
- 1GAN:全社生成AI実践プロジェクト
もうGleanのない仕事には戻れない!営業向けインタビュー
アシストが全社で導入している生成AI「Glean」。営業部門ではどのようにAIを使って業務に役立てているのでしょうか?営業とインサイドセールスの中堅・若手・キャリアチェンジのメンバーに聞いてみました。
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アシストがこの春に社内開催した「生成AIの全社実践コンテスト
」では、全事業部から400もの実践事例が応募され、予選、本選と大熱戦が繰り広げられました。
前回のこちらの記事
では、アイデア賞を受賞したマーケティング部門での「1日のマーケティングタスクのスケジュール化」をご紹介しました。今回はその続編として、同じマーケティング部門が受賞した生成AI実践の2つ目の事例を詳しくご紹介していきます。
アシストでは、ウェビナーやリアルなイベントを毎月30本ほど開催していまして、これらのイベント運営はマーケティング部門の専任チームが担っています。
この運営チームは社内では「イベントチーム」の通称で親しまれていまして、ウェビナーの収録や配信では、片耳にヘッドホンを当ててDJさながらに音響機材を自在に操り、照明の照度や角度にもミリ単位でこだわって、スマートなカメラワーク、的確な間合いで登壇者に次々にキューを出す仕草はまさにプロフェッショナル。
イベント当日の仕切りはもちろん、収録した動画の編集も実に手早く仕上げてくれるので、アシストで開催するイベントはイベントチーム無しには成立しません。
そのためイベントチームは社内でも引っ張りダコで、イベントの企画が持ち上がったら、まずはイベントチームの空き状況を確認しないことには、企画が立ち行かないほどです。
先ほど、アシストでのイベント開催数は月に30本とご紹介しましたが、月20営業日とすると1日あたり1.5本という換算になりますので、午前と午後で1本ずつ、もしくは午後に2本のイベントを運営するなんていうのは日常茶飯事で、イベント運営に長けたメンバーが勢揃いしています。
お客様からよく「アシストさんってイベント多いよね」というお声をいただきますが、アシストのマーケティングになくてはならない任務を日々遂行しているのがこのイベントチームです。
そこで重要になるのが、この数多くのイベントのスケジュール管理です。
何月何日の何時から、どの事業部のどの製品のイベントを開催するのか、ウェビナーなのかリアルな会場型のイベントなのか、収録スタジオはどこを使って、誰がその運営を担当するのか、きっちり正確に管理しないといけません。
万が一、登録漏れやダブルブッキング、トリプルブッキングがあったら・・・想像するだけで青ざめますが、今のところそういった事態は発生したことがありません。
というのも、そうならないように、イベントチームでは慎重にこのスケジュールを管理しているからです。
管理方法は、チーム内で共有しているGoogleスプレッドシートに上記のような詳細情報をイベントごとにまとめた上で、全社員が閲覧できるGoogleカレンダーに登録、公開しています。
Googleカレンダーを見れば、いつどのイベントが開催されるのかが一目瞭然なので、営業部はこのカレンダーをもとにお客様にイベントを案内できますし、企画チームはこのカレンダーを見ながら新規のイベントをいつ開催できるかを考えられます。
さて、前置きが長くなりましたが、生成AIをどうやって実業務に適用して生産性を上げていくか、という本題はここからになります。
前述したスケジュール管理のプロセスで、生成AIを適応させる箇所は、
スプレッドシートを見ながら、1ベントずつGoogleカレンダーに手作業で登録する
という部分です。
地味だけれど、数が多くて、ひとつの登録ミスも許されない手作業を生成AIの力を借りてなんとかできないかな・・という発想から思いついたのが、イベントチームに公募で異動してきた鈴木まるかさんです。
まるかさんは前々から、Google Apps Script(GAS)を利用できたら一瞬でカレンダー登録できるだろうな・・・と思っていたものの、スクリプトを書くにはコーディングの知識と技術力が必要なため諦めていたそうです。
そんな折、全社規模での生成AIコンテストがスタートしまして、マーケティング部門では部門内の全メンバーをシャッフルして8チームに分け、チーム制で生成AIの実践に取り組むことになりました。
※取り組み方は各事業部ごとに決めることができたので、個人での応募制にした部門もあれば、チームと個人どちらの応募でもOKとした部門もありました。
まるかさんが温めていたアイデアをチームに共有したところ、賛同を得ることができ、一緒にやってみようよ、と言ってくれた先輩とさっそくスクリプトの作成に着手しました。
Gleanのチャットを開いて、まずはGleanにイベント管理用のGoogleスプレッドシートを読み込ませ、今回実現したいことを伝えてGASの作成を指示したところ・・・・・、ほんの数秒で即座にスクリプトを含めた回答を生成してくれました。
こちらが、まるかさんが書いた依頼文です。
以下の条件でApp Scriptを生成してください。♯スプレッドシート https://docs.google.com/spreadsheets/****
♯登録に必要な情報
B列(開催日)→ 登録日 D列(開始時間) → 開始時間 E列(終了時間) → 終了時間 F列(セミナータイトル) → 予定のタイトル G列(企画部門) → 操作するカレンダーを選択するために利用
♯選択条件は条件2を参照
♯条件1
・特定タブのみを対象として登録を行う
・特定のタブのみを対象としてスケジュールを削除する関数を準備する
・カレンダー登録作業を登録するボタンを作る
・カレンダー登録作業を削除するボタンを作る
♯条件2
1.G列の文字列が”DX”の場合はカレンダー1を操作
2.G列の文字列が”DB”、”クラウド”の場合はカレンダー2を操作
3.G列の文字列が”シス基”、”AG”の場合はカレンダー3を操作
4.G列の文字列が1から3以外の場合はカレンダー4を操作
Gleanが作成した回答全文はこちらです(↓)
