Database Support Blog

  • Oracle Cloud
2021.01.18

OCI上にWebサーバを作成してみよう!

OCI(Oracle Cloud Infrastructure)はコストメリットの面で非常に優れたクラウドサービスです。
Webサーバをインターネット上に公開する手順をとおして、OCIの基本的なサービスである仮想クラウドネットワーク(以下、VCN)と仮想マシン(以下、Compute)の設定方法を確認します。

本記事でやること

本記事では、OCI上にVCNを作成後、その中で起動させたComputeをWebサーバとして構成し、ブラウザからアクセスする手順をご紹介します。
基本的な設定をご自身で試してみることで、OCIの使用感を実際に体験してみてください。

ネットワーク設定

VCNの作成

OCIのコンソール上の操作で、VCNを作成します。

コンソール画面から「ネットワーキング」-「仮想クラウド・ネットワーク」の順に選択します。

「VCNの作成」を選択します。

必須記入項目に入力します。

[名前]
任意のVCN名を入力します。

[コンパートメントに作成]
任意のコンパートメントを選択します。

[CIDRブロック]
プライベートIPv4アドレス範囲(※)からCIDRブロックを指定します。

(※)以下の範囲
10.0.0.0 - 10.255.255.255 (10/8 プレフィックス)
172.16.0.0 - 172.31.255.255 (172.16/12 プレフィックス)
192.168.0.0 - 192.168.255.255 (192.168/16 プレフィックス)

参考:RFC 1918
http://www.faqs.org/rfcs/rfc1918.html

入力後、「VCNの作成」を選択します。

サブネットの設定

前の手順で作成したVCNの中にサブネットを作成します。

指定した名前のVCNが作成されます。
次に「サブネットの作成」を選択します。

必須記入項目に入力します。

[名前]
任意のサブネット名を指定します。
サブネットがパブリックなものかプライベートなものか判別できるものにすることを推奨します。

[CIDRブロック]
VCNで指定したCIDRブロックをさらに細分化するようなCIDRブロックを指定します。
例:
VCNのCIDRブロックを「10.0.0.0/16」とした場合、サブネットのCIDRブロックは「10.0.10.0/24」とする。

[サブネットアクセス]
サブネットのインスタンスに対してパブリックIP利用を許可するかを設定します。
本手順では、インスタンスに対してWebブラウザ経由でインターネットアクセスしたいため、「パブリックサブネット」を選択します。

入力後、「サブネットの作成」を選択します。

セキュリティリストの設定

許可したい通信をイングレス・ルールとして作成します。

今回は、デフォルトのセキュリティリストにWebアクセス用のルールを追加します。

ルートテーブルの設定

作成したサブネット内のインスタンスがインターネットを使用した通信を行うためには、サブネットのルートテーブルからインターネットゲートウェイに対してのルーティングを設定する必要があります。
VCN作成時点ではインターネットゲートウェイは存在しないため、本手順で作成してルーティングを行います。

■インターネットゲートウェイの作成
VCN管理画面のリソースから「インターネットゲートウェイ」を選択します。
画面遷移後、「インターネットゲートウェイの作成」を選択します。

名前を入力後、「インターネットゲートウェイの作成」を選択します。

■インターネットゲートウェイへのルーティングの追加
リソースから「ルート表」を選択し、画面遷移後にデフォルトで作成されている「Default Route Table for test-vcn」を選択します。

「ルート・ルールの作成」を選択します。

以下のとおり設定し、「ルート・ルールの追加」を選択します。

[ターゲット・タイプ]
インターネット・ゲートウェイ

[宛先CIDRブロック]
0.0.0.0/0

[ターゲット・インターネット・ゲートウェイ]
作成したインターネットゲートウェイを選択

Webサーバの構成

Computeの起動

ダッシュボードから「コンピュート」-「インスタンス」の順に選択します。

「インスタンスの作成」を選択します。

最低限以下の項目を設定後、「作成」を選択します。

[名前]
任意のインスタンス名を選択します。

[仮想クラウド・ネットワークの選択]
作成したVCNを選択します。

[サブネット]
作成したパブリックサブネットを選択します。

[SSHキーの追加]
新たにSSHキーを作成するか、既存のSSHキーの公開鍵をアップロードします。
新たにSSHキーを作成する場合、秘密キーと公開キーをそれぞれローカルに保存しておいてください。

