株式会社アシスト 代表取締役会長
ビル・トッテン
えんどう豆を収穫後、5月の菜園では夏野菜の準備が始まりました。家庭菜園をしていて悩ましいことの一つに連作障害があります。同じ場所で同じ植物を何度も育てると、植物の生育が悪くなったり、枯れたりするのが連作障害です。私の場合、バクタモンを始め連作障害を起こさないという土地改良剤を使っていますし、何よりも、毎年どこに何を植えたかを記録しておいて連作にならないよう注意しているので、実害にあったことはありません。
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ところが今年、昨年わが家を生徒たちと共に訪問してくれた会津若松の高校の近藤先生からいただいた食用ほおずきの種を、昨年トマトを植えた土地に撒いてしまいました。タマネギやニンニクなどほとんど連作障害のない野菜もありますが、トマト、ナス、ピーマンなどナス科の植物は連作障害が起きやすいといわれています。ほおずきがナス科だということをすっかり失念していたのです。教本によっては3~5年くらいは同じ場所でナス科の野菜を栽培しないほうが良いとも書かれています。
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あわてて近藤先生にメールでお尋ねしたところ、先生は土に炭を入れたり牛糞や腐葉土をすき込んだりしているので、毎年同じ場所に食用ほおずきを植えていても、ほおずきはかなり強く、野生的なので大丈夫だとの言葉をいただき、一安心しました。特に今年はたくさんの兎糞と藁が土に良い栄養分を提供してくれています。赤いちょうちんがぶら下がったような姿が愛らしいほおずきに、食用のものがあることは全く知りませんでしたが、食用ほおずきは栄養価の高い「スーパーフード」だとのことで、まだ芽もでていませんが夏の収穫が待ち遠しいです。
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農業新聞によれば、農水省は農家が購入した種苗から栽培して得た種や苗を次期作に使う「自家増殖」について、原則禁止する方向で検討に入ったそうです。戦後の食料を確保する目的で、重要な食糧である稲、麦、大豆の優良な種子の生産・普及を進めることを国・都道府県に義務付けた種子法も、4月に廃止されました。
その一方で、日本の政府は食料安定という名のもとに、F1種や遺伝子組み換えの種子を日本に導入させようとしています。自家採種を繰り返すと次第に品種が劣化していくから、というのが理由だそうですが、実際は利益優先で品種の開発を行っている巨大企業への利益誘導としか思えません。また、米国で厳しく使用制限されている危険な農薬「スルホキサフロル」が国内で使用許可されることになりました。これはネオニコチノイド系で、ミツバチへの毒性が強い農薬です。なぜ米国では裁判になり使用許可が取り消された農薬を日本が許可するのか、理解に苦しみます。
米国では数年前より、「食品安全近代化法」 のもと、野菜の栽培や売買に政府が介入し始めています。有機栽培や種の貯蔵を排除し、巨大多国籍企業に種子を独占させ、小規模な食品生産者に不当な負担を課して廃業に追い込めば、食糧供給はすべて巨大多国籍企業に依存するしかありません。連作障害よりもよほど大きな影響をもたらすそんなばかげた政策を、日本の政府も次々と取り入れていることに、どれくらいの人が気づいているのでしょうか。食糧自給率の低い日本の将来を考えるとますます家庭菜園に力が入ります。
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パリオリンピックが終わりましたが、昔からあまりオリンピックには興味がなく、今回もテレビで競技を見ることは一度もありませんでしたが、代わりにインターネットでオリンピックに関する興味深い記事を数多く見つけました。
7月は北海道への出張から始まりました。アシスト札幌サロンでは、最近気になっている日米の話題などを交えてスピーカーとして登壇し、今年も数多くのお客様にご参加いただきました。