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Oracle Cloud VMware SolutionでのVMware HCX環境構築手順(後編)
前回の記事でOCVS)でHCXを利用するための前提となる手順の前半をお伝えしました。本記事では後続の手順であるサービスメッシュ作成・L2延伸手順を記載し、仮想マシンを移行できる状態、つまりHCX環境の構築完了までを説明します。
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以前の記事では、DNSの基本とOCI DNSサービスについてご紹介しました。
本記事では、実際にOracle Cloudのサービスを利用して、独自ドメイン名を使ったWebサーバの名前解決を行ってみます。
本記事では、独自ドメインを取得し、Oracle Cloud上にゾーンを作成し実際に名前解決を行ってWebサーバにアクセスする手順をご案内します。
※VCN内に「http://IPアドレス/」の指定で接続可能なWebサーバを構築済みであることが前提です。
まずはレジストラから独自ドメインを取得します。
例:お名前.com
https://www.onamae.com/
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今回は、テスト用に「smpldomain.work」というドメインを取得しています。
※詳細手順は割愛します。
「smpldomain.work」ドメインを管理するDNSゾーンを作成します。
OCIのコンソールを開き、「ネットワーキング」-「DNSゾーン管理」の順に選択します。
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表示された「DNSゾーン」画面で「ゾーンの作成」を選択します。
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「メソッド」は「手動」を選択し、「ゾーン名」に取得したドメイン名(smpldomain.work)を入力します。
その他の項目はデフォルトで問題ありません。
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作成が成功すると、ゾーンの管理画面へ遷移します。
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名前解決するためのAレコードを作成します。
画面左「リソース」-「レコード」を選択します。
その後、「レコードの追加」を選択します。
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以下の通り設定します。
レコード型...「A - IPv4アドレス」を選択します。
名前...任意のラベルを指定します。「ociweb.smpldomain.work」は「.smpldomain.work」のサブドメインという扱いになります。
TTL...任意の値を指定します。リソースレコードをキャッシュに保持する時間を表します。
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レコードが追加されたことを確認し、「変更の公開」を選択します。
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内容を確認し、「変更の公開」を選択します。
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ネームサーバとは、ドメインの名前解決のための情報を保持するサーバです。
今回は、Oracle Cloudのサービスを使ってゾーン管理を行うため、ネームサーバの情報をOracle Cloudに変更します。
タイプが「NS」となっているレコードの「RDATA」の値をメモしておきます。
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レジストラのネームサーバ設定画面へ移動します。
メモしておいたネームサーバ情報を記入し、「確認」を選択します。
※お名前.comで取得したドメインの場合、以下の流れで設定画面に遷移できます。
お名前.com Naviにログイン>「ドメイン」>「ドメイン詳細」>「ネームサーバー設定」
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この設定により、取得したドメインの名前解決に、OCIのネームサーバが利用されるようになります。
IPアドレスを指定して、Webサーバに接続できることを確認します。
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IPアドレスの代わりに、レコード作成時設定したドメイン名を入力します。
ドメイン名指定で画面を表示できていることを確認します。
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コマンドプロンプトから、digコマンドを使って名前解決できているかを確認します。
「dig ドメイン名」を入力し実行します。
dig結果 C:\Windows\system32>dig ociweb.smpldomain.work ; <<>> DiG 9.16.5 <<>> ociweb.smpldomain.work ;; global options: +cmd ;; Got answer: ;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 26358 ;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 1, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1 ;; OPT PSEUDOSECTION: ; EDNS: version: 0, flags:; udp: 4000 ;; QUESTION SECTION: ;ociweb.smpldomain.work. IN A ;; ANSWER SECTION: ociweb.smpldomain.work. 229 IN A 140.238.39.82 ;; Query time: 11 msec ;; SERVER: 192.168.1.208#53(192.168.1.208) ;; WHEN: Tue Aug 25 07:01:56 東京 (標準時) 2020 ;; MSG SIZE rcvd: 67
「>>HEADER<<-」に「ANSWER: 1」と表示されており、問い合わせ結果として1件レコードが返されていることがわかります。
「ANSWER SECTION:」に「ociweb.smpldomain.work. 229 IN A 140.238.39.82」というレコード情報が表示されています。
ドメイン名をWebサーバのIPアドレスに割り当て割当て、ドメイン名指定でアクセスする手順を確認してきました。
OCI DNSでは、クラウドサービスで簡単にドメイン管理を行えるので、ぜひ本記事を参考に動作を確認してみてください。
Oracle Cloud Infrastructure—ネットワークと接続
https://www.oracle.com/jp/cloud/networking/
DNSのサービス・ゾーンの管理
https://docs.cloud.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/DNS/Tasks/managingdnszones.htm
DNSに関するよくある質問
https://www.oracle.com/jp/cloud/networking/dns-faq.html
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