Google Apps Script (GAS) を使用して、Google スプレッドシートのイベント情報を Google カレンダーに連携するスクリプトを作成することができます。以下のスクリプトは、指定された列の情報を読み込み、Google カレンダーにイベントを作成します。
まず、Google スプレッドシートのスクリプトエディタを開き、以下のコードを貼り付けてください。
// カレンダーIDを設定
var CALENDAR_IDS = {
'DX': '****@group.calendar.google.com',
'DB': '****@group.calendar.google.com',
'クラウド': '****@group.calendar.google.com',
'シス基': '****@group.calendar.google.com',
'AG': '****@group.calendar.google.com',
'その他': '****@group.calendar.google.com'
};
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
// アクティブなシートのデータを読み込んでカレンダーに予定を登録する
function addEventsToActiveCalendar() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
var dataRange = sheet.getDataRange();
var data = dataRange.getValues();
for (var i = 1; i < data.length; i++) {
var row = data[i];
var eventDate = new Date(row[1]); // B列: 開催日
var startTime = new Date(row[3]); // D列: 開始時間
var endTime = new Date(row[4]); // E列: 終了時間
var title = row[5]; // F列: セミナータイトル
var department = row[6]; // G列: 企画部門
// カレンダーIDを選択
var calendarId = CALENDAR_IDS[department] || CALENDAR_IDS['その他'];
// 開始時間と終了時間のDateオブジェクトを作成
var startDateTime = new Date(eventDate);
var endDateTime = new Date(eventDate);
startDateTime.setHours(startTime.getHours(), startTime.g
さらに追加で、Gleanはこんな注意点も教えてくれました。
注意点
カレンダーIDを適切に設定してください。デフォルトのカレンダーを使用する場合は、CalendarApp.getDefaultCalendar() を使用できます。
スプレッドシートのシート名を適切に設定してください。
スクリプトを実行する前に、Google カレンダーとスプレッドシートのアクセス権限を確認してください。
このスクリプトを実行することで、スプレッドシートのイベント情報が Google カレンダーに連携されます。
この最初の回答で、ほぼ完成形のGASができあがったそうです!
まるかさんが半年ほど構想し続けたものの、なかなか筆を執れずにいたスクリプトがわずか数秒で画面に出てきた時の感動といったら・・・、そしてスクリプトに添えられた親切な解説にもさらに感動したそうです。
このGASをもとに、このあと何回かGleanと壁打ちを続けながら、権限やボタン機能実装の条件も複数指定して、最終的に実務で運用できるスクリプトに仕上げていったということです。
今ではもう、イベント情報が確定したら、ボタンをぽちっとクリックするだけで瞬時にGoogleカレンダーに登録できるようになりました。
この使い方について、生成AIの実践や業務へのインパクトの観点から、まるかさんにお聞きしたことをまとめます。
この記事では、マーケティング部門に異動してきた新任マーケター まるかさんが、イベントの開催情報をGoogleスプレッドシートからGoogleカレンダーに登録するGASのコーディングをGleanでサクッと作成した実践事例をご紹介しました。
1本のイベントを手作業で登録するのに1分かかるとすると、年間200本のイベントで200分(3時間20分)、300本なら300分(5時間)を短縮できるため、時間的な効果も大きく生産性向上につながっています。
まるかさんの実感としては、毎日複数のイベント運営を手掛けながら、このカレンダー登録の時間をまとめて確保するのがそもそも大変だったので、ボタン1つで登録できるようになったという業務改善の効果は気持ち的にも大きいとのこと。・・・たしかに、そういう業務ってけっこうありますよね。
生成AIの使いどころに迷われる時は、繰り返し発生する業務や、もっと短時間で完遂したい業務を見回して適用させていくとよいかもしれません。効果も目に見えますし、自分の仕事スタイルが変化していくのもワクワクします。周りの同僚にアイデアや使い方を共有して、チームや組織で取り組んだり、さらに発展させた使い方に広がっていくのも面白いですよね。
このブログでは、生成AIやGleanの実務での使い方を発信していきますので、次の記事もぜひお楽しみに!
この使い方を社内に公開したところ、人事部門の採用チームのマネージャーさんから連絡があり、使い方をくわしく教えてほしいとリクエストがありました。
採用チームでは、採用イベントや面談が連日多数あるということで、そのスケジュール共有に同じ手法が使えたら業務効率がグンと上がりそう、と期待を寄せられていました。こういう広がりってとてもいいですよね!
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古賀 智美
株式会社アシスト
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