インスタンスへのログイン

必要パッケージをインストールするため、端末からインスタンスにSSH接続します。

teratermなどの端末を起動し、インスタンスのパブリックIPアドレスを指定します。

ユーザ名に「opc」を入力、「Autentication methods」で「RSA/DSA/ECDSA/ED2551鍵を使う」を選択後、「Computeの起動」の手順で指定したキーペアの秘密鍵を指定して、「OK」を選択します。

ログインできたことを確認します。

Apacheのインストール

以下のコマンドを実行し、Apacheのインストール、起動、自動起動の設定を行います。

  
 --パッケージを最新化
 sudo yum update -y
  
 --Apacheをインストール
 sudo yum install httpd -y
  
 --Apacheを起動
 sudo systemctl start httpd.service
  
 --Apacheの起動状況を確認
 sudo systemctl status httpd.service
  
 --自動起動設定
 sudo systemctl enable httpd.service
  
 --設定されているかの確認
 sudo systemctl is-enabled httpd.service
  

iptablesの設定

OCIではインスタンスにもデフォルトでファイアウォールの設定がされているため、httpの通信を許可する設定を行います。

  
 $ sudo firewall-cmd --zone=public --add-service=http --permanent
  
 $ sudo  firewall-cmd --reload
  

確認

ブラウザからインスタンスのパブリックIPアドレスを指定し、Apacheのデフォルト画面が表示されることを確認します。

まとめ

ここまでで、VCN/サブネット/セキュリティリスト/ルートテーブルを構成し、インスタンスの作成とアクセスの手順をご紹介しました。
OCIのサービスを無償で利用できるキャンペーンなどもありますので、ぜひご自身でお試しいただき、OCIの基本的な設定について理解を深めてください。


参考情報

クラウド・コンピュート
https://www.oracle.com/jp/cloud/compute/
VCNとサブネット
https://docs.cloud.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/Network/Tasks/managingVCNs.htm#overview
Oracle Cloud無償ティア
https://www.oracle.com/jp/cloud/free/

執筆者情報

さかもと ゆういち プロフィール画像

2017年アシスト入社後、主にVerticaのサポートエンジニアに従事。2020年よりAWS/OracleCloudのフィールドエンジニアとして活動している。...show more


■本記事の内容について
 本記事に示した定義及び条件は変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

■商標に関して
 ・Oracle®、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
 ・Amazon Web Services、AWS、Powered by AWS ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他の AWS 商標] は、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
  文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。

関連している記事

  • Oracle Database
  • Oracle Cloud
2024.11.05

Oracle Database 23ai新機能!メモリーを有効活用する統合メモリー管理

2024年5月にOracle Cloud環境にて、先行してOracle DB 23aiがリリースされました。 Oracle Base Database ServiceにおけるOracle Database 23aiの検証結果を報告します。 今回は「統合メモリー管理」をテーマにお伝えします。

  • Oracle Cloud
  • Oracle Database
2024.10.21

【OCI】生成AIにGPUが適している理由

昨今のIT業界では生成AIとGPUが話題になっています。 もちろん、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)でも生成AIサービスやGPUインスタンスが提供されています。 改めて、なぜGPUは生成AIに適しているのでしょうか。 その理由をCPUと比較しながらご紹介します。

  • Oracle Cloud
  • Oracle Database
2024.10.11

Oracle Cloud VMware Solutionを構築してみました!

前回の記事でOCVSの概要やメリットをお伝えしました。 本記事では実際にOCVSを構築する手順、および作成したvCenterへ実際に接続する手順をお伝えします!

ページの先頭へ戻る