Database Support Blog

  • Oracle Cloud
2021.01.15

OCIのDNSサービスを使ってみよう 実践編

以前の記事では、DNSの基本とOCI DNSサービスについてご紹介しました。
本記事では、実際にOracle Cloudのサービスを利用して、独自ドメイン名を使ったWebサーバの名前解決を行ってみます。

概要

本記事では、独自ドメインを取得し、Oracle Cloud上にゾーンを作成し実際に名前解決を行ってWebサーバにアクセスする手順をご案内します。
※VCN内に「http://IPアドレス/」の指定で接続可能なWebサーバを構築済みであることが前提です。

実施手順

独自ドメインの取得

まずはレジストラから独自ドメインを取得します。
例:お名前.com
https://www.onamae.com/

今回は、テスト用に「smpldomain.work」というドメインを取得しています。
※詳細手順は割愛します。

DNSゾーンの作成

「smpldomain.work」ドメインを管理するDNSゾーンを作成します。

OCIのコンソールを開き、「ネットワーキング」-「DNSゾーン管理」の順に選択します。

表示された「DNSゾーン」画面で「ゾーンの作成」を選択します。

「メソッド」は「手動」を選択し、「ゾーン名」に取得したドメイン名(smpldomain.work)を入力します。
その他の項目はデフォルトで問題ありません。

作成が成功すると、ゾーンの管理画面へ遷移します。

リソースレコードの作成

名前解決するためのAレコードを作成します。

画面左「リソース」-「レコード」を選択します。
その後、「レコードの追加」を選択します。

以下の通り設定します。
レコード型...「A - IPv4アドレス」を選択します。
名前...任意のラベルを指定します。「ociweb.smpldomain.work」は「.smpldomain.work」のサブドメインという扱いになります。
TTL...任意の値を指定します。リソースレコードをキャッシュに保持する時間を表します。

レコードが追加されたことを確認し、「変更の公開」を選択します。

内容を確認し、「変更の公開」を選択します。

ネームサーバの設定変更

ネームサーバとは、ドメインの名前解決のための情報を保持するサーバです。
今回は、Oracle Cloudのサービスを使ってゾーン管理を行うため、ネームサーバの情報をOracle Cloudに変更します。

タイプが「NS」となっているレコードの「RDATA」の値をメモしておきます。

レジストラのネームサーバ設定画面へ移動します。
メモしておいたネームサーバ情報を記入し、「確認」を選択します。

※お名前.comで取得したドメインの場合、以下の流れで設定画面に遷移できます。
 お名前.com Naviにログイン>「ドメイン」>「ドメイン詳細」>「ネームサーバー設定」

この設定により、取得したドメインの名前解決に、OCIのネームサーバが利用されるようになります。

接続確認

IPアドレスを指定して、Webサーバに接続できることを確認します。

IPアドレスの代わりに、レコード作成時設定したドメイン名を入力します。
ドメイン名指定で画面を表示できていることを確認します。


コマンドプロンプトから、digコマンドを使って名前解決できているかを確認します。
「dig ドメイン名」を入力し実行します。

 
 dig結果
 C:\Windows\system32>dig ociweb.smpldomain.work
  
 ; <<>> DiG 9.16.5 <<>> ociweb.smpldomain.work
 ;; global options: +cmd
 ;; Got answer:
 ;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 26358
 ;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 1, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1
  
 ;; OPT PSEUDOSECTION:
 ; EDNS: version: 0, flags:; udp: 4000
 ;; QUESTION SECTION:
 ;ociweb.smpldomain.work.                IN      A
  
 ;; ANSWER SECTION:
 ociweb.smpldomain.work. 229     IN      A       140.238.39.82
  
 ;; Query time: 11 msec
 ;; SERVER: 192.168.1.208#53(192.168.1.208)
 ;; WHEN: Tue Aug 25 07:01:56 東京 (標準時) 2020
 ;; MSG SIZE  rcvd: 67
 
 

「>>HEADER<<-」に「ANSWER: 1」と表示されており、問い合わせ結果として1件レコードが返されていることがわかります。

「ANSWER SECTION:」に「ociweb.smpldomain.work. 229 IN A 140.238.39.82」というレコード情報が表示されています。

まとめ

ドメイン名をWebサーバのIPアドレスに割り当て割当て、ドメイン名指定でアクセスする手順を確認してきました。
OCI DNSでは、クラウドサービスで簡単にドメイン管理を行えるので、ぜひ本記事を参考に動作を確認してみてください。


参考情報

Oracle Cloud Infrastructure—ネットワークと接続
https://www.oracle.com/jp/cloud/networking/
DNSのサービス・ゾーンの管理
https://docs.cloud.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/DNS/Tasks/managingdnszones.htm
DNSに関するよくある質問
https://www.oracle.com/jp/cloud/networking/dns-faq.html

執筆者情報

さかもと ゆういち プロフィール画像

2017年アシスト入社後、主にVerticaのサポートエンジニアに従事。2020年よりAWS/OracleCloudのフィールドエンジニアとして活動している。...show more


■本記事の内容について
 本記事に示した定義及び条件は変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

■商標に関して
 ・Oracle®、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
 ・Amazon Web Services、AWS、Powered by AWS ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他の AWS 商標] は、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
  文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。

関連している記事

  • Oracle Cloud
  • Oracle Database
2024.07.19

Oracle Cloud Shellで簡単にOCIのComputeへシリアルコンソール接続する方法!

Oracle Cloudで構築したComputeインスタンスは、ハードウェア等インフラ周りはオラクル社が管理しますが、OSやアプリケーションはお客様が管理する必要があります。今回は、事前準備不要で簡単に操作可能なCloud Shellによるコンソール接続をご紹介します。

  • Oracle Cloud
2024.07.19

【Oracle Cloud】Oracle Base Database Serviceにシリアル・コンソール接続する方法

これまでComputeインスタンス停止の自動化はOCI CLIやcronやタスクスケジューラ、ジョブ管理ツールからのCLI実行が必要でした。自動スケーリング機能がリリースされたことで任意の日時でComputeインスタンスの起動/停止が可能となりました。課金抑制にも繋がる詳細手順をご紹介します。

  • Oracle Cloud
2024.07.18

【Oracle Cloud】opcユーザー以外のSSH接続を許可する方法

Oracle Cloud上にComputeインスタンスやDBシステムを構築すると、システム管理者ユーザであるopcユーザが作成されますが、お客様の中にはopcユーザ以外からSSH接続を必要とするケースもあるかと思います。今回は、opcユーザ以外のユーザからSSH接続を行う方法をご紹介します。

ページの先頭へ戻る