生成AI実践・Gleanブログ

  • 1GAN:全社生成AI実践プロジェクト
2024.07.09

生成AI全社コンテスト:マーケティング部門のGlean実践事例(アイデア賞)

アシストではこの春に、「生成AIの全社実践コンテスト」を初開催しました。

生成AIを実業務でどのように使っているのか、現場での実践事例を募集したところ全社から400もの応募がありまして、最終審査では部門内予選を勝ち抜いてきた応募者による熱戦が繰り広げられました。

コンテストについて紹介した前回の記事(全社コンテストで生成AIの利活用を促進!Gleanがアシストにもたらす変化とは )に続いて、この記事では、そのコンテストに応募したマーケティング部門の実践事例をくわしくご紹介していきます。

(このマーケティング部門の事例は、コンテストで「アイデア賞」を受賞しました!)

1日のマーケティングタスクをスケジュール化

最初にご紹介する実践事例は、予選でも本選でもプレゼンテーションの実演で会場を沸かせた生成AIの使い方です。

この使い方を考案したのは、社内公募制度でマーケティング部門に異動してきたばかりのメンバーで、これまでとはまったく違う職種の業務に就いて、どうしたらもっと生産性を上げられるのか悩むなかで発想した使い方になります。

考案者のプロフィール:

  • マーケティング部門に異動して1年目(現在は2年目に入っています)
  • 大阪オフィス勤務のため、東京の市ケ谷本社にいるチームメンバーとは常にリモートでコミュニケーション(上司も同僚もみんな市ケ谷オフィス勤務)
  • 新任のマーケターとして慣れない仕事が多いなか、案件の同時進行・マルチタスクが求められるため、どのタスクから着手していけばいいのかわからない
  • 定時退社を目指すも残業が増加(小学生2人のママさんです)
  • 効率よく、生産性高く、仕事を進めていけるスケジュールを組み立てていきたい

この発案者をジュニアマーケターさんと呼ぶことにしまして、ジュニアマーケターさんは普段からタスクをToDoに書き出しているため、それをもとに1日のスケジュールを組み立ててもらおう、と発想しこのようなプロンプトでGleanに時間割表の作成を依頼しました。

タスクを書き出したToDoリスト

ジュニアマーケターさんが、今日1日のToDoとして書き出したタスクはこのようになっています。

●A案件・公開前の最終チェック(15) ・ウェブサイトを公開(10) ・社内向けアナウンス原稿の承認依頼(5)・社内向けアナウンス発信 (10) ・WBSアップデート(5)

●B案件 ・原稿のアウトライン作成(120) ・関係者のグループチャット作成(20)

●MTG ・15:00‐16:30 チームミーティング

●C案件・制作会社様との打合せ資料作成(40)

ToDoリストをもとに、Gleanにスケジュール作成を指示

上記のタスクをもとに、このようなプロンプトでGleanにスケジュール作成を依頼します。

以下の情報をもとにスケジュールを作成してください。

●A案件・公開前の最終チェック(15) ・ウェブサイトを公開(10) ・社内向けアナウンス原稿の承認依頼(5)・社内向けアナウンス発信 (10) ・WBSアップデート(5) ●B案件 ・原稿のアウトライン作成(120) ・関係者のグループチャット作成(20) ●MTG ・15:00‐16:30 チームミーティング ●C案件・制作会社様との打合せ資料作成(40) END ・ENDの行までのタスクで作成します。 ・見積時間をもとに作成してください。 ・9:00-16:30で作成してください。 ・昼休みは12:00-13:00です。 ・空き時間はタスクを★にしてください。 ・表形式で作成してください。 ・実施時間が記載されているタスクはその時間でスケジュールしてください。 ・出力項目は、時間、カテゴリ、タスク、見積時間です。

Gleanが作成してくれたスケジュールはこのとおり!

Gleanが作成した回答全文はこちらです(↓)

ジュニアマーケターさんのリクエストに基づいて、以下のスケジュールを作成しました。ご確認ください。

時間 カテゴリ タスク 見積時間
9:00-9:15 A案件 公開前の最終チェック 15
9:15-9:25 A案件 ウェブサイトを公開 10
9:25-9:30 A案件 社内向けアナウンス原稿の承認依頼 5
9:30-9:40 A案件 社内向けアナウンス発信 10
9:40-9:45 A案件 WBSアップデート 5
9:45-11:45 B案件 原稿のアウトライン作成 120
11:45-12:00 C案件 制作会社様との打合せ資料作成 15
12:00-13:00 - 昼休み -
13:00-13:20 B案件 関係者のグループチャット作成 20
13:20-14:50 C案件 制作会社様との打合せ資料作成(続き) 25
14:50-15:00 空き時間 -
15:00-16:30 MTG チームミーティング -

