バージョンサポート期間

Oracle DatabaseのOCIでのサポート期間は以下のようになっています。

バージョン クラウドでの提供開始 サポート終了(Sustaining Supportの提供なし)
11g R2 2014年9月 2021年3月31日(終了済み)
12c R1 2014年9月 2022年7月31日(終了済み)
12c R2 2017年3月 2022年3月31日(終了済み)
18c 2018年3月 2021年6月30日(終了済み)
19c 2019年1月 2027年4月30日
21c 2020年12月 2025年4月30日
23c 2023年9月 2032年4月

・19cと23cは「Long Term Support(長期リリース)」(太字部分)
・対象サービス
 Base Database Service、Exadata Database Service(Piblic、Cloud@Customer)


しかし、本記事執筆現在(2024年1月23日)これらのバージョンにおいて新規に環境を作成したり複製したりできない状況となっています。この問題に関連する問い合わせがアシストのサポートセンターにも寄せられています。

当該バージョンを基幹システム等のミッションクリティカルなシステムでお使いのお客様は、日々の業務に大きな影響が及ぶ可能性があります。ビジネスの継続性を維持するためにも、また現在進行中の開発プロジェクトを円滑に進めるためにも、現在11g R2、12g R1、12g R2を利用している企業は、早めに19c以降へのバージョンを検討・実施することを強くお奨めします。

サポート終了バージョンを使い続けるリスク

サポートが終了しているバージョンを使い続けるリスクは、OCIで新規プロビジョニングができないことの他にも、主に以下のようなものがあります。この記事をお読みの方は耳にタコができるくらい聞いていらっしゃるかもしれませんが、改めておさらいしてみます。

1. セキュリティ上の脆弱性が高まる

既にサポートが終了しているバージョンの製品に対しては、新たなセキュリティ脆弱性に対するパッチが提供されないため、攻撃に対して脆弱になります。これはデータ漏洩やシステムダウンのリスクを増大させます。

また、最新バージョンのOracle Databaseで新たなセキュリティ機能や改善が提供された場合、古いバージョンを使用しているとこれらの新機能を利用できず、そういった意味でもセキュリティ対策が不十分になる可能性があります。

2. メーカーサポートが提供されない

オラクル社のサポートが終了している11g R2、12g R1、12g R2に対しては、新たなセキュリティパッチだけでなく、その他のバグ修正も提供されないため、性能や可用性等の問題が発生した場合にも、対応が困難になる可能性があります。

3. OCIの持つ強みが活かせない

OCIでは定期的に新しい機能やサービスがリリースされています。これらの新機能はOracle Databaseの最新バージョンに最適化されていることが多く、古いバージョンではこれらの最新のテクノロジーをフルに活用できない可能性があります。それが原因となりパフォーマンスに影響を与えるかもしれません。

上記以外にも、一部の規制や業界標準では、サポートされているソフトウェアの使用が求められており、メーカーサポートが終了しているバージョンのソフトウェアを使用し続けることでこれらの要件を満たせなくなる可能性があるなど、多くのリスクが考えられます。

したがって、これらのバージョンをお使いのお客様に対しては、オラクル社も速やかなバージョンアップもしくは現行インスタンスの停止を推奨しています。

アシストがお手伝いできること

データベースのバージョンアップには少なくない時間や工数がかかりますが、データは企業にとって重要な資産であり、安心安全にビジネスを遂行するために速やかなバージョンアップをおすすめします。

アシストでは、データベースやクラウドに精通した約250名の技術者がお客様の課題解決のお手伝いをし、ビジネスリスクを最小化できるようご支援しています。Base Database Serviceのバージョンアップについても、実際にお客様の環境を確認し、ご要望や制限などを伺った上で、支援の具体的な内容や範囲、お客様との役割分担を調整し、最適な支援メニューをご提案します。

※上記のページに記載されている技術支援サービスは標準的なメニューであり、これらのサービスをお客様の要件に合わせて柔軟にカスタマイズ可能です。


また、OCIを利用される中での様々なお困りごとやお問い合わせに対応するために、「アシスト クラウドマネージドサービス」というオリジナルのサポートサービスをご用意しています。今回のような「新規プロビジョニングができなくなった!」というようなお問い合わせにも対応します。

お問い合わせ窓口を一本化し、Oracle DatabaseとOCIの両方に精通したスタッフが対応することで、万が一の障害発生時の対応の迅速化を実現し、回避策の実施や問題の解決まで日本語でサポートします。


OCIの重要な通知を逃さない便利な「Announcements機能」の活用をオススメ!


今回の「新規プロビジョニングができなくなる」等の重要な通知は、OCIコンソールの“お知らせ”に届きます。緊急メンテナンス等の通知もこの“お知らせ”に届きますので、この確認を習慣化していただくのがいちばんですが、運用としてなかなか難しい場面もあるかと思います。

この“お知らせ”の内容をメール通知させることができる「Announcements機能」をこちらの記事でご紹介しています。メール通知させる内容のカテゴリの設定もできますので、安心安全にOCIを利用するためにも、ぜひこのAnnouncements機能の活用もご検討ください。

【Oracle Cloud】Announcements機能を用いた”お知らせ”の内容のメール通知方法


まとめ

アシストでは、OCIはもちろんオンプレミス環境も含め、Oracle Databaseの導入やバージョンアップに関して多彩な技術支援サービス/サポートサービスを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。




■本記事の内容について
 本記事に示した定義及び条件は変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

■商標に関して
 ・Oracle®、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
 ・Amazon Web Services、AWS、Powered by AWS ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他の AWS 商標] は、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
  文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。

関連している記事

  • Oracle Database
2024.04.08

【Oracle Database】FAQで安定運用に貢献!サポートセンターのナレッジ公開の取り組み

アシストオラクルサポートセンターが公開しているFAQは、仕様に関するQAやエラー発生時の対処方法などはもちろん、不具合情報や障害発生時の情報取得方法といった安定運用に役立つ内容も扱っています。そのFAQをどのように作成しているのか、サポートセンターの取り組みをご紹介します。

  • Oracle Cloud
2024.01.19

Oracle Cloudのサービスリミットを理解し、適切に対処する方法

Oracle Cloudでクラウドアカウントごとに設定されているサービスの利用上限値「サービス制限(サービスリミット)」の引上げ方法とその注意点をご紹介します。

  • Oracle Database
  • その他
2023.12.21

【Oracle Database】サポートセンターでの生成AI(Glean)活用

アシストでは全社員にAIアシスタントGleanを導入しました。サポートセンターで2ヶ月間使ってみて感じた効果やメリットをお伝えします。

ページの先頭へ戻る