-
このスケジュールは、ジュニアマーケターさんが提供したタスクの見積時間と指定された条件に基づいて作成されました。C案件の作業を午前と午後に分けて配置しました。空き時間は14:50-15:00に設定しています。空き時間は、予期せぬタスクや休憩に利用できます。

スケジュールを見ながら、タスクに集中して進捗を出す

上記のように、Gleanが瞬時に時間割を作ってくれました。

このスケジュール表を見ると、業務時間内でタスクが終わりそうか(残業せずに1日のタスクを完遂できそうか)、そしてそのためには何時からどのタスクに着手すればよいのか、何時までに終わらせられそうか一目瞭然でわかります。

ジュニアマーケターさんはこのスケジュール表を見ながら、順番にタスクに着手して完遂させていくことができます。タスクが予定よりも早く終わった場合は、スケジュールの再作成を依頼すればそれ以降の進行を組み直してくれるので(予定より時間がかかってしまった場合も)、午後イチには必ず進捗をチェックして、スケジュールを組み直しているそうです。

実は、ジュニアマーケターさんがこのスケジュールでイチバン知りたいことは、どこに空き時間があるか、それはどれくらいか、ということだそう。多くのタスクが並ぶと、1日がパツパツになり常に追われている心持ちになってしまいますが、今日はこれくらいの空き時間があるということがわかれば、時間に余裕があることが可視化されてわかるので、気持ちのゆとりにもつながるそうです。

たしかに、朝イチの段階で、今日は30分の余白を作れそうだとわかっていれば、このタスクはもうちょっと凝ったことができそうだな、とか、調査範囲をもう少し広げてあのデータも使って分析してみようかな、なんて想像しながら仕事ができるとワクワクしますよね!

生成AIを活用したタイムマネジメントで生産性アップ

この使い方について、生成AIの実践や業務へのインパクトの観点からジュニアマーケターさんにお聞きしたことをまとめます。

  • タスクを洗い出して見積時間を算出すればGleanがスケジュールを組み立ててくれるので、自分専属の秘書が就いたような感覚で仕事ができます。
  • タスクが1日のスケジュール時間内に収まらない時もあります。その時は優先順位を見直したり、終業時に振り返りをすることで効率と生産性の意識が向上しました。
  • 日々様々なタスクに追われて毎日の残務に自己嫌悪を感じていましたが、Gleanがすぐ隣で伴走してくれるので、対話しながら業務を進められています。予定より早くタスクを完了できると励ましの言葉をかけてくれるので(かけてくれるように指示を出すのでw)、モチベーションアップにもつながっています。
  • 私の業務でもっとも注力したいのは、お客様にインタビューした取材内容を原稿にまとめて記事にすることです。このクリエイティブなタスクに割り当てる時間をいかに多く捻出し確保できるかが組織のミッションにも直結します。Gleanをうまく使いこなしながら、考えるための時間を創出して、良質なコンテンツ制作に取り組んでいきたいです。

まとめ

この記事では、マーケティング部門に異動してきたばかりの新任マーケターが、生成AIを実務に取り入れて実践している事例をご紹介してきました。
タスクをスケジュール化するという使い方は、マーケティングに関わらずあらゆる業務で使える実践方法ですので、上記のプロンプトを参考にぜひ皆様も使ってみてください!このプロンプトは、ChatGPTでもそのままお使いいただけます。

実は本選の最終審査で、審査員の役員の方から「今の使い方をGleanならではの使い方に発展させようとすると、どのような使い方ができそうですか?」という質問が出ました。さすが、鋭い質問です。

Gleanは社内のドキュメントを参照しながら回答を生成できるのが圧倒的な強みですから、その機能を使ったらもっと面白いんじゃない?というアドバイスをいただきました。(ちなみに今回のコンテストは、生成AIを広く実務で使う事例を対象としていたので、マーケティング部門でのこのような使い方も応募条件を満たしていました。)

例えば、過去のタスクにかかった工数実績や、各タスクの難易度や複雑さなどを学習して、これから取り組もうとしているタスクの所要時間を見積もってくれるような使い方ができるとさらに便利になるはずです。Gleanはそのタスクに詳しい社員を教えてくれるので(Know Who)、その人は誰か、がわかれば直接コミュニケーションして知見をお伺いできますし、これから作ろうとしている資料に近しいドキュメントが既に社内にあれば、その資料も的確に教えてくれます。
コンテストでは実践し始めたばかりの事例として応募していたので、今後はこのような使い方も模索してみようと思います。

実は、マーケティング部門が受賞した生成AIの実践事例はもうひとつあるのですが、少し長くなってきましたのでまた別の記事でご紹介していきます。こちらもお楽しみに!


執筆者情報:

古賀 智美
株式会社アシスト

2001年にアシスト入社。AIやBI分野のマーケティングを経て、2023年より「Glean」の日本国内での立ち上げに参加。マーケティングマネージャー。
アシストでの生成AI全社実践プロジェクト「1GAN」のCoE。

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